――韓国が直面している最も大きな問題は。

デュフロ「韓国はかなり高い成就を成し遂げた国だが、低い出生率は非常に恐ろしい事実だ。生産可能人口は依然として多いが、彼らのリタイアが本格的に始まった点は重く扱われなければならない。生産可能人口が減ることになれば税金を払う人々も減り高齢者扶養の問題は大きな挑戦になるだろう。韓国の人口問題を解決するためには移民と出産を積極的に奨励しなければならない」

――コロナ禍後に世界的に対立も広がった。


バナジー「新型コロナウイルスにより国同士の連帯関係は大きく損われた。特にワクチンが登場してからワクチン製造能力があったりワクチンを確保した国々がそうではない国々とこれを共有しないことに人類の普遍的な健康という世界的目標が崩壊した。先進国が乗り出してワクチン接近権を共有したとすれば状況は変わっただろう。これは気候変動の主犯である先進国が気候変動に責任を負おうとしないこととも一脈通じる。先進国は国際的連合を試みる機会を失い、私たちは結局その代償を払うことになるだろう」

――問題解決に向けた方法として尊厳性を強調してきたが。

デュフロ「すべての最初のボタンは尊厳性から始まらなければならない。世界各地の対立は自身の尊厳性を失ったと考える人たちが極端な観点を持ち始め次第に大きくなってきた。すべての問題が人間の尊厳性が剥奪された時に始まるという意味だ。貧困問題でも同じだ。人々の尊厳性は無視したまま単純に支援だけ提供しようとすれば彼らは支援を拒否して怒ることになる。労働は単純な所得創出道具ではなく社会的関係を形成するものという研究結果がこれを後押しする」

――政治的対立、国際情勢などによる「厳しい時間」が続いている。この時代を生きていく私たちにどのような態度が必要だろうか。

バナジー「状況を悲観するのか、楽観するのか選択しなければならない。現時代国家の選択にはあまりにも多くの暴力と冷笑主義が反映されており人々は簡単に悲観に陥る。この２０年間世界の不平等と気候危機、ポピュリズムが増加したのは事実だが、世界の各地では良いことも起きた。漸進的な肯定的変化が続いている点で希望を持たなければならない。希望がなければ子どもたちは生まれない。韓国に希望を強調したい理由だ。国民の意志と政府の支援が結合すれば多くの発展を成し遂げられるということを世界に見せてほしい」。


ノーベル経済学賞夫婦、生産可能人口減少危機の韓国…移民・出産積極的に奨励しなくては（１）