金正恩(キム・ジョンウン)委員長
◇孤独外交、得か失か
3年余り後。北朝鮮の最高指導者、金正恩(キム・ジョンウン)委員長がロシアの地を踏んだ。ロシアと戦略的に協力し、新たな1ページを開いたというのが北朝鮮自らの評価だ。2018年南北首脳会談、米朝首脳会談前と後4回も習近平主席に会って相談するなど金委員長にとって中国は強力な後見人だった。そのような中国の代わりにウクライナを侵攻して国際社会で孤立したロシアに金委員長が手を差し伸べたのは意外だ。北朝鮮が関心を引いたのかもしれないが、集中監視の対象になってしまった。そうした点で金委員長の今回のロシア訪問はさまざまな面で気になる点がある。
北朝鮮の狙いは何か。金委員長はロシアの衛星とミサイル開発の象徴であるボストチヌイ宇宙基地で首脳会談を行った。プーチン大統領と4時間余りの会談後、金委員長はコムソモリスク・ナ・アムーレに移動してユーリ・ガガーリン戦闘機工場を、クネビチ軍用飛行場ではショイグ国防長官と一緒に航空宇宙軍の装備を視察した。チュルキン地域の海軍部隊と太平洋艦隊を訪れて対潜水護衛艦に乗艦した。「百聞は一見にしかず」という言葉がある。ロシアの後続技術支援については見守らなければならないが、来月の偵察衛星発射を公言し、原子力潜水艦の開発に着手するという金委員長と北朝鮮の人々にとってロシアの軍事施設参観自体がまたとない「課外授業」だったことは明らかだ。
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