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「放射能の非理性的恐怖、中世魔女狩りと似ている」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

米国マサチューセッツ工科大学(MIT)原子力工学首席研究員のチャールズ・W・フォスバーグ(Charles W.Forsberg)博士が2010年12月22日、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」で「核燃料サイクルの未来」に関して説明している。[写真 CSIS ホームページ キャプチャー]

「公衆衛生の観点から見る時、海への放流は問題ありません(releasing the water is a non-problem)」

米国マサチューセッツ工科大学(MIT)原子力工学首席研究員であるチャールズ・W・フォスバーグ(Charles W.Forsberg)博士は10日(現地時間)、日本政府が計画している福島第一原発汚染水海洋放流に関連した中央日報の書面インタビューで「(海に流入する放射性物質の)数値が極めて低い」と話した。

フォスバーグ博士は「岩石から浸出された自然状態の放射性カリウムとウランが川に沿って海に流れ込む。海中にはすでに自然的にできた放射性カリウムとウラン、そしてトリチウム(三重水素)が相当量含まれている」と話した。原発汚染水を太平洋に放流しても汚染水に含まれたトリチウムなど放射性物質が及ぼす影響は小さいという説明だ。


ミネソタ大学で化学工学を専攻し、その後MITで原子力工学で修・博士学位を取得したフォスバーグ博士はMITで核燃料サイクルの研究を総括指揮した。現在はフッ化物塩冷却高温原子炉プロジェクトの責任研究員として活動している。米国原子力学会(American Nuclear Society・ANS)と米国科学振興協会のフェローであるフォスバーグ博士は、2014年に原子力エネルギーの発展に貢献した功労によりANSからシーボーグ賞(Seaborg Medal)を受賞するなど米国で有数の原発専門家の一人だ。

フォスバーグ博士はインタビューで「日本の汚染水放流計画は国際安全基準に合致する」という国際原子力機関(IAEA)総合報告書を不信に思う韓国内の雰囲気に対して「放射能に対する恐怖が最も危険だ」と話した。放射能そのものよりも放射能に対する恐怖がリスク要因になりえるということだ。同氏は「これまでの経験によると、原発事故や運営による最も大きな危険は人々が恐怖のために危険な行動を取ること」としながら「人々のデモがトリチウムに対する恐怖のためなら、非理性的な恐怖をどのように解消することができるかが問題」と話した。

◇「放射能恐怖も1世紀過ぎれば変わる」

フォスバーグ博士は「西洋人が韓国の反日デモに対する記事を読む時、明確に理解できない場合が多いが、両国の間には非常に悪い歴史がある」とし「1700年代米国でも関係ない人を魔女に仕立て上げて生きたまま火あぶりにしたことがある。新しいことではない」と話した。

あわせて放射能に対する大衆の恐れも時間が過ぎれば考えが変わるだろうと見通した。同氏は「1世紀が過ぎれば、今日魔女への恐怖に対するように、人々が放射線への恐怖に対するようになる」と話した。中世魔女狩りを現代人が非科学的な思考に基づいた不合理な現象だと受け取るように、100年経過すれば放射線に対する今の恐れも行き過ぎると感じることになるだろうということだ。

フォスバーグ博士は「太陽エネルギーは核融合反応によってエネルギーを得ている」とし「核融合原子炉は核分裂原子炉よりトリチウムを1万倍さらに多く生成するが、トリチウムを本当に恐れるなら核融合反応に基づいた太陽エネルギーなどすべての核融合研究を中断しろというデモが起きるはずでは」ともした。

フォスバーグ博士は最近3年間で大流行した新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)事例を挙げて「公衆衛生上、実際の危険と大衆のデモおよび行動の間には関連性がない場合が多い」と説明した。同氏は「カナダで新型コロナによる死亡率は米国の3分の1水準だが、主な理由の一つは空気フィルターを大規模に設置してウイルスの空気伝播を防いだため」としながら「寒い気候のカナダでは公衆衛生当局が数十年の間室内空気を通した病気伝播を懸念してきたので可能だった」と分析した。

反面、米国では公共交通機関と建物所有主の費用発生などを理由に空気フィルターが適所に設置されなかった。フォスバーグ博士は「実際の危険性は非常に高いが大衆の要求は少なく、政府対応が効果的でなかった反対事例」と話した。空気フィルターの未設置がウイルス感染危険を致命的に高めるが、本来これに対する大衆の要求は低く、政府も積極的に努力をしなかったので結局米国の新型コロナ死亡率を高めたということだ。人々がデモを通じて積極的に表出する「放射能恐怖」とは正反対のケースという説明だ。

◇「IAEA報告書を信頼? これは政治学者にすべき質問」

フォスバーグ博士は「IAEA総合報告書内容をどれくらい信頼することができるか」と聞かれると「これは政治学者のほうが適切かもしれない質問」と答えた。汚染水放流の環境影響を分析する国際機構の評価は「科学」の領域でしかなく、信頼性が問題になるのは「政治」の領域でのことだという意味だ。

2019年から昨年まで米国原子力学会取締役として活動したフォスバーグ博士は、原子力関連論文を300本以上発表し、12件の技術特許を保有している。



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