韓国の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人が19日、釜山(プサン)基地に入港した米国のオハイオ級戦略原子力潜水艦(SSBN)「ケンタッキー」(SSBN-737)に乗艦している。[写真 青瓦台写真記者団]
韓米が一昨日北朝鮮の核抑制力強化方案を議論する核協議グループ(NCG)の発足に合わせてケンタッキーの韓国寄港事実を42年ぶりに公開し、尹大統領が戦略潜水艦に乗艦したのは北朝鮮に対する抑制力をアピールしようとする狙いがあった。米国の核の傘を直接見せることによって国民の不安を落ち着かせようとするためだ。北朝鮮に対する警告メッセージにもなる。しばらく未明のミサイル発射を控えていた北朝鮮が昨日午前3時30分、平壌(ピョンヤン)付近から釜山基地までの距離(550キロ)を想定して2発の短距離弾道ミサイルを撃って反発したのはこれを敏感に思っているという傍証だ。
北朝鮮が核の脅威を高めるたびに韓国の独自核開発の主張とあわせて米国の戦略原子力潜水艦を韓半島(朝鮮半島)周辺に常時または循環配置するべきだという声が出てきた。こういった点で、ケンタッキーの韓国寄港は具体的な核抑制力を望む切実な願いを満たす手段となり得る。一部では北朝鮮の反発によって軍事的緊張がかえって高まりかねないという懸念もある。もしかしたら今後米国が戦略武器の韓半島展開費用を要求してくる場合があるかもしれない。そうだとしても北朝鮮の核を頭に乗せて生きていかなくてはならない危機に置かれた韓国の立場では、ケンタッキーの出現がその場限りのものに終わってはいけない。北朝鮮が核とミサイルを使えないように対話することが最善かもしれないが、そのためにも米国の強固な核の傘がこれをバックアップしなければならない。拡大抑止力のための韓米間の協力が言葉ではなく行動につながらなければならない理由だ。
ちょうど韓日米が来月首脳会談の日程を調整しているという便りも聞こえている。日本が北朝鮮に首脳会談を提案し、一昨日板門店(パンムンジョム)に越北した在韓米軍トラビス・キング二等兵の問題を協議するために米朝間に直間接的な接触の可能性もある。対話を推進するものの、北朝鮮の核脅威の当事国である韓日米の強く一致した声とともに、戦略原子力潜水艦など決定的対応手段の準備も怠ってはいけない。
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