韓国の金暎浩（キム・ヨンホ）統一部長官は、北朝鮮が金正恩（キム・ジョンウン）委員長の娘ジュエ氏を前面に出し、「４代世襲」への意志を誇示していることを明らかにした。

金長官は６日、担当記者団懇談会で「北朝鮮が金正恩委員長の娘を持続的に浮上させるのは困難の中で世襲への意志を誇示するために多少急いでいるという傍証とみられる」と述べた。外交拠点である在外公館の撤収、慢性的な食糧難、脱北者の増加など、北朝鮮が様々な困難に直面しているという見方が出ている中、金正恩氏がジュエ氏を意図的に浮き彫りにする背景についての説明だ。

これを受け、統一部当局者は「世襲の過程で一種の早期登板とみられる」とし「ジュエ氏の４代世襲の可能性を念頭に置く必要がある」と話した。そして、金正恩氏が娘のジュエ氏を同行させ、海軍司令部、空軍司令部など軍関連現地指導に乗り出した写真で、司令官たちがジュエ氏に挙手の敬礼をする姿などを理由に挙げた。ジュエ氏に向かって「白頭血統を保衛しなければならない」という内容のスローガンも叫んだということだ。


金長官は「北朝鮮が最近ＧＰの復元、板門店（パンムンジョム）の武装化などを通じて韓半島（朝鮮半島）の緊張を高めているのも、このような内部的困難の責任を外部に転嫁しようとする狙いがあるものとみられる」と説明した。北朝鮮が直面した困難と民生苦は北朝鮮政権が自ら招いたことであり、根本的な原因は北朝鮮が自ら作り出した「外部の脅威」という虚像を口実に核・ミサイルの開発に没頭しているためだというのが金長官の指摘だ。

金長官は、金正恩政権に向けたメッセージも出した。金長官は、「北朝鮮は年末の全員会議で、軍事政治ではなく民生政治に政策方向を転換すべきだ」とし、「これは、金正恩氏が自ら言った人民大衆第一主義を実現できる唯一の方法だ」と強調した。