過去25年間で韓国の夏の「極限豪雨」の頻度が急増したことが分かった。極限豪雨は1時間当たり50ミリ以上の降水量があり、洪水と浸水を誘発する深刻な大雨のことをいう。中央日報が韓国気象庁の降水量資料を分析したところ、最近25年の極限豪雨日数が過去25年に比べて86%ほど増えた。
◇50年間で極限豪雨がほぼ倍増
中央日報が、気象庁が全国観測網を拡大した1973年以降の夏(5~9月)の降水量資料を分析した結果、最近25年間(1998~2022年)に全国66地点で極限豪雨(1時間当たり50ミリ以上)が発生した日は合計419日、年平均16.8日だった。過去25年(1973~1997年)に極限豪雨が年平均9日、合計225日発生していたことを考えると86.2%増加した。夏の極限豪雨の頻度が倍近くに増えたという意味だ。
極限豪雨の増加傾向は集中豪雨と比較するとより一層はっきりと表れる。1時間当たり30ミリ以上の集中豪雨発生日数は最近25年間では年平均39.7日で、過去25年(29.5日)よりも34.4%増えた。極限豪雨の増加率(86.2%)が倍以上高い。
◇江南(カンナム)浸水を契機に「極限豪雨」の概念が登場
極限豪雨という言葉が公式に登場したのは今年が初めてだ。ウ・ジンギュ気象庁通報官は17日、「昨夏ソウル江南で過去に経験しなかったような強さの雨が降ってから、今後このような極限豪雨がまた発生する状況に備えようと緊急災難メッセージを導入した」と説明した。昨年8月8日ソウル銅雀区(トンジャクグ)気象庁観測所で1時間に141.5ミリの雨が観測され、江南一帯が冠水した。翌月には慶尚北道浦項(ポハン)〔九龍浦(クリョンポ)〕では1時間当たり111ミリの激しい雨が降って地下駐車場が浸水して7人が亡くなった。先月気象庁は従来の大雨警報基準(3時間90ミリ)を満たし、1時間当たり50ミリ以上の極限豪雨が降れば災難メッセージを直接発信することにした。
極限豪雨が降れば歩行者が見えなくなり、車両のワイパーも効果がないほど視野の確保が難しくなる。また、短時間に激しい雨を伴うため冠水や洪水、土砂崩れなどさまざまな雨の被害を誘発する。2011年牛眠山(ウミョンサン)山崩れをはじめ、昨年ソウル江南の冠水・浦項の地下駐車場浸水事故など大きな被害が発生した豪雨災害はどれも該当地域で1時間当たり100ミリを超える極限豪雨が降った。今夏も激しい雨が長時間降った忠清北道(チュンチョンブクド)と慶尚北道(キョンサンブクド)地域を中心に人命被害が集中した。
国立気象科学院気候変動予測研究チームのピョン・ヨンファ・チーム長は「極限豪雨のような激しい雨はますます増える反面、弱い雨は反対に減る傾向を示している」とし「このように雨のパターンが両極端に向かったところ災難災害の危険度がさらに大きくなるよりほかはない」と話した。
◇「気候変動による水蒸気増加、東アジアの極限豪雨を呼ぶ」
極限豪雨の増加は何も韓国だけの問題ではない。中国や日本も今年梅雨期の極限豪雨による被害が続出している。中国北西部では洪水が発生して15人が死亡し、日本九州でも記録的な大雨によって土砂崩れなどが発生して7人が亡くなり2人が行方不明になった。海外でも極限豪雨(Extreme Rainfall)という表現が頻繁に登場している。世界気象機関(WMO)のステファン・ウーレンブルック水文・水・雪氷圏局長も「地球温暖化が進み、ますます強烈かつ頻繁で、極端な降雨現象が発生し、さらに深刻な洪水につながると予想される」と懸念した。
気象学者は韓半島(朝鮮半島)を含む東アジアに現れる極限豪雨現象の主な原因に気候変動を挙げている。気温が次第に上昇し、大気が過去よりも多くの水蒸気を含むことができるようになり、これによって雨が降るたびにさらに激しく降るようになったということだ。海水面の温度上昇も夏の水蒸気の流入をさらに強化している。
釜山(プサン)大学大気環境科学科のハ・ギョンジャ教授は「温められた海が北太平洋高気圧を強化させて高気圧の端に沿って韓半島により多くの水蒸気が流入する」とし「最近も南側の高温多湿な北太平洋高気圧と北側の冷たい高気圧の間に韓半島に向かう水蒸気の道ができて強い雨が降っている」と説明した。
◇「すでに起きた変化、現実的対応策が必要」
豪雨対策は極限豪雨の増加傾向についていけずにいる。気象庁の極限豪雨災難メッセージも今夏は首都圏地域だけに試験適用され、実際に大きな被害が出た忠清以南地域では活用されなかった。
ピョン・チーム長は「現在建設されている堤防はいくら規模が大きくても100年頻度の雨に耐えられるように設計されているため、それ以上の極限豪雨が発生すればどうしても洪水が起きてしまう」とし「長期的には気候変動を緩和するべきだが短期的にはすでに起きた変化に対応する対策が必要だ」と強調した。
◇50年間で極限豪雨がほぼ倍増
中央日報が、気象庁が全国観測網を拡大した1973年以降の夏(5~9月)の降水量資料を分析した結果、最近25年間(1998~2022年)に全国66地点で極限豪雨(1時間当たり50ミリ以上)が発生した日は合計419日、年平均16.8日だった。過去25年(1973~1997年)に極限豪雨が年平均9日、合計225日発生していたことを考えると86.2%増加した。夏の極限豪雨の頻度が倍近くに増えたという意味だ。
極限豪雨の増加傾向は集中豪雨と比較するとより一層はっきりと表れる。1時間当たり30ミリ以上の集中豪雨発生日数は最近25年間では年平均39.7日で、過去25年(29.5日)よりも34.4%増えた。極限豪雨の増加率(86.2%)が倍以上高い。
◇江南(カンナム)浸水を契機に「極限豪雨」の概念が登場
極限豪雨という言葉が公式に登場したのは今年が初めてだ。ウ・ジンギュ気象庁通報官は17日、「昨夏ソウル江南で過去に経験しなかったような強さの雨が降ってから、今後このような極限豪雨がまた発生する状況に備えようと緊急災難メッセージを導入した」と説明した。昨年8月8日ソウル銅雀区(トンジャクグ)気象庁観測所で1時間に141.5ミリの雨が観測され、江南一帯が冠水した。翌月には慶尚北道浦項(ポハン)〔九龍浦(クリョンポ)〕では1時間当たり111ミリの激しい雨が降って地下駐車場が浸水して7人が亡くなった。先月気象庁は従来の大雨警報基準(3時間90ミリ)を満たし、1時間当たり50ミリ以上の極限豪雨が降れば災難メッセージを直接発信することにした。
極限豪雨が降れば歩行者が見えなくなり、車両のワイパーも効果がないほど視野の確保が難しくなる。また、短時間に激しい雨を伴うため冠水や洪水、土砂崩れなどさまざまな雨の被害を誘発する。2011年牛眠山(ウミョンサン)山崩れをはじめ、昨年ソウル江南の冠水・浦項の地下駐車場浸水事故など大きな被害が発生した豪雨災害はどれも該当地域で1時間当たり100ミリを超える極限豪雨が降った。今夏も激しい雨が長時間降った忠清北道(チュンチョンブクド)と慶尚北道(キョンサンブクド)地域を中心に人命被害が集中した。
国立気象科学院気候変動予測研究チームのピョン・ヨンファ・チーム長は「極限豪雨のような激しい雨はますます増える反面、弱い雨は反対に減る傾向を示している」とし「このように雨のパターンが両極端に向かったところ災難災害の危険度がさらに大きくなるよりほかはない」と話した。
◇「気候変動による水蒸気増加、東アジアの極限豪雨を呼ぶ」
極限豪雨の増加は何も韓国だけの問題ではない。中国や日本も今年梅雨期の極限豪雨による被害が続出している。中国北西部では洪水が発生して15人が死亡し、日本九州でも記録的な大雨によって土砂崩れなどが発生して7人が亡くなり2人が行方不明になった。海外でも極限豪雨(Extreme Rainfall)という表現が頻繁に登場している。世界気象機関(WMO)のステファン・ウーレンブルック水文・水・雪氷圏局長も「地球温暖化が進み、ますます強烈かつ頻繁で、極端な降雨現象が発生し、さらに深刻な洪水につながると予想される」と懸念した。
気象学者は韓半島(朝鮮半島)を含む東アジアに現れる極限豪雨現象の主な原因に気候変動を挙げている。気温が次第に上昇し、大気が過去よりも多くの水蒸気を含むことができるようになり、これによって雨が降るたびにさらに激しく降るようになったということだ。海水面の温度上昇も夏の水蒸気の流入をさらに強化している。
釜山(プサン)大学大気環境科学科のハ・ギョンジャ教授は「温められた海が北太平洋高気圧を強化させて高気圧の端に沿って韓半島により多くの水蒸気が流入する」とし「最近も南側の高温多湿な北太平洋高気圧と北側の冷たい高気圧の間に韓半島に向かう水蒸気の道ができて強い雨が降っている」と説明した。
◇「すでに起きた変化、現実的対応策が必要」
豪雨対策は極限豪雨の増加傾向についていけずにいる。気象庁の極限豪雨災難メッセージも今夏は首都圏地域だけに試験適用され、実際に大きな被害が出た忠清以南地域では活用されなかった。
ピョン・チーム長は「現在建設されている堤防はいくら規模が大きくても100年頻度の雨に耐えられるように設計されているため、それ以上の極限豪雨が発生すればどうしても洪水が起きてしまう」とし「長期的には気候変動を緩和するべきだが短期的にはすでに起きた変化に対応する対策が必要だ」と強調した。
この記事を読んで…