スウェーデンが200年以上維持した中立国の伝統を捨て北大西洋条約機構(NATO)の32番目の加盟国として合流する見通しだ。1年2カ月にわたり反対していたトルコのエルドアン大統領が10日、スウェーデンのNATO加盟を支持することに電撃合意した。ウクライナ戦争後に国連安全保障理事会がロシアと中国の反対で本来の役割をできない中でNATOの影響力が大きくなるとの分析が出ている。
NATOのストルテンベルグ事務局長はこの日、リトアニアの首都ビリニュスでエルドアン大統領とスウェーデンのクリステルソン首相との会談を仲介した後に会見し、「エルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟批准案を議会に伝達し批准されるよう保障することで合意した」と明らかにした。
◇海軍力強いスウェーデン、NATOに実質的な助けに
スウェーデンは1803~1815年のナポレオン戦争から200年にわたり守ってきた中立国の地位と軍事非同盟主義の伝統を破り昨年5月にフィンランドとともにNATO加盟を申請した。だが4月に加盟したフィンランドと違いスウェーデンはトルコとハンガリーの反対で加盟できていない。この日トルコが支持に転じ、ハンガリーも同意手続きを踏むことを示唆して障害が除去された。NATO加盟国になるためには加盟国の満場一致の同意が必要だ。
フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は昨年2月に勃発したウクライナ戦争が触発した。ロシアのプーチン大統領はNATOの影響力が大きくなることを懸念し、国際規範を無視してウクライナに侵攻した。これに対しフィンランドとスウェーデンが安保不安を感じ、NATOという集団安保体制加盟を通じてロシアの脅威に対抗することにした。
スウェーデンがNATOに合流すれば欧州の安保地形が急変するものとみられる。ウォール・ストリート・ジャーナルによるとスウェーデンがNATOに加盟すればNATOは追加で1600キロメートル以上のバルト海の海岸線を抱えることになる。ロシアとしては自国領土に近いバルト海隣接国全体がNATO加盟国になる。
米シンクタンク、アトランティックカウンシルのイアン・ブレジンスキー上級研究員は「スウェーデンが合流すればバルト海は『NATOの湖』になる」と話した。また、海軍力が強く戦闘機も独自に生産して輸出するスウェーデンの合流はNATOに実質的な軍事的能力強化になる。
国際社会で世界最大の軍事同盟であるNATOの影響力がさらに大きくなるという見通しも出ている。昨年2月のウクライナ戦争勃発後、常任理事国であるロシアと中国の反対で無気力な姿を見せた国連安保理に代わりNATOの存在感が大きくなりそうだ。ここにスウェーデンとフィンランドが中立国として長期にわたりロシアと過ごしながら取得した情報もNATOの資産だと同紙は評価した。しかし一部では「緩衝地帯」が減り、西側対反西側の対決がさらに激しくなる新冷戦体制が繰り広げられるのではないかという懸念も出ている。
スウェーデンのNATO加盟をめぐるエルドアン大統領の駆け引きが改めて注目されている。エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟の道を開き国際舞台での影響力を誇示しながら実利を得た。この日の会談でスウェーデンはEU加盟国としてトルコのEU加盟を支援し、EUとトルコの関税同盟改編、ビザ免除措置などを支援することで合意した。何よりトルコは宿願だった200億ドル規模のF16戦闘機の近代化と追加購入という所得を米国から得るものとみられる。バイデン米大統領はこの日「(エルドアン大統領の)決定を歓迎する」と話した。
ロシアのウクライナ侵攻が500日を過ぎた中で11~12日のNATO首脳会議でウクライナのNATO加盟の約束がどの程度の水準で合意するかも注目される。ストルテンベルグ事務局長は11日、「同盟国はウクライナのNATO加盟に向けた道と関連し明確で肯定的なメッセージを伝えるとみている」と話した。
彼は12日にウクライナのゼレンスキー大統領が参加する初めてのNATO・ウクライナ評議会でウクライナのNATO加盟に向け加盟行動計画(MAP)の適用除外を決議する計画だと明らかにした。MAPはNATO加盟を希望する国に対し政治・経済・軍事的目標値を提示し、該当国がこれをクリアしたかを評価する手続きで、ロシアのウクライナ侵攻後迅速な加盟に向けフィンランドとスウェーデンに対して適用を除外した。
◇バイデン大統領「エルドアン大統領の決定歓迎」
米国は今回のNATO首脳会談でウクライナのNATO加盟に対しては肯定的なシグナルを送る予定だが、加盟スケジュールは提示できないとサリバン大統領補佐官が明らかにした。ゼレンスキー大統領は「NATO加盟スケジュールを提示しないのは前例がなく笑わせること。NATO首脳会談で公開的に取り上げるだろう」と話した。
ロシアはNATO首脳会議に強く反発した。アントノフ駐米ロシア大使は10日、記者らに「ロシアとNATO加盟国間の対立状況が最も望ましくない結果側に後退し続けている」と非難した。
NATOのストルテンベルグ事務局長はこの日、リトアニアの首都ビリニュスでエルドアン大統領とスウェーデンのクリステルソン首相との会談を仲介した後に会見し、「エルドアン大統領がスウェーデンのNATO加盟批准案を議会に伝達し批准されるよう保障することで合意した」と明らかにした。
◇海軍力強いスウェーデン、NATOに実質的な助けに
スウェーデンは1803~1815年のナポレオン戦争から200年にわたり守ってきた中立国の地位と軍事非同盟主義の伝統を破り昨年5月にフィンランドとともにNATO加盟を申請した。だが4月に加盟したフィンランドと違いスウェーデンはトルコとハンガリーの反対で加盟できていない。この日トルコが支持に転じ、ハンガリーも同意手続きを踏むことを示唆して障害が除去された。NATO加盟国になるためには加盟国の満場一致の同意が必要だ。
フィンランドとスウェーデンのNATO加盟は昨年2月に勃発したウクライナ戦争が触発した。ロシアのプーチン大統領はNATOの影響力が大きくなることを懸念し、国際規範を無視してウクライナに侵攻した。これに対しフィンランドとスウェーデンが安保不安を感じ、NATOという集団安保体制加盟を通じてロシアの脅威に対抗することにした。
スウェーデンがNATOに合流すれば欧州の安保地形が急変するものとみられる。ウォール・ストリート・ジャーナルによるとスウェーデンがNATOに加盟すればNATOは追加で1600キロメートル以上のバルト海の海岸線を抱えることになる。ロシアとしては自国領土に近いバルト海隣接国全体がNATO加盟国になる。
米シンクタンク、アトランティックカウンシルのイアン・ブレジンスキー上級研究員は「スウェーデンが合流すればバルト海は『NATOの湖』になる」と話した。また、海軍力が強く戦闘機も独自に生産して輸出するスウェーデンの合流はNATOに実質的な軍事的能力強化になる。
国際社会で世界最大の軍事同盟であるNATOの影響力がさらに大きくなるという見通しも出ている。昨年2月のウクライナ戦争勃発後、常任理事国であるロシアと中国の反対で無気力な姿を見せた国連安保理に代わりNATOの存在感が大きくなりそうだ。ここにスウェーデンとフィンランドが中立国として長期にわたりロシアと過ごしながら取得した情報もNATOの資産だと同紙は評価した。しかし一部では「緩衝地帯」が減り、西側対反西側の対決がさらに激しくなる新冷戦体制が繰り広げられるのではないかという懸念も出ている。
スウェーデンのNATO加盟をめぐるエルドアン大統領の駆け引きが改めて注目されている。エルドアン大統領はスウェーデンのNATO加盟の道を開き国際舞台での影響力を誇示しながら実利を得た。この日の会談でスウェーデンはEU加盟国としてトルコのEU加盟を支援し、EUとトルコの関税同盟改編、ビザ免除措置などを支援することで合意した。何よりトルコは宿願だった200億ドル規模のF16戦闘機の近代化と追加購入という所得を米国から得るものとみられる。バイデン米大統領はこの日「(エルドアン大統領の)決定を歓迎する」と話した。
ロシアのウクライナ侵攻が500日を過ぎた中で11~12日のNATO首脳会議でウクライナのNATO加盟の約束がどの程度の水準で合意するかも注目される。ストルテンベルグ事務局長は11日、「同盟国はウクライナのNATO加盟に向けた道と関連し明確で肯定的なメッセージを伝えるとみている」と話した。
彼は12日にウクライナのゼレンスキー大統領が参加する初めてのNATO・ウクライナ評議会でウクライナのNATO加盟に向け加盟行動計画(MAP)の適用除外を決議する計画だと明らかにした。MAPはNATO加盟を希望する国に対し政治・経済・軍事的目標値を提示し、該当国がこれをクリアしたかを評価する手続きで、ロシアのウクライナ侵攻後迅速な加盟に向けフィンランドとスウェーデンに対して適用を除外した。
◇バイデン大統領「エルドアン大統領の決定歓迎」
米国は今回のNATO首脳会談でウクライナのNATO加盟に対しては肯定的なシグナルを送る予定だが、加盟スケジュールは提示できないとサリバン大統領補佐官が明らかにした。ゼレンスキー大統領は「NATO加盟スケジュールを提示しないのは前例がなく笑わせること。NATO首脳会談で公開的に取り上げるだろう」と話した。
ロシアはNATO首脳会議に強く反発した。アントノフ駐米ロシア大使は10日、記者らに「ロシアとNATO加盟国間の対立状況が最も望ましくない結果側に後退し続けている」と非難した。
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