２日午前６時５６分ごろ、慶尚北道鬱陵郡（ウルルングン）通九味（トンクミ）地域の「コブク岩（＝亀岩）」の一部が崩れ落ち、４００トンほどの落石があった。この事故で２０代の女性Ａさんが頭に大けがを負い、ヘリコプターで浦項（ポハン）の病院に搬送された。別の２０代女性１人と３０代の男性２人は軽傷で付近の病院で治療を受けた。落石で車１台も一部が破損した。鬱陵郡は掘削機を動員して現場復旧を進めている。



◆崩壊直前に岩の下でキャンプ


鬱陵郡などの説明を総合すると、Ａさんらはコブク岩の近くでキャンプしてたところ事故にあったという。事故当時と推定される映像によると、コブク岩付近には車が並んでいて、観光客が集まっている中、突然コブク岩の一部に亀裂が生じた。その後、あっという間に岩が崩れ落ち、観光客は慌てて逃げた。

目撃者によると、当時、コブク岩の周辺には観光客２０－３０人と車中泊の車５、６台があったという。鬱陵郡庁ホームページ掲示板に掲載された写真を見ると、１０個ほどのテントが見える。

◆「テント禁止」警告表示も

コブク岩の前には「落石注意」「テント禁止」「炊事禁止」などの警告表示があるが、これを無視して車中泊などをする人が少なくないという。特に「コブク岩の影」のため岩の真下に駐車したりテントを張る人もいた。オンラインで「コブク岩キャンプ」を検索すると、多くのコメントが出てくる。その中には「落石警告があったが、テントを張った」とし、堂々と写真まで撮影した人もいた。

こうした状況にもかかわらず鬱陵郡は警告表示だけをし、出入りは統制しなかった。これに先立ち先月２４日にも鬱陵北面玄圃里（ヒョンポリ）の道路で土砂崩れがあった。幸い、未明の時間帯で路上には車がなく人命被害は発生しなかったが、事故から８日後にまた落石事故が発生し、今回は４人が負傷した。コブク岩崩壊の原因は自然発生と推定されるだけに普段の落石事故対応が不十分だったという指摘が出ている。火山島の鬱陵島は落石事故が多い方だ。

鬱陵郡の関係者は「コブク岩地域は危険だが、テントを張る観光客が多く（普段から）公務員が現場で注意を呼びかけてきた」とし「ただ、今回は秋夕（チュソク、中秋）連休中であり、こうした活動が少なかった」と話した。この関係者は「車や人が入れないようにフェンスが設置されているわけではない」と伝えた。