国際原子力機関（ＩＡＥＡ）が「日本政府の（汚染水）放出計画はＩＡＥＡの安全基準に合致する」という最終報告書を発表したことに対し、環境団体が「偏狭で制限された検証結果」と反発した。

日本放射性汚染水海洋投棄阻止共同行動は５日午前、ソウル鍾路区光化門（クァンファムン）広場で記者会見を開き、「（ＩＡＥＡは）放射性物質の生物学的濃縮に関する問題もまともに評価せず、東京電力の資料に基づいて国境を越える影響がないと、いい加減な結論ばかりを出している」とし「ＩＡＥＡはこれまでの陸上保管、固体化などの代案を全く考慮しなかったのは偏狭であり、認めることはできない」と明らかにした。そして「汚染水海洋投棄の免罪符を与えただけのＩＡＥＡ報告書は直ちに廃棄されなければいけない」と主張した。

国際環境団体のグリーンピースも「東京電力の福島汚染水放出決定は隣接国に中長期的な費用被害だけを与え、いかなる便益も与えない」とし「ＩＡＥＡは汚染水放出決定に関係するすべてのことを評価する過程で、自らの指針で勧告される汚染水放出の超国境的影響を全く考慮しなかった」と指摘した。


◆ＰＩＦ科学者「コンクリート作ろう」提案…日本政府は拒否

環境団体はＩＡＥＡが放射性物質の影響を最小化するための科学的な代案を十分に検討せず、性急に海洋放出が安全だという結論を出した批判した。日本側が費用を抑えるために一方的に決定した海洋放出方式に対してＩＡＥＡが免罪符を与えたという主張だ。

環境団体が言及した代案の一つは汚染水を海に放出する代わりにコンクリートの製作に使用するものだ。日本外務省によると、ＰＩＦ（太平洋諸島フォーラム）科学者諮問団は先月１日、日本政府側との会議で、処理された汚染水でコンクリートを作って人との接触が少ない構造物を作るのに使用することを提案した。しかし日本側は「技術的、法律的な側面で難しい」として拒否した。コンクリートを配合する際に発生する熱でトリチウムが蒸発し、汚染水が含まれたコンクリートは国内法上放射性廃棄物に分類されるという理由でだ。

グリーンピースのキャンペイナー、チャン・マリ氏は「処理してトリチウムだけが残った水をコンクリートを作る時に混ぜれば（トリチウム）ベータ線が抜けない」とし「このように海洋放出より放射線被ばくが少ない方法があるにもかかわらず全く考慮、検証されなかった」と述べた。

◆「固体化は安全基準もない…想像力の話」

原発専門家らはコンクリートのような固体化方式は全く検証されていない技術だとし、現実性が落ちると指摘した。日本政府も当初、汚染水を処理するために▼海洋放出▼蒸気放出▼水素放出▼地下埋設のための固体化▼地層注入の５つを考慮したが、結局、海洋放出を選択した。

慶煕大原子力工学科のチョン・ボムジン教授は「（汚染水を）固体化させて埋める方法の場合、安全基準自体がないため、ＩＡＥＡも初期段階で放棄したアイデア」とし「コンクリート固体化の主張は想像力での話にすぎない」と述べた。