米国の第45代大統領トランプ氏と第46代大統領バイデン氏が来年11月第47代米国大統領の座を巡って再び激突する可能性が高くなってきた。2020年に続くリターンマッチで、もしトランプ氏が勝利する場合、連続ではない任期で当選した米国歴史上2人目の大統領になる。
米国の歴史で落選後に連続ではない任期で重任に成功した人物は第22・24代グロバー・クリーブランド元大統領が唯一だ。極めて例外的な状況でも、不可能なことでもないということだ。
現在までのところ、状況は拮抗している。中央日報が2日、専門家7人に選挙の予想を聞いた結果、バイデンまたはトランプの微細な優勢を展望した人がそれぞれ2人ずつに分かれた。残りの3人は「分からない」と答えた。ただし7人とも「どのような結果になってもすぐに対処できる『プランB』が必要だ」と指摘した。
専門家がバイデン第2期、またはトランプ第2期に対する「同時の備え」を主張する理由は過去に米国政権の変化を予測し誤り不覚を取ってしまった事例があるためだ。
1960年大統領選挙に続き、故郷カリフォルニア州知事選挙でも敗れたリチャード・ニクソン元副大統領は1966年9月に韓国を訪韓した。ところが朴正熙(パク・チョンヒ)当時大統領は「すでに終わった人」としながら彼との晩餐を拒否した。ニクソン側は急きょ韓国長官との晩餐を用意したが、晩餐に来ることになっていた長官が同じ時間に招集された「青瓦台晩餐」に出席することになったため再びプライドを傷つけられた。
状況は2年後の1968年にニクソンが米国大統領に当選して逆転した。ニクソンは直ちに「アジアの安保はアジアが行う」という内容の「ニクソンドクトリン」を発表し、実際に在韓米軍の一部を撤収させた。韓国政府は外交ラインを総動員して首脳会談を推進したが、ニクソンは6カ月余り無回答で一貫した末、休暇期間に米国のあるホテルで朴元大統領を呼ぶという辱めを与えた。
李東元(イ・ドンウォン)当時外相は回顧録『大統領を懐かしみながら』で「ニクソンの韓国訪問1泊2日が駐韓米軍の初めての撤退という事態をまねき、朴大統領に危機意識を抱かせて『十月維新』や『核開発』など不安を補う悪手を打たせた」として当時を回顧した。
外交界ではバイデン氏が再選に成功する場合、すでに成功的という評価を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の対米同盟外交が概して安定的に持続するだろうという見通しが優勢だ。問題はバイデン氏とすべての地点で反対原則を掲げているトランプ体制になる場合だ。
トランプ氏は第1期政府の時もどこへ跳ねるか分からない「ラクビーボール外交」を駆使した。もしトランプ第2期政府がスタートする場合、過去に同盟を軽視したトランプの独走がさらに強まるだろうという観測が出ている。同盟を軽視したトランプ氏に直言をしたボルトン氏をはじめマクマスター氏、マティス氏ら核心参謀が更迭されて政府内の牽制(けんせい)勢力がほとんど消えたためだ。
申珏秀(シン・ガクス)元外交部次官は「牽制勢力が少なくなったうえにバイデンに対する『復讐の政治』次元で同盟外交などバイデンのすべてを強く否定する可能性があるトランプ第2期に前もって備えていなければ大きな危機に陥る場合がある」とし「今からでもトランプの独断的決定に少しでも影響を与えられる『第2のボルトン』をはじめ米国の政策を決めるシンクタンクなどに対する強力なネットワークを構築しておかなくてはならない」と話した。
実際、韓国政府は4年前のトランプ氏当選を予測しきれず核心参謀だけでなく長女イバンカ氏や婿クシュナー前ホワイトハウス上級顧問らの政治的役割や威力を把握できないままトランプ政府を相手にしたという評価が少なくない。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使は「最も大きな懸念は、南北対話が断絶した状態でトランプが北朝鮮と性急な対話局面に転換する可能性があるという点」としながら「安全保障分野でもバイデン式同盟外交を否定して強力な米国第一主義を全面に出してワシントン宣言、核協議グループ(NCG)など拡大抑止システムと在韓米軍関連事案まで、自身の政治的目的のための『ディール』の対象や手段にすることもできる」と憂慮した。
<米大統領選挙D-1年>バイデン再選時は韓米蜜月…トランプになっても韓国には機会に(2)
米国の歴史で落選後に連続ではない任期で重任に成功した人物は第22・24代グロバー・クリーブランド元大統領が唯一だ。極めて例外的な状況でも、不可能なことでもないということだ。
現在までのところ、状況は拮抗している。中央日報が2日、専門家7人に選挙の予想を聞いた結果、バイデンまたはトランプの微細な優勢を展望した人がそれぞれ2人ずつに分かれた。残りの3人は「分からない」と答えた。ただし7人とも「どのような結果になってもすぐに対処できる『プランB』が必要だ」と指摘した。
専門家がバイデン第2期、またはトランプ第2期に対する「同時の備え」を主張する理由は過去に米国政権の変化を予測し誤り不覚を取ってしまった事例があるためだ。
1960年大統領選挙に続き、故郷カリフォルニア州知事選挙でも敗れたリチャード・ニクソン元副大統領は1966年9月に韓国を訪韓した。ところが朴正熙(パク・チョンヒ)当時大統領は「すでに終わった人」としながら彼との晩餐を拒否した。ニクソン側は急きょ韓国長官との晩餐を用意したが、晩餐に来ることになっていた長官が同じ時間に招集された「青瓦台晩餐」に出席することになったため再びプライドを傷つけられた。
状況は2年後の1968年にニクソンが米国大統領に当選して逆転した。ニクソンは直ちに「アジアの安保はアジアが行う」という内容の「ニクソンドクトリン」を発表し、実際に在韓米軍の一部を撤収させた。韓国政府は外交ラインを総動員して首脳会談を推進したが、ニクソンは6カ月余り無回答で一貫した末、休暇期間に米国のあるホテルで朴元大統領を呼ぶという辱めを与えた。
李東元(イ・ドンウォン)当時外相は回顧録『大統領を懐かしみながら』で「ニクソンの韓国訪問1泊2日が駐韓米軍の初めての撤退という事態をまねき、朴大統領に危機意識を抱かせて『十月維新』や『核開発』など不安を補う悪手を打たせた」として当時を回顧した。
外交界ではバイデン氏が再選に成功する場合、すでに成功的という評価を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府の対米同盟外交が概して安定的に持続するだろうという見通しが優勢だ。問題はバイデン氏とすべての地点で反対原則を掲げているトランプ体制になる場合だ。
トランプ氏は第1期政府の時もどこへ跳ねるか分からない「ラクビーボール外交」を駆使した。もしトランプ第2期政府がスタートする場合、過去に同盟を軽視したトランプの独走がさらに強まるだろうという観測が出ている。同盟を軽視したトランプ氏に直言をしたボルトン氏をはじめマクマスター氏、マティス氏ら核心参謀が更迭されて政府内の牽制(けんせい)勢力がほとんど消えたためだ。
申珏秀(シン・ガクス)元外交部次官は「牽制勢力が少なくなったうえにバイデンに対する『復讐の政治』次元で同盟外交などバイデンのすべてを強く否定する可能性があるトランプ第2期に前もって備えていなければ大きな危機に陥る場合がある」とし「今からでもトランプの独断的決定に少しでも影響を与えられる『第2のボルトン』をはじめ米国の政策を決めるシンクタンクなどに対する強力なネットワークを構築しておかなくてはならない」と話した。
実際、韓国政府は4年前のトランプ氏当選を予測しきれず核心参謀だけでなく長女イバンカ氏や婿クシュナー前ホワイトハウス上級顧問らの政治的役割や威力を把握できないままトランプ政府を相手にしたという評価が少なくない。
魏聖洛(ウィ・ソンラク)元駐ロシア大使は「最も大きな懸念は、南北対話が断絶した状態でトランプが北朝鮮と性急な対話局面に転換する可能性があるという点」としながら「安全保障分野でもバイデン式同盟外交を否定して強力な米国第一主義を全面に出してワシントン宣言、核協議グループ(NCG)など拡大抑止システムと在韓米軍関連事案まで、自身の政治的目的のための『ディール』の対象や手段にすることもできる」と憂慮した。
<米大統領選挙D-1年>バイデン再選時は韓米蜜月…トランプになっても韓国には機会に(2)
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