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母親を称えた金正恩…「生母コンプレックス」踏んで母性を積極的に活用か(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が11年ぶりに開催された「オモニ(母)大会」の開会・閉会式に2日連続で出席したのに続き、側近を通じて贈り物も贈呈した。「母性」を動員して社会を統制しようという構想だが、こうした中で金正恩自身の「生母コンプレックス」も改めて注目されている。

◆2日連続の演説に贈り物まで

朝鮮中央通信は6日、前日に「第5次全国オモニ大会参加者に贈り物を伝達する会が進行された」と報道した。金正恩の代わりに李日煥(イ・イルファン)党中央委書記など側近が出席した。李書記は「金正恩同志が、大会参加者は一家庭の嫁、妻であり母親ということを考慮し、贈り物の種類の数を好みに合わせて選ぶよう説明された」と述べた。


具体的な贈り物の目録や受領者は公開されなかったが、朝鮮中央通信は「贈り物の明細が参加者に伝えられた」と報じた。これに関連し、金正恩が幹部を対象に忠誠心を高めるためにしてきた統治戦略の一つ「贈り物政治」を一般人民にも活用し始めたという分析が出ている。

これに先立ち韓国統一部の当局者は10月、「金正恩は格別に寵愛したり軍事分野で成果を出したりした幹部に高級車を下賜し、金氏一家の誕生日や党大会を機に行事の贈り物としてオメガなどスイス製時計や最新の携帯用電子製品を支給する」とし「金正恩一家のために導入されるぜいたく品は年間、数億ウォンから数十億ウォンにのぼる」と説明した。

◆「生母の正統性」に苦しむ

金正恩が贈り物まで伝えながら母親を前面に出している中、かつて正統性をめぐる論争があった金正恩の生母に関する背景も改めて注目されている。金正恩の生母は在日同胞の高容姫(コ・ヨンヒ)だ。高容姫は万寿台芸術団舞踊家時代に金正恩の父・金正日(キム・ジョンイル)総書記に会い、金正哲(キム・ジョンチョル)、金正恩、金与正(キム・ヨジョン)を順に産んだ。金正日の生前の女性には成蕙琳(ソン・ヘリム)、金英淑(キム・ヨンスク)、高容姫、金玉(キム・オク)の4人が挙げられるが、このうち公式に結婚した女性は金英淑だけだ。

このように金正恩は北朝鮮の核心階層の間でかつて「元山(ウォンサン)宅」と呼ばれた3人目の夫人・高容姫の息子であり、隠遁の幼年期を過ごした。金正恩が執権直後に叔母の夫・張成沢(チャン・ソンテク)を処刑するなど鉄拳統治をしたのも、正統性が疑われる中で潜在的に脅威となる人物を除去するためという分析があった。2017年には金正日の最初の夫人・成蕙琳の息子・金正男(キム・ジョンナム)がマレーシアで殺害されたが、背後に金正恩政権があるという指摘が提起されてきた。

この数年間、公開的に金正恩が妻・李雪主(イ・ソルジュ)と公開的な席に夫婦同伴で何度も登場し、昨年からは娘キム・ジュエを同行させる姿を見せるのも、自身の母に関する声と無関係でないとみられる。「正室の息子」でないため事実上隠れて過ごさなければならなかった自身のコンプレックスを感じさせないという意志が反映されたという分析だ。

今回のオモニ大会で金正恩が涙まで見せたのも、母と女性の役割を浮き彫りにして出産を促すための意図的な行為という解釈と同時に、母をめぐる金正恩の個人史が関係しているという見方もある。


母親を称えた金正恩…「生母コンプレックス」踏んで母性を積極的に活用か(2)

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