「北朝鮮はいつごろ崩壊しますか」「はい?」。当惑する質問にしばしたじろぐほかなかった。世紀末の90年代、主に米国の人たちの問いだった。特に公的な地位や教育水準が高い人たちだったので、よりあきれた感じが特別だった。米国人だけではなかった。英国の著名な学者は北朝鮮政権が5年以内に崩壊するだろうという論文を学術会議に提出した。ハーバーマスの資本主義の危機分析の枠組みを北朝鮮体制に適用したものと記憶する。
もちろん韓国国内にも北朝鮮の早期崩壊とそれにともなう統一の見通しを考える人たちもいた。相手にしなければならない人たちからこうした質問を受けたからには真摯に答えないわけにはいかなかった。私は予測(prediction)と予想(forecasting)を区別することで話を解いていこうとした。「前者は神秘な超能力者が自分だけの独特の方式で将来を予言できるのです。私だけでなくそのような能力はありません。後者はできるだけ合理的な方式で現実を分析し未来を眺望してみることだが、容易な例が天気予報のようなものではないですか。一定の枠組みを想定してその中に影響を及ぼす変数、恒数などの相互作用を分析してみればある程度将来を予想してみることができませんか」。
ここまでは質問をした人がまだそれなりの回答を期待するような表情だ。その後失望が続く。
「まず北朝鮮の将来に影響を及ぼす変数のうち重要なのがわれわれ側、特に米国の対北朝鮮政策ではないでしょうか。そしてよく気象と政治は似ているという話をします。どちらも変数が多く流動的なため予測が難しいということです。しかし政治には天気予報にはない困難があります。言ってみれば一定の変数がそれなりの意志があり、時に予測の影響を受ける場合もあるということです。エディプス効果という言葉もあります。予言が現実でそれが成り立つ条件になるということです。反対にわれわれが崩壊するとあらかじめ騒げばそうならない可能性が大きくなるかもしれません」。
珍しいケースだが興味深く聞く人もいる。大慨は期待した容易な回答を聞くことができずに失望とかんしゃくまで見せる表情だ。北朝鮮の早期崩壊を考える人たちはそれが統一のような良い結末につながるか、そうでなければ崩壊が差し迫るほどの危機が非核化のような難題解決の機会になるだろうという予想のようだった。両方すべてに肯定的に答えるのは難しかった。それでもその後こうした形の容易で簡単な解決の希望は生き残り続けているようだ。
【コラム】水晶玉の涙…「北朝鮮はいつごろ崩壊しますか」(2)
もちろん韓国国内にも北朝鮮の早期崩壊とそれにともなう統一の見通しを考える人たちもいた。相手にしなければならない人たちからこうした質問を受けたからには真摯に答えないわけにはいかなかった。私は予測(prediction)と予想(forecasting)を区別することで話を解いていこうとした。「前者は神秘な超能力者が自分だけの独特の方式で将来を予言できるのです。私だけでなくそのような能力はありません。後者はできるだけ合理的な方式で現実を分析し未来を眺望してみることだが、容易な例が天気予報のようなものではないですか。一定の枠組みを想定してその中に影響を及ぼす変数、恒数などの相互作用を分析してみればある程度将来を予想してみることができませんか」。
ここまでは質問をした人がまだそれなりの回答を期待するような表情だ。その後失望が続く。
「まず北朝鮮の将来に影響を及ぼす変数のうち重要なのがわれわれ側、特に米国の対北朝鮮政策ではないでしょうか。そしてよく気象と政治は似ているという話をします。どちらも変数が多く流動的なため予測が難しいということです。しかし政治には天気予報にはない困難があります。言ってみれば一定の変数がそれなりの意志があり、時に予測の影響を受ける場合もあるということです。エディプス効果という言葉もあります。予言が現実でそれが成り立つ条件になるということです。反対にわれわれが崩壊するとあらかじめ騒げばそうならない可能性が大きくなるかもしれません」。
珍しいケースだが興味深く聞く人もいる。大慨は期待した容易な回答を聞くことができずに失望とかんしゃくまで見せる表情だ。北朝鮮の早期崩壊を考える人たちはそれが統一のような良い結末につながるか、そうでなければ崩壊が差し迫るほどの危機が非核化のような難題解決の機会になるだろうという予想のようだった。両方すべてに肯定的に答えるのは難しかった。それでもその後こうした形の容易で簡単な解決の希望は生き残り続けているようだ。
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