北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が2つの戦場で古い通常兵器による「暗い存在感」を表している。9月にロシアを訪問してプーチン大統領と会談した後、大量の砲弾と弾薬をロシアに供給する中、パレスチナの武装団体ハマスのイスラエル攻撃にも北朝鮮産武器が使用されている。韓国の国家情報院も金正恩がパレスチナに対する包括的支援策を考えるよう指示した状況を把握し、武器販売の可能性に注目している(1日の国会情報委員会報告)。
名分は「反米連帯」だが、金正恩の狙いは外貨稼ぎだ。国際社会の全面的な制裁などで経済問題に直面する金正恩としては「武器工場」を本格的に稼働して活路を見いだせる状況になったからだ。また現代戦で勝敗を左右する先端武器体系でなく長期間にわたり黒いコネクションを通じて流通させてきた旧式武器が予想外の特需を迎え、不法行為の集約体「NK(北朝鮮)防衛産業」が2つの戦場で変数に浮上する雰囲気だ。
◆旧ソ連製通常兵器の「逆襲」
海外メディアによると、ハマス隊員が先月上旬にイスラエル奇襲作戦を敢行した当時、「58・68式歩槍」(旧ソ連AK-47・AKM小銃改良)とロケット推進式擲弾発射機(RPG)「F-7」、対戦車ミサイルの一種「プルセ(火の鳥)2」など北朝鮮製武器を使用するのが見られた。
イスラエル軍の関係者は先月26日(現地時間)、戦場で確保した地雷と対戦車擲弾発射機、ドローンなどの武器をメディアに公開しながら「ハマスが奇襲攻撃に使用した武器のうちイラン産と北朝鮮産がそれぞれ10%を占め、残りはガザ地区で生産された」と明らかにした。
このうちイスラエル空輸部隊員が使用したCH-53Dヘリコプターを撃墜するなどハマスが対戦車機能を越えて自由自在に使用している「プルセ2」は、旧ソ連が1970年代に対戦車ミサイルとして開発した9K111(米国とNATOはAT-4スピガットと命名)を導入して逆設計過程を経て独自生産したモデルだ。
ハマスが今回の奇襲攻撃に使用した武器はほとんど10-20年前に搬入されたものと推定される。これに関し米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は「イスラエルがガザ地区に地上軍を投入した2014年紛争当時、ハマスは北朝鮮からロケットや軍用通信装備などを導入した」とし「レバノン系列会社を通した第三者取引で迂回した」と分析した。
◆戦争拡大変数「シーア派三日月」すべてが北と武器コネクション
北朝鮮産武器がイスラム武装組織の手に渡った経路は「不法武器のハブ」イランが中心と推定される。北朝鮮南浦(ナムポ)で船積みされた武器は海上での不法積み替えを経てイランに到着した後、イエメン-エジプトを経てガザ地区と連結した国境都市人ラファを通じて地下トンネルでガザ地区まで移動したというのが、専門家らの分析だ。
実際、2009年12月に北朝鮮のイラン行き軍需物資がタイ・バンコク空港で押収されたこともある。ハマス掃討のためにガザ地区で地上戦に入ったイスラエル軍がトンネルの破壊を最優先にするのは、軍需品補給を先に遮断する側面もあるということだ。
特にイラン-イラク-シリア-レバノンとつながる親イランシーア派主導「シーア派三日月地帯」勢力の参加の程度が戦争の拡大を左右するとみられる中、ヒズボラ(レバノン)、カタイブ・ヒズボラ(イラク)、フーシ反乱軍(イエメン)、イラン、シリアなどがすべて北朝鮮産武器を使用するとみられる。
韓国情報当局は北朝鮮産武器の輸出が「現在進行形」である可能性にも注目している。国家情報院は情報委報告で「過去に北朝鮮がハマスとヒズボラに対戦車武器やロケット砲弾を輸出した前例があるだけに、この地域の武装団体または第3世界国家に武器を販売する可能性がある状況」と明らかにした。
先端武器中心の現代戦で使い道がないと考えられた旧ソ連技術基盤の北朝鮮産通常兵器が変数に浮上したのはウクライナ戦争でも同じだ。イスラエルが確保したハマスの武器のうち「バン-122」砲弾はウクライナでも発見されたが、旧ソ連製多連装ロケット砲に入る122ミリ砲弾だ。2つの戦場で同時に登場した「バン-122」は北朝鮮製放射弾を意味し、北朝鮮は2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発に使用した。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ロシアの人権団体「グラーグ」が入手したロシアの北朝鮮武器購買目録には韓国戦争(朝鮮戦争)当時に「多発銃」と呼ばれて国軍に大きな被害をもたらしたPHh-41短機関銃とRPDデグチャレフ軽機関銃、北朝鮮が1990年代半ば以降に言及する「ソウル火の海」の根拠の170ミリ「主体砲」と砲弾も名を連ねた。
軍当局も北朝鮮がロシアに支援する武器・装備類は▼相互互換が可能な122ミリ放射砲弾・152ミリ砲弾などとT系列戦車砲弾▼放射砲・野砲・小銃・機関銃・迫撃砲▼携帯用対空ミサイル・対戦車ミサイルなどと推定されると明らかにした。
多発銃、旧式プルセ2…「闇の武器商」金正恩の外貨稼ぎ方法(2)
名分は「反米連帯」だが、金正恩の狙いは外貨稼ぎだ。国際社会の全面的な制裁などで経済問題に直面する金正恩としては「武器工場」を本格的に稼働して活路を見いだせる状況になったからだ。また現代戦で勝敗を左右する先端武器体系でなく長期間にわたり黒いコネクションを通じて流通させてきた旧式武器が予想外の特需を迎え、不法行為の集約体「NK(北朝鮮)防衛産業」が2つの戦場で変数に浮上する雰囲気だ。
◆旧ソ連製通常兵器の「逆襲」
海外メディアによると、ハマス隊員が先月上旬にイスラエル奇襲作戦を敢行した当時、「58・68式歩槍」(旧ソ連AK-47・AKM小銃改良)とロケット推進式擲弾発射機(RPG)「F-7」、対戦車ミサイルの一種「プルセ(火の鳥)2」など北朝鮮製武器を使用するのが見られた。
イスラエル軍の関係者は先月26日(現地時間)、戦場で確保した地雷と対戦車擲弾発射機、ドローンなどの武器をメディアに公開しながら「ハマスが奇襲攻撃に使用した武器のうちイラン産と北朝鮮産がそれぞれ10%を占め、残りはガザ地区で生産された」と明らかにした。
このうちイスラエル空輸部隊員が使用したCH-53Dヘリコプターを撃墜するなどハマスが対戦車機能を越えて自由自在に使用している「プルセ2」は、旧ソ連が1970年代に対戦車ミサイルとして開発した9K111(米国とNATOはAT-4スピガットと命名)を導入して逆設計過程を経て独自生産したモデルだ。
ハマスが今回の奇襲攻撃に使用した武器はほとんど10-20年前に搬入されたものと推定される。これに関し米国の北朝鮮分析サイト「38ノース」は「イスラエルがガザ地区に地上軍を投入した2014年紛争当時、ハマスは北朝鮮からロケットや軍用通信装備などを導入した」とし「レバノン系列会社を通した第三者取引で迂回した」と分析した。
◆戦争拡大変数「シーア派三日月」すべてが北と武器コネクション
北朝鮮産武器がイスラム武装組織の手に渡った経路は「不法武器のハブ」イランが中心と推定される。北朝鮮南浦(ナムポ)で船積みされた武器は海上での不法積み替えを経てイランに到着した後、イエメン-エジプトを経てガザ地区と連結した国境都市人ラファを通じて地下トンネルでガザ地区まで移動したというのが、専門家らの分析だ。
実際、2009年12月に北朝鮮のイラン行き軍需物資がタイ・バンコク空港で押収されたこともある。ハマス掃討のためにガザ地区で地上戦に入ったイスラエル軍がトンネルの破壊を最優先にするのは、軍需品補給を先に遮断する側面もあるということだ。
特にイラン-イラク-シリア-レバノンとつながる親イランシーア派主導「シーア派三日月地帯」勢力の参加の程度が戦争の拡大を左右するとみられる中、ヒズボラ(レバノン)、カタイブ・ヒズボラ(イラク)、フーシ反乱軍(イエメン)、イラン、シリアなどがすべて北朝鮮産武器を使用するとみられる。
韓国情報当局は北朝鮮産武器の輸出が「現在進行形」である可能性にも注目している。国家情報院は情報委報告で「過去に北朝鮮がハマスとヒズボラに対戦車武器やロケット砲弾を輸出した前例があるだけに、この地域の武装団体または第3世界国家に武器を販売する可能性がある状況」と明らかにした。
先端武器中心の現代戦で使い道がないと考えられた旧ソ連技術基盤の北朝鮮産通常兵器が変数に浮上したのはウクライナ戦争でも同じだ。イスラエルが確保したハマスの武器のうち「バン-122」砲弾はウクライナでも発見されたが、旧ソ連製多連装ロケット砲に入る122ミリ砲弾だ。2つの戦場で同時に登場した「バン-122」は北朝鮮製放射弾を意味し、北朝鮮は2010年の延坪島(ヨンピョンド)砲撃挑発に使用した。
ラジオ・フリー・アジア(RFA)によると、ロシアの人権団体「グラーグ」が入手したロシアの北朝鮮武器購買目録には韓国戦争(朝鮮戦争)当時に「多発銃」と呼ばれて国軍に大きな被害をもたらしたPHh-41短機関銃とRPDデグチャレフ軽機関銃、北朝鮮が1990年代半ば以降に言及する「ソウル火の海」の根拠の170ミリ「主体砲」と砲弾も名を連ねた。
軍当局も北朝鮮がロシアに支援する武器・装備類は▼相互互換が可能な122ミリ放射砲弾・152ミリ砲弾などとT系列戦車砲弾▼放射砲・野砲・小銃・機関銃・迫撃砲▼携帯用対空ミサイル・対戦車ミサイルなどと推定されると明らかにした。
多発銃、旧式プルセ2…「闇の武器商」金正恩の外貨稼ぎ方法(2)
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