中国経済がよろめいている。恒大グループに続いて中国不動産開発大手の碧桂園(カントリー・ガーデン)にデフォルト(債務不履行)の可能性が提起されながらだ。中国式投資主導成長モデルが限界に至ったという分析もある。
◇中国経済に対する懸念にアジアの証券市場・通貨が急落
14日、香港証券市場に上場している碧桂園の株価は前営業日比18.37%下落した0.8香港ドルで取引を終えた。これは過去最低価格だ。碧桂園は今月7日満期社債2本の利子を返すことができなかった。14日にはオンショア社債11本の取引が中断されて、株価下落を呼んだ。
この余波でアジアの主要証券市場も一斉に下落した。東京証券市場の日経225は前営業日比1.27%、香港ハンセン指数は1.62%それぞれ下落した。韓国コスダック指数(KOSDAQ)も1.15%の下落で取引を終えた。
アジア主要国の通貨安も進んだ。対ドル円相場は取引中に1ドル=145.22円まで円安が進み、昨年11月以来9カ月ぶりの最高値を記録した。特にユーロ当たりでは158円台で、2008年以来の高値となっている。対ドルのウォン相場も前営業日比6ウォンのウォン安となり、1ドル=1330.9ウォンを記録した。
◇景気低迷が不動産市場下落を呼ぶ
碧桂園ショックで明らかになった中国不動産市場の沈滞懸念は、中国経済危機の最大の「トリガー(触発剤)」だ。不動産は中国全体投資額と政府歳入の約25%を占めている。家計資産に占める割合は7割に達し、不動産景気の下降は消費や投資減少など経済全般の沈滞をもたらしかねない。
最近中国不動産市場が振るわない最も大きな理由は需要の縮小だ。中国は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降沈滞した景気がなかなか戻らないでいる。ここに共同富裕論を前面に出した中国政府の強力な規制が不動産市場の鈍化を後押しした。国際金融センターの最近の報告書によると、6月中国住宅取引量は前年同月比27.9%減少し、約1年間で最大の減少幅を記録した。今年初めに回復の兆しを見せていた住宅価格は最近2カ月連続で下落幅を拡大(5月-0.2%、6月-0.4%)した。
◇世界2位の企業負債比率、増えた政府負債も足かせに
中国経済のもう一つの危険要因は「負債」だ。特に中国の国内総生産(GDP)に対する企業負債は158%で主要7カ国(G7)平均(98%)よりも高く、フランス(164%)に次いで多い。資本市場が発達していない中国は企業のほとんどが銀行から融資を受けて事業資金を調達するため企業負債比率が比較的高い。特に新型コロナで景気低迷を経験し、負債が急激に増えた。
負債比率が高くても中国企業は預金が多いため借金を返済する能力があると評価される。ただし、増えた負債を減らす過程で民間投資余力が減少すれば景気低迷を呼ぶ可能性がある。恒大グループも中国政府が不動産投資企業の負債を制限する過程でデフォルト事態が発生した。また高い負債リスクが金融圏に転移すれば銀行不良を招くことになる。そのうえ民間負債問題を解決していた政府の財政余力も多くない。中国政府の負債は最近4年間でGDP比21.2%ポイント増えて77.7%まで増えた。特に地方政府の懐事情ははるかに良くない。また、政府負債に現れない地方政府不動産投資機構(LGFV)の負債まで加えるなら、相当な水準まで国家債務が増える。国際金融センターの最近の報告書によると、中国LGFVの負債総額は昨年基準60兆元(約1200兆円)に達する。
◇人口減少・高齢化で「安い労働力」は昔話に
出生制限政策で人口が減り、高齢化が進んでいるという点も長期的な中国経済見通しを暗くしている。これまで中国経済を牽引(けんいん)してきた安い労働力がこれ以上通じなくなるためだ。高齢化によって保険および年金の支出負担が増えれば、財政余力はさらに悪化することになる。実際、中国人口は昨年61年ぶりに初めて前年比85万人減少した。60歳以上の人口は2億8004万人で全体人口比重19.8%を占める。
中国経済が持続的に成長するためには、高賃金高付加価値産業に経済体質を変えなければならないという声が高い。だが、米国が先端産業分野で中国成長を牽制している点が障害となっている。米中葛藤が長引けば、産業高度化に失敗した中国企業の売上および生産性低下につながり、外国人投資流出が発生する可能性がある。
梨花(イファ)女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は「新型コロナで中国経済が不動産中心に沈滞している中で、高い負債のため景気浮揚の余力が大きくなく、それこそ進退両難」としながら「韓国は中国景気低迷に備えて対中輸出の比率を減らすなどリスク管理を行う必要がある」と話した。
◇中国経済に対する懸念にアジアの証券市場・通貨が急落
14日、香港証券市場に上場している碧桂園の株価は前営業日比18.37%下落した0.8香港ドルで取引を終えた。これは過去最低価格だ。碧桂園は今月7日満期社債2本の利子を返すことができなかった。14日にはオンショア社債11本の取引が中断されて、株価下落を呼んだ。
この余波でアジアの主要証券市場も一斉に下落した。東京証券市場の日経225は前営業日比1.27%、香港ハンセン指数は1.62%それぞれ下落した。韓国コスダック指数(KOSDAQ)も1.15%の下落で取引を終えた。
アジア主要国の通貨安も進んだ。対ドル円相場は取引中に1ドル=145.22円まで円安が進み、昨年11月以来9カ月ぶりの最高値を記録した。特にユーロ当たりでは158円台で、2008年以来の高値となっている。対ドルのウォン相場も前営業日比6ウォンのウォン安となり、1ドル=1330.9ウォンを記録した。
◇景気低迷が不動産市場下落を呼ぶ
碧桂園ショックで明らかになった中国不動産市場の沈滞懸念は、中国経済危機の最大の「トリガー(触発剤)」だ。不動産は中国全体投資額と政府歳入の約25%を占めている。家計資産に占める割合は7割に達し、不動産景気の下降は消費や投資減少など経済全般の沈滞をもたらしかねない。
最近中国不動産市場が振るわない最も大きな理由は需要の縮小だ。中国は新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)以降沈滞した景気がなかなか戻らないでいる。ここに共同富裕論を前面に出した中国政府の強力な規制が不動産市場の鈍化を後押しした。国際金融センターの最近の報告書によると、6月中国住宅取引量は前年同月比27.9%減少し、約1年間で最大の減少幅を記録した。今年初めに回復の兆しを見せていた住宅価格は最近2カ月連続で下落幅を拡大(5月-0.2%、6月-0.4%)した。
◇世界2位の企業負債比率、増えた政府負債も足かせに
中国経済のもう一つの危険要因は「負債」だ。特に中国の国内総生産(GDP)に対する企業負債は158%で主要7カ国(G7)平均(98%)よりも高く、フランス(164%)に次いで多い。資本市場が発達していない中国は企業のほとんどが銀行から融資を受けて事業資金を調達するため企業負債比率が比較的高い。特に新型コロナで景気低迷を経験し、負債が急激に増えた。
負債比率が高くても中国企業は預金が多いため借金を返済する能力があると評価される。ただし、増えた負債を減らす過程で民間投資余力が減少すれば景気低迷を呼ぶ可能性がある。恒大グループも中国政府が不動産投資企業の負債を制限する過程でデフォルト事態が発生した。また高い負債リスクが金融圏に転移すれば銀行不良を招くことになる。そのうえ民間負債問題を解決していた政府の財政余力も多くない。中国政府の負債は最近4年間でGDP比21.2%ポイント増えて77.7%まで増えた。特に地方政府の懐事情ははるかに良くない。また、政府負債に現れない地方政府不動産投資機構(LGFV)の負債まで加えるなら、相当な水準まで国家債務が増える。国際金融センターの最近の報告書によると、中国LGFVの負債総額は昨年基準60兆元(約1200兆円)に達する。
◇人口減少・高齢化で「安い労働力」は昔話に
出生制限政策で人口が減り、高齢化が進んでいるという点も長期的な中国経済見通しを暗くしている。これまで中国経済を牽引(けんいん)してきた安い労働力がこれ以上通じなくなるためだ。高齢化によって保険および年金の支出負担が増えれば、財政余力はさらに悪化することになる。実際、中国人口は昨年61年ぶりに初めて前年比85万人減少した。60歳以上の人口は2億8004万人で全体人口比重19.8%を占める。
中国経済が持続的に成長するためには、高賃金高付加価値産業に経済体質を変えなければならないという声が高い。だが、米国が先端産業分野で中国成長を牽制している点が障害となっている。米中葛藤が長引けば、産業高度化に失敗した中国企業の売上および生産性低下につながり、外国人投資流出が発生する可能性がある。
梨花(イファ)女子大学経済学科のソク・ビョンフン教授は「新型コロナで中国経済が不動産中心に沈滞している中で、高い負債のため景気浮揚の余力が大きくなく、それこそ進退両難」としながら「韓国は中国景気低迷に備えて対中輸出の比率を減らすなどリスク管理を行う必要がある」と話した。
この記事を読んで…