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「薬局わずか1カ所」…1170億ウォン投入したジャンボリー、予告されたずさん運営(1)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

4日、全羅北道扶安のセマングムで開かれている「2023セマングム世界スカウトジャンボリー」の会場で猛暑と熱帯夜により熱中症患者が続出している。チェ・ギウン記者

準備不足で世界的な恥をさらした世界スカウトジャンボリーが収拾局面を迎えている。これに先立ち豪雨と猛暑、虫、トイレ、照明などの問題点が浮かび上がる渦中にもコントロールタワーは作動しなかった。尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と韓国政府が対策準備を公論化してようやく出口を見いだした格好だ。準備期間6年に1170億ウォン(約127億円)の予算が投じられた大規模行事とは信じ難い現実に「大人たちが恥ずかしい」という嘆きが続いた。



◇「汝矣島の3倍の野営場に薬局1カ所なのに放置」


ジャンボリー準備状況を見守った関係者の間では「予告された行政失敗」だったとの証言が続いている。5~6日に現場を訪れたボランティアの薬剤師は、「子どもたちが虫に刺された時に処置する塗り薬ひとつないのを見てため息が出た」と当時の状況を伝えた。現場からの証言を総合すると、ソウル・汝矣島(ヨイド)の面積の3倍に当たる8.84平方キロメートル規模の野営地に薬局が1カ所しかなかったということだ。この薬局はジャンボリー病院と関連した「病棟薬局」で、医師の処方が必要な専門医薬品だけ備えていた。保健医療団体関係者は「全羅北道(チョンラブクド)と5つの奉仕薬局を出す案を3月に協議した。準備している最中に組織委から一方的に拒絶された」と主張した。組織委側が「適切にやる」と通知しながら地域医薬団体との協議が全く行われなかったということだ。この関係者は「沼地で真夏に行事をすれば虫が多いだろうというのは一般人でも予想可能だが対処できなかったのは組織委の誤りだ。各界の専門家らと十分に話し合って準備するべきだった」と批判した。また別の団体関係者は「民間からの協力要請を拒絶したのにずさんな運営問題が明らかになるとその時になって連絡がきた。このように民間の参加で急造して進めるのは大会準備が総体的にずさんだったことを示す」と指摘した。

◇組織委運営に予算の74%使用…劣悪なインフラ放置

予算使用面でも準備のずさんさが相次いで明らかになっている。韓国政府と全羅北道などによると、セマングム世界ジャンボリーに投入された総予算約1170億ウォンのうち74%の870億ウォンが組織委運営費と事業費として編成された。

これに対し、上下水道と下水処理施設、駐車場、グリーントンネルなど基盤施設造成には205億ウォンが編成されるのにとどまった。テント作りのシャワールーム、汚物であふれた便器などで問題になったトイレとシャワールーム、給水台など野営便宜施設設置など施設費には130億ウォンだけが執行された。全予算の11%にすぎなかった。

主務官庁である女性家族部と全羅北道の公務員がジャンボリー準備活動を理由に90件以上の外遊出張に行っていた事実も明らかになった。全羅北道庁関係者5人は2018年5月に「ジャンボリー成功開催事例調査」を名目にスイスとイタリアに8日間の出張に行った。インターラーケン、ルツェルン、ミラノ、ベネチアなどの観光名所が含まれた。スイスとイタリアはジャンボリーを開催したことがない。全羅北道扶安郡(プアングン)はジャンボリー開催が確定すると「クルーズ拠点寄港地造成を通じたジャンボリー開催地広報」を名目に2回の出張に行ったりもした。


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