台湾界のIT企業家たち。左側からTSMC創業者のモリス・チャン氏、NVIDIA創業者のジェンスン・フアン氏、AMD代表のリサ・スー氏、YouTube創業者のスティーブ・チェン氏。
TSMCを設立したのはモリス・チャン氏(92)。重要なことは彼をその場に据えた台湾政府の人材呼び込み作戦だ。1980年代台湾は米国半導体企業テキサス・インスツルメンツ(TI)で副社長まで過ごした中年の台湾系米国人のチャン氏を台北に迎えた。それから半導体産業の青写真を描いてほしいと頼んだ。台湾をいつも冷遇していた米国や国連に頼るよりも先端技術製造業で自強の道を模索したのだ。その時に迎え入れた人材がまた別の人材を引っ張ってきて成長したTSMCは現在時価総額(4900億ドル、約71兆円)の世界10位に数えられる「半導体スーパー甲」だ。
台湾が最近また人材の呼び込みに忙しい。今回もTSMCが先頭に立った。台湾メディアによると、TSMCがドイツに工場を作る理由は欧州の人材を吸い込んで台湾に流入させるためだ。台湾は今年5月、世界500位圏の大学学部生が台湾半導体企業の面接さえ通過すれば修・博士学位がなくてもビザを発行するとした。破格という評価が相次いでいる。
経済・金融・ITなど専門分野外国人に発行するビザ(ゴールドカード)もある。台湾系米国人だったYouTube創業者スティーブ・チェン氏もゴールドカードで台北に住んでいる。チェン氏のソーシャルメディアには最近、人口2350万人の台湾をどのようにすれば魅力的な創業ハブにできるかに対する悩みであふれている。台湾にデータセンターを設立したグーグル・マイクロソフトさえもIT人材を吸い込んでいる。
韓国はどうか。政府は今年先端産業人材のためのビザ(E-7-S)を新設して発行中だ。移民庁の計画とあわせて方向をうまく定めたものの、韓国が台湾・シンガポール・日本などの競争国よりももっと暮らしたいと思える国かどうかは分からない。外国人技術創業者に発行されるビザは1年ごとに更新しなければならず、条件も厳しい。移民者を主に低賃金労働力確保手段や限定された職を巡るライバルとみなす社会が先端技術人材に魅力的なはずがない。コロナ以降に触発された大移民(Great Immigration)時代に、彼らに好意的な国は韓国でなくともあまたある。
パク・スリョン/IT産業部長
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