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【中央時評】韓日関係回復、経済にかかった

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
韓日関係が悪化した理由は単に政治家のためだけではない。政治家が自身の政治的立場のために国同士の敏感な問題に触れた結果成長率が下落して雇用が減るならば彼の支持率は急落するだろう。すると当然言動を控えるだろう。

サプライチェーンの連係性が弱まったことが韓日対立の主要背景だ。対外経済政策研究院は韓日中の素材・部品・装備産業での生産と貿易波及効果を分析した報告書を2021年に発刊した。これによると、2000年には韓国の対日波及効果が中国の2.5倍だったが2018年には半分以下に急減した。また、2018年の日本の対韓波及効果も中国の半分程度にとどまった。韓日両国が経済的に互いに必要とする水準が顕著に減ったという意味だ。主な理由は両国間に相互補完性を見つけるのが容易でなかったためだ。中国は経済発展段階の差により韓国と自然につながることができた。特に中国の生産費が相対的に低く大量生産が可能という点は明らかな長所だった。これに対し経済発展段階が似ている韓日間では生産費の差が小さいだけでなく、設計と生産、またはアップストリームとダウンストリームのような経済的分業構造を見つけるのが難しかった。

しかし韓日の経済連結強化は両国の国益に大きく役立つ。韓国は先端技術の核心である半導体、二次電池、バイオ産業で大量生産能力を備えている。自動車、鉄鋼、造船などでも一流企業が存在する。このように韓国は広範な製造業分野で世界水準の生産能力を保有した数少ない国だ。一方、日本は素材・部品・装備産業の世界的強者だ。また優れた技術力を持つ多くの中小企業がある。韓国が技術融合と商用化に強みを持ったとすれば日本は技術の深さと基本技術開発面で卓越する。


韓日間の産業協力は日本の中小企業が保有する良質の技術を韓国の生産能力と結合するところから出発できる。大阪のある中小企業を訪問したことがある。マイナス200度近い超低温から高温まで耐えられる工業用フレキシブルチューブや膨張可能なジョイントなどを生産するこの企業は、主に大企業や大学実験室から注文を受けて製作する。社長に韓国と取引するのか尋ねると、熟練人材を確保するのが難しく国内需要に応じるだけで手一杯だと話した。問題は優れた技術力を持つ日本の中小企業に関する情報を韓国が得がたいという点だ。韓国政府や財界は日本の中小企業に関する情報を集めて韓国企業に体系的に提供する役割をしなければならない。このためには日本の経済団体や日本国際協力機構(JICA)との協力が必須だ。

未来社会に必要な技術を開発する日本企業にも注目する必要がある。京都に本社を置くオムロンは社会問題を技術で解決するという創立精神により自動化用センサーや制御機器、健康管理製品などを生産する。1967年に世界で初めて駅の自動改札機を開発している。特にピーター・ドラッカーなど未来学者の諮問により未来社会の姿を予測しこれを技術開発に反映してきた。このように日本には韓国企業より遠くを見据えて技術開発に努める企業が多い。米国のクラリベイトが発表する世界100大革新企業に選ばれた企業数が最も多い国は日本だ。2023年には37社の日本企業が選ばれ世界最多を記録し、米国は19社で2位を占めた。韓国は5社、中国は4社が含まれた。韓国企業が現在に集中する傾向が強いならば日本企業は未来を見据えようとする特徴がある。韓中が中間財・最終財という生産過程を分業したとすれば、韓日関係の核心は未来と現在の時間的分業だ。未来型日本技術を、融合と商用化に強みを持っている韓国の能力と結合し、これを大量商品化することだ。

韓日関係は先端製造業ネットワーク(AMAN)という小多者機構として発展しなければならない。大激変の時代に国力の核心は先端製造業能力だ。ここには韓日だけでなくドイツなども含めることが必要だ。世界の先端技術開発と産業発展は複数の国がともにするほどさらに大きなシナジーが発生する。ソウル大学国家未来戦略院経済安保クラスターは最近サプライチェーン支配力という概念を導入した。これはある国が特定製品を生産する割合が世界的に高いだけでなく、この製品を絶対的に必要とする貿易相手国が多いことを意味する。このクラスターの研究によると韓日独は12個の先端産業のサプライチェーン支配力で中国と米国を除き最も大きな影響力を持つ国だ。AMANは先端技術開発を通じて世界経済だけでなく望ましい国際秩序形成に寄与できる。

韓日関係の回復は経済にかかっている。両国の経済的補完性を最大化して先端製造業共同体を作り両国関係を不可逆的に発展させなければならない。地政経時代の激しい挑戦を解決していく秘訣はここから始まる。

キム・ビョンヨン/ソウル大学国家未来戦略院長



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