米国が半導体や量子コンピュータなど先端技術が敵国に移らないよう韓国など関連技術を持つ同盟国と新たな多国間輸出統制体制を作る案を議論していると米商務省関係者が明らかにした。

米国の輸出統制を総括するエステベス米商務次官（産業安全保障担当）は１２日、ワシントンＤＣで開かれた韓米経済安保カンファレンスの基調演説で「米国と同盟はわれわれを敵から保護し技術を管理するために速いスピードで行動できる輸出統制体制をどのように構築するのか議論中だ」と伝えた。

エステベス次官は特に半導体の場合、半導体チップや関連装備を実際に生産する国は多くないため、これらの国が新たな輸出統制体制に参加可能だと言及した。また「複数の国が先端量子コンピュータ作業をしているが韓国もそのうちのひとつ」とした。


彼は韓国も新たな輸出統制に対し議論する同盟に含まれるかとの質問に「米国のすべての同盟を含む。韓国の参加なくしてできるものとは考えず、韓国の参加なくやりたくもないだろう」と答えた。

スアレス米国務次官補代理（国際安全保障・不拡散担当）もこの日のカンファレンスで「韓国で生産されたセンシティブな品目が中国の軍事近代化計画に使われないようにすることが重要だ。韓国と米国のように価値を共有する国が協力しなければならない」と強調した。

◇米商務長官「韓日などと共助必要」

こうした発言はレモンド米商務長官が２日に中国を牽制するため韓国など同盟と輸出統制共助を推進すべきと話したのと同じ脈絡とみられる。

レモンド長官はこの日カリフォルニア州で開かれたフォーラムで「中国が韓日独などを通じて米国の輸出統制を迂回するのを防がなければならない」と話した。

続けて「われわれが輸出統制をしても、中国がドイツ、オランダ、日本と韓国から技術を手に入れることができるならば何の意味があるか」と言及した。その上で冷戦時代に西側が共産圏に対する戦略物品輸出を防ぐために導入した対共産圏輸出統制委員会（ＣＯＣＯＭ）のような多国間主義的アプローチが必要だと強調した。

◇ファーウェイ、これ見よがしに新製品公開

こうした中ファーウェイは５ナノプロセスプロセッサを搭載した新たなノート型パソコンを最近公開したとポリティコなどが１１日に報道した。米国が７ナノチップ搭載のスマートフォンをめぐり追加の超高強度規制に言及したが、より高性能なチップを公開したのだ。

これに先立ちファーウェイは８月に７ナノプロセッサが内蔵されたスマートフォンを発売した。米国が半導体生産関連先端装備流入を強力に制裁する中で７ナノチップを出し業界への波紋は大きかった。

米国政府がファーウェイに対する輸出統制措置として１４ナノ以下級の半導体輸出を禁止したのに、ファーウェイの最新スマートフォンに中国製７ナノ級半導体が搭載され輸出統制措置に事実上穴があいたという分析が出てきた。

ただ、今回ファーウェイ製品に搭載された５ナノチップが輸出規制前に備蓄したものという観測も出ている。米シンクタンク戦略国際問題研究所（ＣＳＩＳ）のグレゴリー・アレン研究員はポリティコに「ファーウェイ製品に搭載された５ナノチップは中国が昨年１０月の輸出規制前に備蓄したものかもしれない」と言及した。