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【社説】毎年繰り返される雨の被害惨事、後進国型の公共災難だ=韓国

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
公共機関の入社試験を受けに行く妻のきょうだいを励まそうと駅へ向かうバスに乗った30歳小学校教師、世宗(セジョン)市から梧倉邑(オチャンウプ)に出勤中だった47歳の歯医者、友人との旅行のために五松(オソン)駅へ向かっていた24歳の作業療法士。昨日、忠清北道清州市五松邑(チュンチョンブクド・チョンジュシ)の地下車道で冷たい亡骸となって見つかった、悲しみを誘う主人公たちだ。小学校教師は2カ月前に結婚したばかりの新郎だった。歯医者は老いた母に2日に一度は電話をかけて気遣う孝行息子であり双子を含む3児の父親だ。一人娘である作業療法士は手足の不自由な高齢者の患者に笑顔で対応する誠実な若者だった。

私たちの優しい隣人たちを一瞬にしてあの世に連れ去ったのは、一瞬のうちに増えた地下車道の水だった。水は近くの美湖江(ミホガン、昨年美湖川から美湖江に名称変更)からあふれてきたものだった。堤防がしっかりと築かれていなら川の水がここまで入ってこなかったはずだった。川の水が氾濫するほどあふれることはなかった。行政中心複合都市建設庁は既存の美湖川橋の近く追加で橋をかける工事を行っていたが、その過程で堤防の一部を崩した。橋脚設置工事のためだった。最近梅雨期が近づくと施工主は急ごしらえで土を盛って堤防を作り、一昨日未明の集中豪雨で美湖江の水位が上昇するとフォーククレーンで土を追加して堤防を高くする作業を始めた。結局ここが決壊した。水が五松地下車道を満たすのに3分もかからなかった。その中に車両15台が閉じ込められ、昨日夕方までに9人の死亡が確認された。犠牲者が追加で出てくる可能性がある。

清州市(チョンジュシ)や管轄区庁〔興徳(フンドク)区庁〕が地下車道の通行を制限していたならこのような不幸を防ぐことができたかもしれない。この日未明、同地域には大雨警報が発令された。錦江(クムガン)洪水統制管制所は地下車道浸水2時間前に清州市や興徳区庁などに交通統制と住民避難を勧告していたことが明らかになった。連絡を受けた区庁職員は担当課に伝達したと、市庁側は道庁所管業務と考えたとそれぞれ主張した。真相調査が必要だ。豪雨で河川が危険水位に急速に上昇する状況で、地下車道に何の措置も取らなかったことに対しては弁解の余地がない。そのうえ梅雨と台風が頻繁に訪れる夏に堤防の対策が不十分だった。管轄自治団体がこれを知らないことも問題で、知っていて放置したとすればさらに大きな問題だ。


もちろん雨が多く降った。それでも防ぐことのできない天災地変ではなかった。過欲が呼んだ民間領域での人災でもなかった。五松地下車道惨事は官が主導した工事での安全無視、地方自治体の安易さ、政府の災難管理監督不良が作った公共災難だ。ここ数日間の集中豪雨で40人近くが亡くなり9人が行方不明になった。慶尚北道の土砂崩れで多くの人命被害が出た。醴泉(イェチョン)の被害地域は地方自治体の事前点検対象から除外されていた。各地域の土砂崩れの予防点検が形式的な例年行事だったという疑いを持たざるをえない。

気候変動の影響のためなのか記録的集中豪雨が毎年繰り返されている。被害様相も似ている。知っていても被害を受ける後進国型災害だ。慣行的対応から離れた科学的で体系的な大雨対策の刷新が必要だ。いつもしているつぎはぎだらけのいい加減な対応に終始すれば、善良な市民が水騒動の中で虚しく犠牲になる夏の悲劇を止めることはできない。



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