【時論】「宇宙インターネット時代」は遠くない
2030年代に商用化が予想される「6G時代」には地上網と非地上網が融合したひとつのネットワークが構築される。すべての空間で、世界のどこでも超高速インターネットに接続することが目標だ。特に戦争と自然災害で生存の可能性の脅威を受ける地上網と違い、衛星網はどんな状況でも最後まで通信連結を提供する手段になるだろう.
無数に多くの低軌道衛星が打ち上げられ、どこでもLTE級の接続が可能な超高速宇宙インターネット時代はすでに開かれた。これは資本・技術・市場が作り出した合同作品であり、火星に人間が居住できるようにするというスペースXのイーロン・マスク会長の遠大な挑戦でもある。
マスク会長のスペースXは再使用可能なロケット技術を通じて衛星網構築費用を10分の1に減らす革新を主導した。この会社は5000基ほどの衛星で構築したスターリンクを通じ45カ国、200万人の加入者を確保した。スターリンクはウクライナ戦争中にその威力と戦略的地位をすでに立証した。
英国政府が参加するワンウェブは今年本格的なグローバルサービスを提供する。スターリンクとワンウェブは韓国市場進出を推進している。オンライン流通市場の恐竜と呼ばれるアマゾンも2025年の商用化を目標に最近2基のテスト衛星を打ち上げた。今後数年以内に韓国を含むほとんどの国がスターリンクやワンウェブなど海外の低軌道衛星通信網事業者の角逐場になるだろう。
6G時代を控えて低軌道衛星通信網の戦略的地位と産業的割合を考慮するならば韓国も素早く備えなければならない。6G時代には多様な空間の自動運転体に対する管制と新しいモビリティ環境が可能になるが情報通信技術(ICT)生態系が産業の新たな軸に浮上するだろう。
こうした技術的波及効果を看破した韓国政府と産業界も対応策を議論し研究開発を通じた技術確保と生態系作りを悩んできた。それでもこれに対する予備妥当性調査で数回脱落し今年再挑戦中だ。何より残念なのは大規模投資の効用性ばかり問い詰める認識の問題だ。
すなわち、世界最高水準の完ぺきな地上網をすでに構築している韓国では低軌道衛星通信網の必要性に対し懐疑的な反応が優勢だ。だが数千個の低軌道衛星群が近い将来世界をカバーするひとつの巨大な通信網を構築することになるという事実を認識しなければならない。これは世界に韓国の市場を拡大する機会であり挑戦の出発になるだろう。
韓国ならではの低軌道衛星通信産業戦略は何か。世界へ輸出される韓国の防衛産業システムの神経網として、そして韓国人の精神と文化が全世界にクモの巣のようにはりめぐらされるコンテンツ伝達網を構築しなければならない。このため移動通信大国の産業生態系と代替不可能な韓国コンテンツの底力を結集した汎国家的戦略をまとめなければならない。
その第一歩は核心技術開発を通じた低軌道衛星通信試験網を構築して活用性を検証し、軍民兼用の独自衛星網を構築することだ。さらには韓国主導の多国籍共同網に拡張し、このための国際協力体結成を推進できる。その過程で韓国がリーダーシップと供給網を主導するための先制的技術力を確保しなければならない。何よりこれに対し必要な研究開発基盤を作らなければならないだろう。
韓国がデジタル大国に成長した背景をもう一度思い出してみよう。政府主導の国産電気電子交換機(TDX)開発が世界初のCDMA(符号分割多重接続)商用化の軸になった。超高速情報通信網構築も韓国政府の強力な政策支援で可能で、そのおかげでわれわれは経験することができなかった社会を生きることになった。
未来の変化はさらに早く近づいている。韓国人の手で世界のどこでも接続が可能なネットワークを構築し、その上でわれわれの未来を夢見ることができるよう期待する。超高速宇宙インターネット時代の開幕とともにわれわれはもう進むべき道を進まなければならない。
カン・チュング/高麗(コリョ)大学電機電子工学部教授、衛星通信フォーラム執行委員長
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