米キャンプデービッドで発表した韓日米経済協力の柱は「チャイナリスク」の解消だ。先端産業で激しくなる中国の挑戦を防ぐため、技術奪取とサプライチェーンのかく乱などに共同戦線を構築することにした。

２０日、産業通商資源部によると、韓日米３カ国首脳は▽サプライチェーン▽技術▽金融の３分野での経済協力案を発表した。

特に最も関心を集めたのは、サプライチェーン分野における連携だ。韓日米は個別国家がすでに稼動するサプライチェーンの早期警報システム（ＥＷＳ）を連携させる案を探ることにした。例えば、核心品目サプライチェーンで重要な役割を占める「核心国家」を選定した後、韓日米が該当国家の在外公館を中心に共同対応に乗り出すという構想だ。


サプライチェーンで弱点を持つ韓国は、日米の情報と外交力を共有できるという点が期待される。特に、すでに一部の資源を武器化している中国により効果的な対応が可能だ。

技術分野での協力は先端産業の主導権を奪われないという意志と解釈できる。世界国内総生産（ＧＤＰ）の約３０％を占める韓日米はとりわけ半導体・二次電池・人工知能（ＡＩ）など先端産業分野で独占的地位を持っている。生産で頭角を現す韓国と技術で優位を持っている米国、素材でリードしている日本は強みの分野が異なり、相互補完的な相乗効果が大きい。例えば、半導体の場合、設計（米国）－装備（日本）－生産（韓国）につながる空調体制が強化される。

韓日米は新たに発展する「中核新興技術」の分野でも協力を強化する。このため、３カ国の研究機関で共同技術開発はもちろん、国際標準化と人材交流までともに推進する。自由民主主義という価値を共有した３カ国が協力し、中国などに未来先端産業の主導権を奪われない「ブロック化」が可能になる。

韓日米は歴史上初めて３カ国の産業・商務大臣の年次会議も新設する。やはり初めて新設される韓日米財務相会議を通じて韓米通貨スワップの締結などが議論されれば、最近韓国経済を苦しめてきたドル高基調を緩和することができる。

ブルームバーグは今回の経済協力の方策に対して「先端技術分野で中国の発展を牽制してきたバイデン米政府の貿易規制に参加することを韓国が日本よりもう少し躊躇してきたという点を考えると、良い折衷案になるかもしれない」としながらも「中国を最大貿易パートナーに置く日本と韓国に経済的な逆風があるかは見守る必要がある」と報じた。

だが、最近中国が世界経済の危険要素になっている状況で、韓日米の連携体系の構築は欠かせなかったという指摘が出ている。延世（ヨンセ）大学経済学部のソン・テユン教授は「米中葛藤以降、中国経済が停滞に向かっているため、韓日米の経済協力は経済的逆風をもたらすより、むしろ時宜を得た選択」と評価した。

主要経済団体は肯定的な立場を明らかにした。大韓商工会議所のイ・ソンウ国際通商本部長は「三国間協議体の発足は安全保障を越え、経済・技術・文化など同盟の範囲を大きく広げた」と話した。

韓国経営者総協会は「経済安全保障分野での戦略的パートナーシップを拡大し、未来成長エンジンの創出に向けた先端革新分野協力を強化することにした決定に対する期待が大きい」と話した。全国経済人連合会は「３カ国が東アジアを越え、全世界に自由・繁栄・平和を拡大していくことを期待する」と明らかにした。