「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」早期撤収日の8日午前、全羅北道扶安郡ジャンボリーキャンプ地で参加者が撤収の準備をしている。チャン・ジョンピル・フリーランス記者
前日、韓国政府が韓半島(朝鮮半島)を直撃する台風6号「カヌーン」に備えて「全員早期退営」を決定したためだ。それでも彼らは笑顔でテントを片付けた。テントを構成していたポールをぐるぐる回しながらいたずらをしたりした。しかし、取材陣の質問には「分からない(I don't know)」と言葉少なだった。
前日、政府が発表した「非常避難計画」によると、この日の退所時刻は午前10時。しかし、午前5時から大会参加者らは各自持ってきた服や物をまとめ始めた。日陰一つない炎天下で動いたため、すぐに汗だくになった。
リュックサックを運ぶ隊員の行列は続いた。リヤカーに荷物を積んで運ぶ人もいた。キャンプ場の随所に立てられたモンゴルテントの下は各国代表団が持ってきた荷物でいっぱいだった。浸水を防ぐためにテントの下に敷いていた台も山積みになった。ジャンボリー集結地のウェルカムセンター近くの道路沿いには、各国代表団を乗せて行くバスの長蛇の列。彼らを案内するジャンボリー組織委員会・警察・消防関係者などでにぎわった。
自分の体より大きいリュックサックを背負っているオーストラリアのテウォンシアさん(17)は「セマングム・ジャンボリーで色々な国の友達に会い、ダンスや音楽、食べ物などの文化を学び、教えながら幸せな時間を過ごした」とし「でも、ソウルにもぜひ行きたかった。一層良い旅行になりそうで楽しみだ」と話した。同国の国際運営要員(IST)ベンジャミンさん(25)は「ここを離れるのが悲しい」と言いつつも「スカウトはどこに行っても問題ない。あらゆる環境に適応できる」と述べた。
8日間キャンプ地内外で友情を深めた各国の隊員は「さようなら(Good bye)」「また会おう(See you)」「楽しんで(Have fun)」「幸運を祈る(Goodluck)」などと手を振りながら別れの挨拶を交わした。自国のバッジなどを交換したり、一部は抱き合って泣いていた。
民間ボランティアらは残念な思いを隠せなかった。大会期間中、氷水など猛暑予防物品を配ったキム・ボムヨンさん(22)は「多様な国籍の隊員たちの役に立ったということに満足している」とし「台風のためだというが、とても残念だ」と話した。キム・ギョンスクさん(64)は「全羅北道群山市(クンサンシ)の美しさを十分に満喫できずに離れ離れになって残念だ」とし「残りの大会期間、他の地域に行っても韓国の趣と味をたっぷり感じて帰ってほしい」と話した。
ウェルカムセンターから出発する各国代表と握手しながら挨拶を交わしていた韓国スカウト連盟のチョン・ウシク・プログラム担当責任者は「早期撤収」に対して「複雑な心情」と話した。チョン氏は「キャンプ地の端から端まで歩くのに3時間ほどかかり、隊員が大変な思いをせざるを得ない構造だった」とし、「キャンプ地過程活動エリアを両側ではなく中央1カ所に集中すべきだった」と話した。
前日、大会開催地の扶安商店街は参加者でにぎわったという。早期退所のニュースを聞き、母国に持ち帰る記念品を買うためだ。
参加者らは同日午前9時、台湾代表団を皮切りに10~14台のバスに分けて乗り、順次会場を出た。156カ国3700人余りが去り、彼らが8日間泊まったテント2万5000棟も全て消えることになった。
この記事を読んで…