尹錫悦大統領とカナダのジャスティン・トルドー首相が5月17日、龍山(ヨンサン)大統領室庁舎で開かれた韓・カナダ首脳会談に先立ち、喜んで挨拶している。[写真 大統領室]
2005年、カナダ・モントリオールでウェディングドレスを着て結婚式場入りするソフィー・グレゴワール氏が周囲の人々に叫んだ言葉だ。主に富裕層が通う石造りの教会の中で彼女を待つ新郎は、ジャスティン・トルドー氏。現カナダ首相だ。ジャーナリストのソフィー・グレゴワール氏と新鋭政治家の結婚は、当時かなり話題を呼んだ。ニューヨークタイムズ(NYT)が9日(現地時間)、「国民的関心を集めたイベント」と描写したほどだ。
18年後の今は事情が異なる。ジャスティン・トルドー氏は父親が歩んだ道を多く追いかけたが、首相になったのも、在任中に離婚を発表したのもそうだ。トルドー首相2日、インスタグラムを更新し、「有意義かつ、つらい話し合いを重ねた結果、妻と私は離婚することを決めた」とし、「お互いのために深い愛と尊敬を持ち続ける」という要旨で離婚を発表した。トルドー首相は51歳、グレゴワールは48歳で、2人の間には2男1女がいる。幼い頃に弟の友人として知り合い、2003年に交際を始め、約2年後に結婚した。働く女性で活動的なソフィー・グレゴワール氏の存在は、トルドー首相に大きく役立ったというのがNYTの評価だ。
しかし、トルドー首相が抱えている問題は、家庭問題だけではない。政治家生命にも赤信号が灯った。ニューヨークタイムズは9日付の記事で、トルドー首相は4期連任を狙っていると公言しているが、それに対する有権者の疲労感は高まっていると伝えた。人種やジェンダーの多様性を追求して内閣を構成し、育児にも熱心な現代的男性のイメージを築いてきたトルドー首相の戦略も賞味期限切れなのか。一時、「トルドー・マニア」と呼ばれた熱狂的支持層の熱気も弱まったとNYTは伝えた。
状況は容易ではない。まず、5月に浮上した中国のカナダ選挙介入疑惑がトルドー首相に不利だ。カナダ最大野党の保守党は「2021年の総選挙で中国が私を標的に選挙妨害工作をした」と被害を主張した。保守党は、トルドー首相の自由党が選挙の正当性を守るために協力しなかったと主張している。
カナダの日刊紙トロント・スターの9日付の報道によると、トルドー首相の自由党は先月の世論調査で28%の支持率を記録したが、これはここ数年で最も低い数値だという。同じ調査で保守党は37%を記録した。さらに、トルドー首相の離婚まで重なり、泣き面に蜂となった。離婚発表直前、首相は「新鮮さを吹き込むため」として一部内閣改造を断行したが、支持率には大きな変化をもたらすことができなかった。
トルドー首相は政権8年目だ。海外では依然として若くてジェントルなイメージの政治家で、肯定的なイメージが強い。カナダの有権者はどのような点を批判しているのだろうか。NYTはカナダの政治批評家が「トルドーの問題は、状況が良い時も悪い時も常に良い状況のように微笑むということ」とし「真実味がないという批判が出ている」と伝えた。トルドー首相の突破口はどこにあるだろうか。NYTはややシニカルなトーンで以下のように伝えた。「トルドーは今やカナダの『最もホットな独身男性』となったが、政治家としてのイメージを完全に新たに作り直さなければならない立場に置かれている」。
トルドー・ファミリーはいつものように、まもなく夏の休暇に一緒に発つ予定だ。しかし、休暇後に首相官邸に戻るのはトルドー首相と3人の子供だけだ。ソフィー・グレゴワール氏は自分の家に帰る。「最も幸運な女」と言ったグレゴワール氏は昨年の結婚記念日、自身のインスタグラムにこのように書いた。「すべての関係は長くなるほど多くの問題に直面する。太陽が輝く日もあれば台風が吹き荒れる時もある」。
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