「空白は常に満たされる。空白が満たされるかどうかではなくだれが満たすかがカギだ」。
最近韓国語で翻訳された著書『外交』(Diplomacy、1994年)で米国現実主義外交の巨匠ヘンリー・キッシンジャーは「力の空白」という存在しない国際政治の冷静な現実をこのように表現する。これから30年近く過ぎた現在繰り広げられている米国と中国の競争も本質は同じだ。一寸の空白も容認しようとしない「ディフェンディングチャンピオンの米国と、全分野で米国を押し出して空白を満たそうとする野心あふれるチャレンジャーの中国の間で広がる力対力の対決だ。
米国とは安保同盟を、中国とは経済的パートナーシップを維持して繁栄してきた韓国はいつになく難しい対外環境に直面しているが、「クジラの争いにエビの背が割れる」(とばっちりを受ける)という比喩はすでに古い叙事だ。韓国はもうエビではなく、クジラもやはり争いながらも「ガードレール」は設けているだけに解決策はある。29日に開かれる「2023中央フォーラム-米中覇権競争時代:韓国経済の活路は」で複合危機を勝ち抜くための韓国の生存戦略を模索する理由だ。
◇米中競争シナリオ分析
中央日報はこれに先立ち内外の専門家らの諮問に基づき3回にわたり今後の米中競争様相の見通しと、韓国外交と経済の進む方向を提示する。
具体的に国際関係・経済・産業分野の専門家30人で構成された諮問団は、米中競争の今後のシナリオを分析した。「戦場」は▽軍事力▽グローバルリーダーシップ▽経済力▽半導体など先端核心技術▽世界的供給網――の5分野だった。各分野で①米国が優位を占めるだろう②中国が優位を占めるだろう③どちらか一方の優勢はなく同水準の対立が続くだろう――の選択肢のひとつを選び今後のシナリオを導出した。
諮問団の回答を分析した結果、5分野のうち中国が優位を占めるシナリオはなかった。だが米国の優位水準をめぐっては分野別で違いが明確だった。
軍事力とグローバルリーダーシップ、先端核心技術分野では「米国の圧倒的優位」のシナリオが描かれた。
◇軍事力「米優位」の観測圧倒的
まず軍事力では実際に答えた専門家29人のうち89.7%の26人が今後の覇権競争で米国が優位を占めるだろうと答えた。中国優位を選んだ回答者は1人だけだった。
米国優位シナリオの根拠は国防費格差、同盟と連合できる能力、実戦能力などに要約された。
東アジア研究院のソン・ヨル院長(延世大学教授)は「米中の軍事費支出規模は3対1程度で、10年以内にこうした差が逆転する可能性はほとんどない。米中の国内総生産(GDP)逆転が起きても軍事費支出の逆転につながりはせず、軍事力専用先端技術力の差は維持されるだろう」と予想する。梨花(イファ)女子大学国際学部のパク・インフィ教授は「米国の核能力を含め、海洋作戦能力、同盟国動員能力、軍事作戦遂行能力などあらゆる分野で中国が劣勢」と指摘した。
◇先端技術・リーダーシップも米国を選択
先端核心技術とグローバルリーダーシップ分野では中国が今後米国との対決で優位を占めるとみる専門家は1人もいなかった。
先端核心技術分野では専門家30人の25人が米国の優位を選択した。同水準の対立が続くという回答者は5人だった。核心基本技術保有で有利な位置に立っている米国が輸出統制政策を通じ中国を効果的に圧迫している上に中国の閉鎖的な国家体制による限界もあるという意見が大勢だった。
<中央フォーラム>軍事力は米国が優位だが世界的供給網は米中同水準(2)
最近韓国語で翻訳された著書『外交』(Diplomacy、1994年)で米国現実主義外交の巨匠ヘンリー・キッシンジャーは「力の空白」という存在しない国際政治の冷静な現実をこのように表現する。これから30年近く過ぎた現在繰り広げられている米国と中国の競争も本質は同じだ。一寸の空白も容認しようとしない「ディフェンディングチャンピオンの米国と、全分野で米国を押し出して空白を満たそうとする野心あふれるチャレンジャーの中国の間で広がる力対力の対決だ。
米国とは安保同盟を、中国とは経済的パートナーシップを維持して繁栄してきた韓国はいつになく難しい対外環境に直面しているが、「クジラの争いにエビの背が割れる」(とばっちりを受ける)という比喩はすでに古い叙事だ。韓国はもうエビではなく、クジラもやはり争いながらも「ガードレール」は設けているだけに解決策はある。29日に開かれる「2023中央フォーラム-米中覇権競争時代:韓国経済の活路は」で複合危機を勝ち抜くための韓国の生存戦略を模索する理由だ。
◇米中競争シナリオ分析
中央日報はこれに先立ち内外の専門家らの諮問に基づき3回にわたり今後の米中競争様相の見通しと、韓国外交と経済の進む方向を提示する。
具体的に国際関係・経済・産業分野の専門家30人で構成された諮問団は、米中競争の今後のシナリオを分析した。「戦場」は▽軍事力▽グローバルリーダーシップ▽経済力▽半導体など先端核心技術▽世界的供給網――の5分野だった。各分野で①米国が優位を占めるだろう②中国が優位を占めるだろう③どちらか一方の優勢はなく同水準の対立が続くだろう――の選択肢のひとつを選び今後のシナリオを導出した。
諮問団の回答を分析した結果、5分野のうち中国が優位を占めるシナリオはなかった。だが米国の優位水準をめぐっては分野別で違いが明確だった。
軍事力とグローバルリーダーシップ、先端核心技術分野では「米国の圧倒的優位」のシナリオが描かれた。
◇軍事力「米優位」の観測圧倒的
まず軍事力では実際に答えた専門家29人のうち89.7%の26人が今後の覇権競争で米国が優位を占めるだろうと答えた。中国優位を選んだ回答者は1人だけだった。
米国優位シナリオの根拠は国防費格差、同盟と連合できる能力、実戦能力などに要約された。
東アジア研究院のソン・ヨル院長(延世大学教授)は「米中の軍事費支出規模は3対1程度で、10年以内にこうした差が逆転する可能性はほとんどない。米中の国内総生産(GDP)逆転が起きても軍事費支出の逆転につながりはせず、軍事力専用先端技術力の差は維持されるだろう」と予想する。梨花(イファ)女子大学国際学部のパク・インフィ教授は「米国の核能力を含め、海洋作戦能力、同盟国動員能力、軍事作戦遂行能力などあらゆる分野で中国が劣勢」と指摘した。
◇先端技術・リーダーシップも米国を選択
先端核心技術とグローバルリーダーシップ分野では中国が今後米国との対決で優位を占めるとみる専門家は1人もいなかった。
先端核心技術分野では専門家30人の25人が米国の優位を選択した。同水準の対立が続くという回答者は5人だった。核心基本技術保有で有利な位置に立っている米国が輸出統制政策を通じ中国を効果的に圧迫している上に中国の閉鎖的な国家体制による限界もあるという意見が大勢だった。
<中央フォーラム>軍事力は米国が優位だが世界的供給網は米中同水準(2)
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