◇9・19前方飛行禁止無力化…次は海上砲射撃訓練を再開
韓国国防部の申源湜(シン・ウォンシク)長官もこの日KBS(韓国放送公社)第1ラジオに出演して「正常軌道に進入したと1次評価している」と明らかにした。続いて「第1、2、3段の分離が正常に行われ、速度・高度など飛行環境情報から見る場合、ひとまず軌道に進入したというほうに重きを置いている」とし「米国側と情報を交換して最終評価をしなければならないが、我々は成功したとみている」と述べた。ただし、12月1日から「万里鏡1号」が正式偵察任務に着手するという北朝鮮報道に対しては「誇張されている」と評価した。申長官は「正常軌道に進入しても正常な偵察任務を実施するには相当な期間が必要」とし「特に、グアムの写真を撮ったというが、衛星分野に少しでも知識がある人なら(打ち上げ)初日にそのようなことはできない(ことは知っている)」と述べた。
軍事偵察衛星が正常に機能するかどうかは早ければ今週末に結論が出ると予想した。
英国を国賓訪問中の尹錫悦大統領はこの日午前、現地で緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を主宰して南北間9・19南北軍事合意第1条第3項の飛行禁止区域設定に対する効力停止を推進することを決定し、午前8時に韓悳洙(ハン・ドクス)首相の主宰で緊急国務会議を開いてこれを議決した。飛行禁止区域の設定を骨子とした9・19合意第1条第3項はこの日午後3時から効力が停止した。北朝鮮が衛星を打ち上げてから約16時間後のことだった。韓国軍はこの日午前3時、申長官の主宰で全軍主要指揮官会議を実施して軍の対備態勢と効力停止に伴う軍事的履行計画を点検した。
韓国政府は北朝鮮が板門店(パンムンジョム)チャネルと東海(トンへ、日本名・日本海)・西海(ソヘ、黄海)軍通信線など3つの連絡チャネルを通した通話に応じない状況を考慮し、法律上の効力停止のための必須手続きである北側に対する通知はメディア発表で代替した。効力停止期間は「安全保障不安が解消されるまで」とした。政府が飛行禁止条項の効力停止で「偵察の足枷」を外した後、軍は軍団級の無人偵察機(UAV)「ソンゴルメ(はやぶさ)」と有人偵察機「金剛」「白頭」を投入して偵察を開始したという。
9・19合意第1条第3項は、西部地域にはMDL南10キロまで、東部地域にはMDL南15キロまでを飛行禁止区域に設定している。このためにMDL一帯で北朝鮮軍の活動を監視していた軍団級無人偵察機の飛行が制約を受けていた。軍内外で圧倒的優位を保っている軍の情報・監視・偵察能力が深刻に損なわれているという指摘を受けてきた理由だ。戦線で北朝鮮軍に対する監視およびリアルタイム標的情報力が低下し、有事の際に北朝鮮軍の奇襲を許してしまいかねないとの懸念も提起されていた。
軍団級・師団級の有・無人機が対北偵察に投入され、兵力配置や部隊移動など前方で北朝鮮軍の作戦状況はもちろん、代表的な死角地帯に挙げられる坑道や山の後斜面に隠された長射程砲などに対するリアルタイムの監視・偵察が可能になった。
大統領室は昨年政府発足初期から北朝鮮が各種挑発で9・19合意を違反したことを受けて効力停止方案を検討してきた。金委員長の訪露とパレスチナの武装組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃が9・19合意効力停止の必要性を本格化する契機になったという。与党圏の高位関係者は「戦争初期、ハマスの奇襲攻撃でイスラエルは無惨に攻撃を受けた。偵察能力が制限された状態で起きる北朝鮮の奇襲攻撃に対する尹大統領の懸念が大きかったと承知している」と述べた。金委員長の訪露後、ロシアの軍事技術移転の可能性が高まったことも尹大統領の決断の主要原因になったという。
韓国政府は、北朝鮮が再び挑発を行う場合、追加で9・19合意の一部の効力を停止させる方針だ。今後、北朝鮮の挑発形態により海上射撃訓練などを禁止した9・19合意条項が追加効力停止の対象になりうる。
複数の政府消息筋によると、政府は内部的に北朝鮮の追加挑発に対応するための「オーダーメード型シナリオ」を用意した。NSC常任委員会もこの日別途のコメントを通じて「まだ有効な『9・19合意』その他条項に対する追加措置は北朝鮮の今後の行動によって決まるだろう」と明らかにした。
韓国政府消息筋は「北朝鮮は今年だけでミサイルを数十回発射するなどすでに臨界点を超えており、わが国民の安全のために措置を取ることが避けられない」と説明した。
9・19合意の大部分が毒素条項と指摘される中で北朝鮮の追加挑発時に政府が取れる効力停止の対象条項は地上・海上で砲射撃を中止するという内容が入った第1条第2項になる可能性が高い。
韓国軍は作戦責任地域で実戦的な訓練をしなければならない。だが、9・19合意以降、軍は西海海上緩衝区域での「砲射撃中止」条項を順守するために主要火気を西北島嶼から内陸地域射撃場まで最大500キロ余り移動させて射撃訓練をしてきたと軍当局は説明した。軍資源の他地域移動は戦力の空白につながりかねず全体人員が参加する訓練が不可能で、安全保障上の穴につながるという指摘もあった。
北朝鮮は軍事偵察衛星発射体の第1段推進体を韓米軍事当局が引き揚げられないように段分離過程で故意に爆破させた情況が確認された。延世(ヨンセ)大学天文宇宙学科のピョン・ヨンイク教授は22日、ソウル・プラザホテルで開かれた国際宇宙安全保障シンポジウムで「今回の衛星打ち上げは第1段推進体を空中で爆破する形で進められたとみられる」とし、延世大学探査天文学研究室が確認した北朝鮮衛星の様子を公開した。研究室は全国136台のカメラで韓半島(朝鮮半島)上空を観察・撮影している。
北朝鮮偵察衛星、軌道に進入…「目と拳」同時脅威(1)
韓国国防部の申源湜(シン・ウォンシク)長官もこの日KBS(韓国放送公社)第1ラジオに出演して「正常軌道に進入したと1次評価している」と明らかにした。続いて「第1、2、3段の分離が正常に行われ、速度・高度など飛行環境情報から見る場合、ひとまず軌道に進入したというほうに重きを置いている」とし「米国側と情報を交換して最終評価をしなければならないが、我々は成功したとみている」と述べた。ただし、12月1日から「万里鏡1号」が正式偵察任務に着手するという北朝鮮報道に対しては「誇張されている」と評価した。申長官は「正常軌道に進入しても正常な偵察任務を実施するには相当な期間が必要」とし「特に、グアムの写真を撮ったというが、衛星分野に少しでも知識がある人なら(打ち上げ)初日にそのようなことはできない(ことは知っている)」と述べた。
軍事偵察衛星が正常に機能するかどうかは早ければ今週末に結論が出ると予想した。
英国を国賓訪問中の尹錫悦大統領はこの日午前、現地で緊急国家安全保障会議(NSC)常任委員会を主宰して南北間9・19南北軍事合意第1条第3項の飛行禁止区域設定に対する効力停止を推進することを決定し、午前8時に韓悳洙(ハン・ドクス)首相の主宰で緊急国務会議を開いてこれを議決した。飛行禁止区域の設定を骨子とした9・19合意第1条第3項はこの日午後3時から効力が停止した。北朝鮮が衛星を打ち上げてから約16時間後のことだった。韓国軍はこの日午前3時、申長官の主宰で全軍主要指揮官会議を実施して軍の対備態勢と効力停止に伴う軍事的履行計画を点検した。
韓国政府は北朝鮮が板門店(パンムンジョム)チャネルと東海(トンへ、日本名・日本海)・西海(ソヘ、黄海)軍通信線など3つの連絡チャネルを通した通話に応じない状況を考慮し、法律上の効力停止のための必須手続きである北側に対する通知はメディア発表で代替した。効力停止期間は「安全保障不安が解消されるまで」とした。政府が飛行禁止条項の効力停止で「偵察の足枷」を外した後、軍は軍団級の無人偵察機(UAV)「ソンゴルメ(はやぶさ)」と有人偵察機「金剛」「白頭」を投入して偵察を開始したという。
9・19合意第1条第3項は、西部地域にはMDL南10キロまで、東部地域にはMDL南15キロまでを飛行禁止区域に設定している。このためにMDL一帯で北朝鮮軍の活動を監視していた軍団級無人偵察機の飛行が制約を受けていた。軍内外で圧倒的優位を保っている軍の情報・監視・偵察能力が深刻に損なわれているという指摘を受けてきた理由だ。戦線で北朝鮮軍に対する監視およびリアルタイム標的情報力が低下し、有事の際に北朝鮮軍の奇襲を許してしまいかねないとの懸念も提起されていた。
軍団級・師団級の有・無人機が対北偵察に投入され、兵力配置や部隊移動など前方で北朝鮮軍の作戦状況はもちろん、代表的な死角地帯に挙げられる坑道や山の後斜面に隠された長射程砲などに対するリアルタイムの監視・偵察が可能になった。
大統領室は昨年政府発足初期から北朝鮮が各種挑発で9・19合意を違反したことを受けて効力停止方案を検討してきた。金委員長の訪露とパレスチナの武装組織ハマスのイスラエル奇襲攻撃が9・19合意効力停止の必要性を本格化する契機になったという。与党圏の高位関係者は「戦争初期、ハマスの奇襲攻撃でイスラエルは無惨に攻撃を受けた。偵察能力が制限された状態で起きる北朝鮮の奇襲攻撃に対する尹大統領の懸念が大きかったと承知している」と述べた。金委員長の訪露後、ロシアの軍事技術移転の可能性が高まったことも尹大統領の決断の主要原因になったという。
韓国政府は、北朝鮮が再び挑発を行う場合、追加で9・19合意の一部の効力を停止させる方針だ。今後、北朝鮮の挑発形態により海上射撃訓練などを禁止した9・19合意条項が追加効力停止の対象になりうる。
複数の政府消息筋によると、政府は内部的に北朝鮮の追加挑発に対応するための「オーダーメード型シナリオ」を用意した。NSC常任委員会もこの日別途のコメントを通じて「まだ有効な『9・19合意』その他条項に対する追加措置は北朝鮮の今後の行動によって決まるだろう」と明らかにした。
韓国政府消息筋は「北朝鮮は今年だけでミサイルを数十回発射するなどすでに臨界点を超えており、わが国民の安全のために措置を取ることが避けられない」と説明した。
9・19合意の大部分が毒素条項と指摘される中で北朝鮮の追加挑発時に政府が取れる効力停止の対象条項は地上・海上で砲射撃を中止するという内容が入った第1条第2項になる可能性が高い。
韓国軍は作戦責任地域で実戦的な訓練をしなければならない。だが、9・19合意以降、軍は西海海上緩衝区域での「砲射撃中止」条項を順守するために主要火気を西北島嶼から内陸地域射撃場まで最大500キロ余り移動させて射撃訓練をしてきたと軍当局は説明した。軍資源の他地域移動は戦力の空白につながりかねず全体人員が参加する訓練が不可能で、安全保障上の穴につながるという指摘もあった。
北朝鮮は軍事偵察衛星発射体の第1段推進体を韓米軍事当局が引き揚げられないように段分離過程で故意に爆破させた情況が確認された。延世(ヨンセ)大学天文宇宙学科のピョン・ヨンイク教授は22日、ソウル・プラザホテルで開かれた国際宇宙安全保障シンポジウムで「今回の衛星打ち上げは第1段推進体を空中で爆破する形で進められたとみられる」とし、延世大学探査天文学研究室が確認した北朝鮮衛星の様子を公開した。研究室は全国136台のカメラで韓半島(朝鮮半島)上空を観察・撮影している。
北朝鮮偵察衛星、軌道に進入…「目と拳」同時脅威(1)
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