韓悳洙（ハン・ドクス）首相が２３日、韓国与党・国民の力の成一鍾（ソン・イルジョン）議員ら「わが海を守る検証ＴＦ」所属の与党議員らと鷺梁津（ノリャンジン）水産市場を訪問した。当初、韓首相と議員らは汝矣島（ヨイド）の日本料理店で食事をすることにしていたが、約束の前日に韓首相の要請で場所が鷺梁津に変更されたという。首相室の関係者は２６日、「相次ぐ福島汚染水怪談で漁民が苦痛を受けているというニュースを見て、首相が与党に要請して用意された席」と説明した。韓首相は水産市場で代表者らと会い、「怪談の被害を防ぐ。わが社会はすでにＢＳＥ（牛海綿状脳症）怪談、ＴＨＡＡＤ（高硬度防衛ミサイル）怪談で大きな費用を払った」と述べた。

政府が野党の「福島汚染水」批判に強硬姿勢で対応している。韓国首相が先鋒に立ち、各部処の長官・次官が援護射撃をする様相だ。今月１２日、韓首相が対政府質問で「安全が検証されれば汚染水を飲めるのか」という野党議員の質問に対し「安全基準を満たせば飲める」と答弁したのが発端だ。

その後、曺圭鴻（チョ・ギュホン）福祉部長官と池栄美（チ・ヨンミ）疾病管理庁長も２２日、国会で汚染水を飲むことに前向きに答えた。曺長官は「首相が述べたのは世界保健機関（ＷＨＯ）の飲用基準を満たす場合、差別的に待遇する必要はないという意味」とも話した。池庁長も「首相、長官の考えと変わらない」と話した。


汚染水関連の日次ブリーフィングを担当している朴購然（パク・グヨン）国務調整室第１次長は２０日、「政府が日本を代弁するというような歪曲は、国民のために最善を尽くす関係公務員に対する侮辱的な発言」とし、野党に反論した。首相室の関係者は「野党は政府を龍山（ヨンサン）総督府と批判している」とし「こうした言葉がまさに怪談というのが政府の見解」と述べた。

政府の強硬対応基調には、過去の野党のＢＳＥ（牛海綿状脳症）とＴＨＡＡＤ怪談に低姿勢で対応したことでむしろ事態が深刻になったという経験が影響を及ぼしたという。大統領室の関係者は「ＢＳＥやＴＨＡＡＤでも怪談が広がり、多くの国民が不安を感じたが、事実でなかった」とし「科学的に見ると、福島汚染水の怪談も当時と違わない」と話した。尹在玉（ユン・ジェオク）国民の力院内代表は２６日、党最高委員会議で「ＴＨＡＡＤ事態は福島汚染水問題のプレビューと変わらない」と指摘した。

大統領室と政府は福島水産物輸入禁止という原則を徹底的に守りながら、汚染水に関連して科学的に対応すべきことは積極的に反論するという趣旨だ。政府関係者は「政治的な利害関係による怪談流布の被害者は結局、国民になる」と主張した。