先月21日、共に民主党の李在明(イ・ジェミョン)代表をはじめとする議員たちが政策議員総会で福島汚染水の放流を糾弾するピケットを持ってスローガンを叫ぶ姿。キム・ヒョンドン記者
IAEAは2021年7月、韓国原子力安全技術院のキム・ホンソク責任研究員など11カ国の原子力・放射能専門家が集まった「モニタリングタスクフォース(TF)」を構成し、汚染水放流の手続きと安全性を検証してきた。
韓国政府はこれまでIAEAの最終報告書にどのような内容が盛り込まれても、その結論を尊重するという点を強調してきた。IAEAは原子力と放射能分野で世界的権威を備えた機関であるうえに、安全性検証の手続きに韓国専門家が含まれているため、結果の信頼性を疑うことは難しいというのが政府の立場だ。IAEAは、日本が設計した福島汚染水の放流計画の安全性を確認する公式検討機関だ。
外交部のイム・スソク報道官はこの日の定例ブリーフィングで「IAEAは原子力の安全分野で最高権威を持つ国連専門国際機関」とし「原子力分野の安全性に関連した主な懸案において専門性のある点検と支援任務を非常に誠実に遂行してきた」と述べた。
ただ、汚染水の放流は韓国国民の健康に直結する問題であるため、政府はIAEAの最終報告書とは別にさらなる検証装置を設ける予定だ。
政府はまず、同日公開されたIAEAの最終報告書自体を再点検する追加手続きを進めることにした。この日に公開されたIAEAの最終報告書には「汚染水の海洋放出が人体と環境に及ぼす放射線影響は無視できる微々たる水準」という内容が盛り込まれたが、このような結論が科学的分析と客観的資料に基づいたのかどうかを再度確認するための措置だ。
韓国の国務調整室の朴購然(パク・グヨン)第1次長は同日のブリーフィングで、「(最終報告書で)IAEAが引用した数値に誤りがあれば、それを一度政府側でもチェックする必要性はあるだろう」と述べた。
政府は7~9日に予定されたグロッシ事務局長の訪韓日程も報告書の具体的な内容を再点検する契機になると見ている。グロッシ事務局長は韓国を訪問し、朴振(パク・ジン)外交部長官や劉国熙(ユ・グクヒ)原子力安全委員長らと面談し、最終報告書の具体的な内容について説明する。この過程でIAEAの報告書に誤りが発見され、是正措置が必要な場合、直ちに日本側に補完を求める予定だ。
一方、IAEAの最終報告書の公表を控え、松野博一官房長官は「韓国の(福島産)水産物輸入規制の撤廃が重要な課題だ」と述べたが、朴次長は「すべての国民が安心できるまでそれに数年がかかっても輸入禁止措置は維持する計画だ」とし、輸入禁止を解除する計画はないことを明確にした。
IAEA「日本の汚染水、安全基準に合致」…韓国政府「報告書を再検証する」(2)
この記事を読んで…