「このままでは選手が一人死にそうだ」

男子テニス世界ランキング３位のメドベージェフ（ロシア）は全米オープンテニス大会ベスト４入り後、このように述べた。メドベージェフは７日（韓国時間）、米ニューヨークのビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センターで行われた男子シングルス準々決勝で、ライバルのアンドレイ・ルブレフ（世界８位、ロシア）を２時間４８分の試合で３－０（６－４、６－３、６－４）で破った。しかし、メドベージェフは笑えなかった。むしろ歪んだ顔で苦痛を訴えた。

ニューヨークの猛暑のためだ。同日の試合は３５度に達する猛暑の中で行われた。そのうえ、湿度まで高かった。試合が行われたアーサー・アッシュ・スタジアムのコートの湿度は５０％に迫り、体感温度はさらに高かった。「蒸し器マッチ」に出場したメドベージェフは呼吸困難の症状を見せ、２回もメディカル・タイムアウトを要請した。その後もベンチで氷の入ったタオルを首に巻いたり、頭をタオルでくるんだりして体温を下げようと努めた。


メドベージェフは試合を終えた後、「第１セットが終わる頃にはボールも見えないほど大変だった。ネットの向こう側のルブレフも、もう走れないと思った」とし「皆さんは想像もできないほど暑かった。一言で言えば残酷な天気だ」と述べた。米ニューヨークタイムズは「今年の全米オープンでは猛暑のせいで選手たちが平常心を失った」と報じた。

一方、この日、同じ場所で試合を行った女子選手のアリナ・サバレンカ（世界２位、ベラルーシ）はメドベージェフとは違う考えだった。メドベージェフとルブレフの試合直前に行われた女子シングルス準々決勝で、サバレンカは１時間１３分で鄭欽文（世界２３位・中国）を２－０（６－１、６－４）で破った。サバレンカは「暑かったが、（ニューヨークより暑い）フロリダで練習したおかげで疲れずに実力を維持することができた」と語った。

２０２１年以来２年ぶりに全米オープン優勝に挑むメドベージェフは、準決勝でディフェンディング・チャンピオンのカルロス・アルカラス（世界１位・スペイン）と「リターンマッチ」を繰り広げる。メドベージェフとアルカラスは今年７月、ウィンブルドン準決勝でも対戦した。当時はアルカラスが３－０（６－３、６－３、６－３）で勝った。アルカラスは勢いに乗ってウィンブルドン決勝でノバク・ジョコヴィッチ（世界２位、セルビア）まで破り、チャンピオンになった。