米中の戦略競争が「ニューノーマル」になった時代だ。世界各地を研究する専門家らが一堂に会して来年の世界情勢を予想する「2023年世界情勢回顧と見通し」懇談会でも米中のパワーゲームがどのように変わるのかをめぐり熱を帯びた討論が広がった。
韓国外大国際地域研究センターHK+国家戦略事業団、韓国環境研究院北朝鮮環境情報センターが共同で4日に主催した今回の懇談会では「来年は中国が半導体需給問題で米国に振り回され、中国の景気低迷が米国にブーメランのように戻り悪材料として作用する」という見通しが出てきた。また、専門家らはウクライナと中東で起きている2つの戦争の去就、韓国総選挙を含む42カ国で行われる主要選挙結果により国際情勢が揺れ動くと予想した。以下は懇談会の主な内容だ。
◇「トランプ氏当選すれば『中国叩け』の要求」
▽【米国】キム・ヒョンウク国立外交院教授=4月にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が米国の対中政策と関連しデリスキング(リスク緩和)戦略を取り上げた。しかし事実デリスキングはカムフラージュ用ネーミングで、依然として人工知能(AI)などハイテク分野ではデカップリング(脱同調化)を継続する部分的または選択的デカップリングの様相を帯びている。その上で米国は主要長官を相次いで中国に送り「管理された競争」に態勢を転換した。米国は来年もこうした基調を継続するものとみられる。
ただ、来年の米大統領選挙でトランプ前大統領が当選する場合、対中姿勢が強硬になるかもしれない。新型コロナウイルス対応問題で再選に失敗したと考えるトランプ前大統領は外交政策と関連してすべての能力と資源を対中牽制に注ぐと予想される。韓国にも一定部分犠牲が伴っても「中国叩き」に参加するよう要求する可能性が高い。
▽【中国】チュ・ジェウ慶熙(キョンヒ)大学教授=来年の中国経済の成長と発展は半導体需給にかかっているといっても過言ではない。刀の柄を握ったのは米国だ。中国は米国から半導体と関連装備の円滑な供給に向けひざまずかなければならない状況がもう少し続くものとみられる。米国もひたすら半導体供給を固く締めつけることはできない。中国の景気低迷が米国にブーメランのように戻ってきて不況につながればバイデン大統領再選の道に悪材料として作用するかもしれないためだ。米国は中国が南シナ海で軍事的な挑発を縮小したり減少するなどの誠意を見せてこそこれに相応して対中半導体規制水準を調整するとみる。
韓国政府が期待する習近平中国国家主席の訪韓、2019年以降中断された韓日中首脳会議の来年初めのソウル開催は難しそうだ。特に3カ国首脳会議の場合、スパイ容疑で中国に拘留された日本人の問題で日中関係が極度に悪化している点で現時点では開催の可能性はほとんどないようにみえる。
▽【中国】カン・ジュンヨン韓国外大教授=中国が北朝鮮とロシアの密着をどのように扱うかも注意深く見なければならない。ひとまず中国は北朝鮮とロシアの問題だとして両国の軍事協力などには明確に線を引いている。だが対米連合戦線の構築は中国にも必要なため今後韓日米対中朝ロの構図をめぐるかけひきを行うと予想される。
2024年の世界情勢は…「中国は半導体に振り回され、米国はそのブーメランが心配」(2)
韓国外大国際地域研究センターHK+国家戦略事業団、韓国環境研究院北朝鮮環境情報センターが共同で4日に主催した今回の懇談会では「来年は中国が半導体需給問題で米国に振り回され、中国の景気低迷が米国にブーメランのように戻り悪材料として作用する」という見通しが出てきた。また、専門家らはウクライナと中東で起きている2つの戦争の去就、韓国総選挙を含む42カ国で行われる主要選挙結果により国際情勢が揺れ動くと予想した。以下は懇談会の主な内容だ。
◇「トランプ氏当選すれば『中国叩け』の要求」
▽【米国】キム・ヒョンウク国立外交院教授=4月にサリバン米大統領補佐官(国家安全保障担当)が米国の対中政策と関連しデリスキング(リスク緩和)戦略を取り上げた。しかし事実デリスキングはカムフラージュ用ネーミングで、依然として人工知能(AI)などハイテク分野ではデカップリング(脱同調化)を継続する部分的または選択的デカップリングの様相を帯びている。その上で米国は主要長官を相次いで中国に送り「管理された競争」に態勢を転換した。米国は来年もこうした基調を継続するものとみられる。
ただ、来年の米大統領選挙でトランプ前大統領が当選する場合、対中姿勢が強硬になるかもしれない。新型コロナウイルス対応問題で再選に失敗したと考えるトランプ前大統領は外交政策と関連してすべての能力と資源を対中牽制に注ぐと予想される。韓国にも一定部分犠牲が伴っても「中国叩き」に参加するよう要求する可能性が高い。
▽【中国】チュ・ジェウ慶熙(キョンヒ)大学教授=来年の中国経済の成長と発展は半導体需給にかかっているといっても過言ではない。刀の柄を握ったのは米国だ。中国は米国から半導体と関連装備の円滑な供給に向けひざまずかなければならない状況がもう少し続くものとみられる。米国もひたすら半導体供給を固く締めつけることはできない。中国の景気低迷が米国にブーメランのように戻ってきて不況につながればバイデン大統領再選の道に悪材料として作用するかもしれないためだ。米国は中国が南シナ海で軍事的な挑発を縮小したり減少するなどの誠意を見せてこそこれに相応して対中半導体規制水準を調整するとみる。
韓国政府が期待する習近平中国国家主席の訪韓、2019年以降中断された韓日中首脳会議の来年初めのソウル開催は難しそうだ。特に3カ国首脳会議の場合、スパイ容疑で中国に拘留された日本人の問題で日中関係が極度に悪化している点で現時点では開催の可能性はほとんどないようにみえる。
▽【中国】カン・ジュンヨン韓国外大教授=中国が北朝鮮とロシアの密着をどのように扱うかも注意深く見なければならない。ひとまず中国は北朝鮮とロシアの問題だとして両国の軍事協力などには明確に線を引いている。だが対米連合戦線の構築は中国にも必要なため今後韓日米対中朝ロの構図をめぐるかけひきを行うと予想される。
2024年の世界情勢は…「中国は半導体に振り回され、米国はそのブーメランが心配」(2)
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