2017年に大陸間弾道ミサイル(ICBM)を数回発射し核武力完成を宣言した北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が昨年から韓国をターゲットとした戦術核開発に熱を上げる本心は「韓米離間」にある。「核攻撃が現実化する場合、米国が果たしてソウルを守るためにサンフランシスコを危険に陥れるだろうか」という古くからの質問を再び取り出して同盟の間を引き離そうとするものだ。
キャンプ・デービッドで18日に開かれた首脳会談で採択された「韓日米協議へのコミットメント」は3カ国首脳がこうした金正恩に「引き離す隙はない」と答えたのと同じだ。これは「3カ国のうち1カ国が脅威を受ければわれわれすべてが脅威を受けるもの」(17日、米政権高位当局者)という認識の下に作られた文書であるためだ。
◇「whenever,whatever迅速協議」
実際にこの公約は「共同の利益と安保に影響を及ぼす地域的挑戦、挑発、威嚇に対して3カ国が速やかに協議する」と規定したが、バイデン米大統領は共同記者会見でこれを「域内に危機が発生したりわれわれのうちどこかひとつの国でも影響を受けるたびに(whenever)」「危機の根源が何であれ関係なく(whatever source it occurs)」などと表現した。
この公約の通りならば、北朝鮮が韓国を狙った戦術核ミサイル試験発射などの挑発をする場合にも3カ国のハイレベルでホットラインを稼動することが可能になる。北朝鮮は3月にも韓国全域が打撃圏に入る「北朝鮮版イスカンデル」のKN23弾道ミサイルに模擬戦術核弾頭を搭載した後に上空800メートルで爆発させる試験を実施した。
3カ国がこうした公約採択に合意できたのもそれぞれ異なって定義した威嚇に対する認識の差が大きく狭まったためとみることができる。金正恩は韓国を狙った戦術核を完成させ韓米同盟の相互防衛のジレンマを加重しようとしたが、今回の首脳会談を通じて戦術核が韓国だけの心配事でなく韓日米いずれにも脅威であるという認識を達成する余地が大きくなった形だ。
◇2カ国連鎖協議→3カ国ホットライン稼動
もちろん以前にも北朝鮮の多様な挑発があるたびに3カ国間で緊密な協議がなされてきた。ただ特別な契機がなければ外相や6カ国協議首席代表がオンラインや電話で韓米・韓日・日米など2カ国間で連鎖協議をするケースが大部分だった。
だがこれからは新たに構築されるホットラインを通じ3カ国が同時に即刻協議に出られるようになる見通しだ。協議に参加する当局者の格も懸案によって調整できるものとみられる。北朝鮮の挑発時より迅速で効果的に共同対応策をまとめられるようになるという意味だ。
公約文書で協議の対象を特定しないのは、3カ国が共同対応できる領域に制限を設けないための意図と読み取れる。▽挑戦▽挑発▽威嚇など、協議を稼動できる危機の種類も多様に規定した。各国の主観的解釈が作用するほかない。
これは別の言い方をすれば、北朝鮮の戦術核だけでなく南シナ海や台湾海峡での武力衝突なども協議対象にできるという意味だ。これは米国と韓日間に脅威をめぐる認識のレベルが違うこともある事案だ。
◇台湾海峡衝突も協議対象になりそう
これと関連し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は記者会見で3カ国協議の公約に対して「3カ国共同の利害を脅かす域内で緊急な懸案が発生した場合、速やかに協議して対応するための疎通チャンネルを設けることにした」と説明した。「共同の利害」は文書にある文言そのままの表現だが、バイデン大統領が使った「どこかひとつの国でも影響を受けるたびに」とは温度差も感じられるのが事実だ。
首脳会談を控えたメディア説明で米当局者は「協議の義務(duty to consult)」、韓国当局者は「協議の公約(commitment to consult)」と表現したのも同じ脈絡とみられる。結局文書には「義務」ではなく「公約」という単語を選択したが、韓国側の立場が反映された結果とみられる。韓国としては中国との関係を考慮しなければならないだけでなく、まだ南シナ海や台湾海峡での衝突状況で韓国政府が介入するかのように見えることに対し国民的共感が大きく形成されていないのが事実であるためだ。
◇世界安保連結…1国の問題ではない
それでも今回の首脳会談で共感した3カ国安保協力の範囲拡大は必然的というのが外交界の支配的な見方だ。台湾問題だけでも台湾海峡で危機状況が発生する場合、これに乗じて北朝鮮が韓国を狙った挑発に出ることが自明なためだ。3カ国だけでなくインド太平洋地域、さらには世界の安保が結局つながっているという今回の首脳会談の結論もそこから出ている。
これと関連し、首脳会談共同声明である「キャンプ・デービッド精神」はロシアのウクライナ侵略をめぐっても「領土一体性、主権及び紛争の平和的解決の原則を堅持するとの国際社会の不変の意志を強調し、「いかなる場所であってもこれらの根本的な原則の拒絶は、われわれの地域への脅威となるとの見地をわれわれは再確認する」と明らかにした。
キャンプ・デービッドで18日に開かれた首脳会談で採択された「韓日米協議へのコミットメント」は3カ国首脳がこうした金正恩に「引き離す隙はない」と答えたのと同じだ。これは「3カ国のうち1カ国が脅威を受ければわれわれすべてが脅威を受けるもの」(17日、米政権高位当局者)という認識の下に作られた文書であるためだ。
◇「whenever,whatever迅速協議」
実際にこの公約は「共同の利益と安保に影響を及ぼす地域的挑戦、挑発、威嚇に対して3カ国が速やかに協議する」と規定したが、バイデン米大統領は共同記者会見でこれを「域内に危機が発生したりわれわれのうちどこかひとつの国でも影響を受けるたびに(whenever)」「危機の根源が何であれ関係なく(whatever source it occurs)」などと表現した。
この公約の通りならば、北朝鮮が韓国を狙った戦術核ミサイル試験発射などの挑発をする場合にも3カ国のハイレベルでホットラインを稼動することが可能になる。北朝鮮は3月にも韓国全域が打撃圏に入る「北朝鮮版イスカンデル」のKN23弾道ミサイルに模擬戦術核弾頭を搭載した後に上空800メートルで爆発させる試験を実施した。
3カ国がこうした公約採択に合意できたのもそれぞれ異なって定義した威嚇に対する認識の差が大きく狭まったためとみることができる。金正恩は韓国を狙った戦術核を完成させ韓米同盟の相互防衛のジレンマを加重しようとしたが、今回の首脳会談を通じて戦術核が韓国だけの心配事でなく韓日米いずれにも脅威であるという認識を達成する余地が大きくなった形だ。
◇2カ国連鎖協議→3カ国ホットライン稼動
もちろん以前にも北朝鮮の多様な挑発があるたびに3カ国間で緊密な協議がなされてきた。ただ特別な契機がなければ外相や6カ国協議首席代表がオンラインや電話で韓米・韓日・日米など2カ国間で連鎖協議をするケースが大部分だった。
だがこれからは新たに構築されるホットラインを通じ3カ国が同時に即刻協議に出られるようになる見通しだ。協議に参加する当局者の格も懸案によって調整できるものとみられる。北朝鮮の挑発時より迅速で効果的に共同対応策をまとめられるようになるという意味だ。
公約文書で協議の対象を特定しないのは、3カ国が共同対応できる領域に制限を設けないための意図と読み取れる。▽挑戦▽挑発▽威嚇など、協議を稼動できる危機の種類も多様に規定した。各国の主観的解釈が作用するほかない。
これは別の言い方をすれば、北朝鮮の戦術核だけでなく南シナ海や台湾海峡での武力衝突なども協議対象にできるという意味だ。これは米国と韓日間に脅威をめぐる認識のレベルが違うこともある事案だ。
◇台湾海峡衝突も協議対象になりそう
これと関連し、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は記者会見で3カ国協議の公約に対して「3カ国共同の利害を脅かす域内で緊急な懸案が発生した場合、速やかに協議して対応するための疎通チャンネルを設けることにした」と説明した。「共同の利害」は文書にある文言そのままの表現だが、バイデン大統領が使った「どこかひとつの国でも影響を受けるたびに」とは温度差も感じられるのが事実だ。
首脳会談を控えたメディア説明で米当局者は「協議の義務(duty to consult)」、韓国当局者は「協議の公約(commitment to consult)」と表現したのも同じ脈絡とみられる。結局文書には「義務」ではなく「公約」という単語を選択したが、韓国側の立場が反映された結果とみられる。韓国としては中国との関係を考慮しなければならないだけでなく、まだ南シナ海や台湾海峡での衝突状況で韓国政府が介入するかのように見えることに対し国民的共感が大きく形成されていないのが事実であるためだ。
◇世界安保連結…1国の問題ではない
それでも今回の首脳会談で共感した3カ国安保協力の範囲拡大は必然的というのが外交界の支配的な見方だ。台湾問題だけでも台湾海峡で危機状況が発生する場合、これに乗じて北朝鮮が韓国を狙った挑発に出ることが自明なためだ。3カ国だけでなくインド太平洋地域、さらには世界の安保が結局つながっているという今回の首脳会談の結論もそこから出ている。
これと関連し、首脳会談共同声明である「キャンプ・デービッド精神」はロシアのウクライナ侵略をめぐっても「領土一体性、主権及び紛争の平和的解決の原則を堅持するとの国際社会の不変の意志を強調し、「いかなる場所であってもこれらの根本的な原則の拒絶は、われわれの地域への脅威となるとの見地をわれわれは再確認する」と明らかにした。
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