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【コラム】「韓国で囲碁を…」 芮廼偉と仲邑菫の夢

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

韓国でプロ棋士活動をした芮廼偉九段と韓国で囲碁棋士として活動を希望する仲邑菫三段(右) [写真 韓国棋院]

1990年、中国囲碁棋士・江鋳久(61)は米国に渡った。天安門事件に加担した経歴が問題になり、囲碁棋士としての正常な活動が難しくなったからだ。同年、江鋳久の恋人で中国最強女流棋士の芮廼偉(ルイナイウェイ、60)も中国を離れた。恋人がいる米国に行くことを望んだが、ひとまず日本を選択した。日本でプロ棋士として活動しながら後にまた決めようとした。

しかし芮廼偉の計画は最初からつまずいた。日本棋院が芮廼偉の棋戦参加を認めなかった。芮廼偉があまりにも強く、日本の女流棋戦を総なめにすることを懸念したのだ。芮廼偉は世界で初めて九段になった女流棋士だ。行き先がなかった芮廼偉を受け入れたのが韓国だ。1999年4月に江鋳久と共に入国し、夫婦が韓国棋院の客員棋士として韓国棋戦に参加した。夫婦の国境を越える波瀾万丈のラブストーリーは当時、国内外で大きな話題になった。

翌年、芮廼偉は最高権威の国内棋戦の国手杯で当代最強の李昌鎬(イ・チャンホ)、曺薫鉉(チョ・フンヒョン)を連破して優勝した。芮廼偉の優勝は中国国営CCTVが晩のニュースで報道するほど中国でも高い関心を見せた。芮廼偉は韓国で活動した12年8カ月間、29回優勝した(女流棋戦27回、統合棋戦2回)。そして2011年11月、故郷を離れてから21年ぶりに中国に戻った。


そして2023年。日本の仲邑菫三段(14)が韓国棋院に客員棋士としての活動を申請した。仲邑菫は10歳だった2019年、日本棋院の英才特別採用第1号でプロ入りした天才少女だ。今年2月には13歳11カ月の年齢で女流棋聖戦で優勝を果たし、日本囲碁最年少優勝記録を塗り替えた。韓国とも縁がある。2017年から韓鐘振(ハン・ジョンジン)囲碁道場で2年近く留学した。

仲邑菫の韓国での活動が決まったわけではない。13日に韓国プロ棋士協会は推薦したが、韓国棋院運営委員会を経て理事会も通過しなければならない。来月末に結果が出る。

それでもすでに意味深い。仲邑菫が他国で囲碁棋士として活動すると宣言した最初の日本棋士であるからだ。現代囲碁の宗主国を自負する日本は胸を痛めているはずだ。日本棋院の小林覚理事長は「仲邑菫女流棋聖の挑戦を応援する」としながらも「次世代スター棋士の移籍を惜しむ声もある」と内心を表した。

韓国としてはうれしいことだ。かつて韓国は日本に囲碁留学をしたからだ。趙南哲(チョ・ナムチョル)、金寅(キム・イン)、尹奇絃(ユン・ギヒョン)、河燦錫(ハ・チャンソク)、曺薫鉉ら草創期の多くの棋士が日本留学組だ。政治的な理由で国際的な迷子になった芮廼偉を迎えたように、韓国で囲碁を学んでプロ棋士になった仲邑菫も韓国が迎えることを期待する。韓国は少なくとも囲碁では夢の国だ。

ソン・ミンホ/レジャーチーム長



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