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ワグネルに武器支援もロシアに銃口向ける…こじれた北朝鮮の沈黙

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長

ロシアの民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏の反乱が一日で一段落したが、ワグネルとプーチン大統領を一体と見なして武器などを物心両面から支援した北朝鮮が少なからず当惑したという分析が出ている。北朝鮮は今年に入って本格的にロシアを支持しながら「反米連帯」に加勢したが、ワグネルは予測できない変数になった。

かつてプーチン大統領の「殺人兵器」と呼ばれたワグネルと北朝鮮の代表的な連結部分は、ウクライナ戦争に投入された「武器取引」状況だ。米ホワイトハウスは今年1月、北朝鮮がワグネルに昨年11月に歩兵用ロケットとミサイルを伝達する状況が入った衛星写真2枚を公開した。北朝鮮は「米国の自作劇」だとして否認したが、反論の根拠を提示できず、その後も露朝間の国境地域で列車の通行の動きが確認された。これを受け、ロシア政府と癒着関係にあるワグネルを通じた露朝間の武器取引が水面下で行われてきた可能性が提起された。

最近はワグネルの創設者で今回の反乱の主役プリゴジン氏が突然、「ロシアは北朝鮮のように暮らさなければいけない」と主張した。先月、プリゴジン氏は親露性向のブロガーのインタビューで「ロシアは数年間、北朝鮮のように暮らさなければいけない。国境を閉鎖して熱心に働かなければいけない」とし「戒厳令と動員令を発表し、働けるすべての人を投入して弾薬の生産を増やすべきだ」と主張した。外交筋は「プリゴジン氏が強硬派としてロシアの兵営国家化を主張するため、北朝鮮の事例を取り上げた」と分析した。


このように北朝鮮はワグネルと特殊関係を維持しながらロシアを支持してきた。北朝鮮労働党の金与正(キム・ヨジョン)副部長が1月の談話で「私たちはロシアの軍隊、人民と常に塹壕に立っている」と明らかにしたのが代表的な例だ。その後、北朝鮮はウクライナ戦争関連の米露間の対立事案でロシア側に付き、反米連帯で存在感の確保を図った。

朝鮮中央通信は9日、ロシアのウクライナ侵攻中に生じたカホウカダム破壊について「ロシアに人道主義災難の責任を負わせるために米国とウクライナが共謀結託したもう一つの自作劇」とし、25日にも西側の対ロシア金融制裁を批判しながら「『制裁圧力』という米国製の斧が米国の足に向かっている」と主張した。

しかし予想しなかったワグネルの反乱で北朝鮮が当惑する状況が生じた。統一研究院のホン・ミン北朝鮮研究室長は「北朝鮮が望んだシナリオは、米中競争が激化し、ロシアがウクライナ戦争で所期の目的を達成し、反米連帯が強まることだったが、現在はこれとは異なる形で米中葛藤が対外的には調整局面に入り、ロシアは戦場で劣勢になり内部の反乱まで起きた状況」と診断した。

北朝鮮が最近、国際情勢の判断に言葉を控えている姿もこれと無関係でない。北朝鮮は16-18日に開いた労働党中央委員会第8期第8回全員会議で、国際情勢に関連し「複雑かつ深刻に変化している」とだけ評価した。繰り返されてきた「新冷戦」「多極化」など表現は使用されず、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の演説報道もなかった。

北朝鮮は情勢を綿密に観察するものの「親ロシア基調」は続くとみられる。

峨山政策研究院のコ・ミョンヒョン研究委員は「北朝鮮は最初からロシアとの戦略的な連帯関係強化が目的だったため、現在の露朝癒着構図はしばらく続くだろう」と述べた。

一方、北朝鮮は25日、プリゴジンシの反乱について特に報道や立場表明をせず、自ら「祖国解放戦争」と呼んで記念する韓国戦争(朝鮮戦争)73周年を迎えて対米敵がい心を強めようとした。この日、労働党機関紙の労働新聞は「朝鮮戦争から教訓を得られず『第2の朝鮮戦争』を挑発すれば、米国の終末につながるだろう」と脅迫した。



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