1回目の発射に失敗した北朝鮮は偵察衛星をまた打ち上げるはずだ。5月31日のような警戒警報関連の混乱を繰り返してはならない。当時、韓国軍の合同参謀本部は発射後3分が経過してから警報を発令し、ソウル市の警報は12分も過ぎた時点だった。敵軍の攻撃なのか、自然災害なのか、どこにどう避難するのか、具体的な情報がなかった。核ミサイル攻撃だったなら警報も受けられず核爆発の被害をそのまま受けていたと思うとぞっとする。
北朝鮮は水素爆弾と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、米国の「核の傘」を遮断することになったと言いながら、昨年初めから韓国赤化統一を意味する「第2の使命」を強調している。核兵器を中心に作戦計画を修正し、先制核攻撃ができるよう法を改正した。大規模な核ミサイル発射訓練をし、韓国攻撃用の戦術核兵器の大量生産までも公言した。年初には模擬核弾頭爆破と水中核ドローン試験を公開しながら脅迫した。
韓米同盟を強化して核の傘を補強しても、最悪の核戦争状況まで前提にし、常に徹底的に訓練して対応する必要がある。核攻撃状況にもあらかじめ備える場合、原点(グラウンド・ゼロ)以外には被害を最大限に減らすことができる。避難所で2週間を持ちこたえる場合、放射能による被害の大部分を予防できる。このため冷戦時代に欧州は民間防衛(civil defense)概念に基づき、多様な核避難所を設置した。日本も最近、北朝鮮の核ミサイル攻撃の可能性を念頭に置いて民間防衛体制を確立した。中央政府と地方自治体が体系的な役割分担を制度化した。避難施設を補強し、避難要領を教育してきた。東京の場合、2018年1月の第1次避難訓練に続き、2022年10月の北朝鮮ミサイル本土上空飛行時には実際に警報を発令して避難した。北朝鮮の今回の偵察衛星打ち上げに対しても5分後に沖縄に避難令を発令した。
ところが休戦状態で北朝鮮の核の脅威に露出している大韓民国は、国民が不安を抱いたり北朝鮮を刺激するという理由で、またコロナ事態を挙げながら、避難訓練を省略してきた。5月16日に6年ぶりに実施した民間防空訓練も公共機関と学校に限定して行われた。国民に不安感を抱かせるのは民間防衛訓練それ自体ではない。避難訓練さえもまともに実施しない不感症、民間防衛態勢を点検・補完しない無対策が不安感を強める。
行政安全部は民間防衛主務部処として、専門家らが参加した点検団を構成して実態から正確に把握する必要がある。何よりも航空機の空襲だけに合わせた古い民間防空対応体系の見直しが急がれる。北朝鮮の挑発様相の変化に合わせて核ミサイル挑発事態を仮定した避難訓練に民間防衛の重点を全面的に転換しなければいけない。訓練体制と内容を大幅に整備するのはもちろんだ。
自治体と有機的な協力体制を構築し、国民密着型の民間防衛対応態勢を整えることが求められる。全国およそ1万7000カ所に設置された避難所を核放射線遮断可能に補強し、大型建物を新築する場合には核避難所要を反映するように誘導しなければいけない。北朝鮮の核ミサイル発射直後に警報が発令されるよう軍と政府が緊密に協力することも必要だ。放送、携帯電話メッセージ、サイレンなど自動発令体系を整備し、六何原則(5W1H)に基づいた標準伝播内容を作成しておき、一部だけ修正した後に迅速に伝えなければいけない。
国民一人一人も核爆発状況で自身と家族をどう守るのか備えるのが基本だ。7倍数の時間が過ぎれば放射線の強度が10分の1ずつ減るという法則程度は知っておくのがよい。コンクリート30センチ、レンガ40センチ、土壁90センチなら放射線遮断が可能という点を知っておけば役に立つ。有事の際、個人または家族が避難する場所を把握し、携帯品目録も考えておくべきだろう。政府も国民の行動要領をパンフレット形態で制作して配布するのがよい。こうした諸般対応は周期的な民間防衛訓練を通じて点検し、補完するのはもちろんだ。法に規定された年間8回の訓練をまともにすることが重要だ。核の挑発を前提とした民間防衛訓練教育施設を設けて、誰もが体験する機会を提供すればよい。休戦状態である韓国が日本よりも民間防衛水準が低いのは非正常だ。「備えあれば憂いなし」に答えがある。
朴徽洛(パク・フィラク)/国民大特任教授
◇外部執筆者のコラムは中央日報の編集方針と異なる場合があります。
北朝鮮は水素爆弾と大陸間弾道ミサイル(ICBM)を開発し、米国の「核の傘」を遮断することになったと言いながら、昨年初めから韓国赤化統一を意味する「第2の使命」を強調している。核兵器を中心に作戦計画を修正し、先制核攻撃ができるよう法を改正した。大規模な核ミサイル発射訓練をし、韓国攻撃用の戦術核兵器の大量生産までも公言した。年初には模擬核弾頭爆破と水中核ドローン試験を公開しながら脅迫した。
韓米同盟を強化して核の傘を補強しても、最悪の核戦争状況まで前提にし、常に徹底的に訓練して対応する必要がある。核攻撃状況にもあらかじめ備える場合、原点(グラウンド・ゼロ)以外には被害を最大限に減らすことができる。避難所で2週間を持ちこたえる場合、放射能による被害の大部分を予防できる。このため冷戦時代に欧州は民間防衛(civil defense)概念に基づき、多様な核避難所を設置した。日本も最近、北朝鮮の核ミサイル攻撃の可能性を念頭に置いて民間防衛体制を確立した。中央政府と地方自治体が体系的な役割分担を制度化した。避難施設を補強し、避難要領を教育してきた。東京の場合、2018年1月の第1次避難訓練に続き、2022年10月の北朝鮮ミサイル本土上空飛行時には実際に警報を発令して避難した。北朝鮮の今回の偵察衛星打ち上げに対しても5分後に沖縄に避難令を発令した。
ところが休戦状態で北朝鮮の核の脅威に露出している大韓民国は、国民が不安を抱いたり北朝鮮を刺激するという理由で、またコロナ事態を挙げながら、避難訓練を省略してきた。5月16日に6年ぶりに実施した民間防空訓練も公共機関と学校に限定して行われた。国民に不安感を抱かせるのは民間防衛訓練それ自体ではない。避難訓練さえもまともに実施しない不感症、民間防衛態勢を点検・補完しない無対策が不安感を強める。
行政安全部は民間防衛主務部処として、専門家らが参加した点検団を構成して実態から正確に把握する必要がある。何よりも航空機の空襲だけに合わせた古い民間防空対応体系の見直しが急がれる。北朝鮮の挑発様相の変化に合わせて核ミサイル挑発事態を仮定した避難訓練に民間防衛の重点を全面的に転換しなければいけない。訓練体制と内容を大幅に整備するのはもちろんだ。
自治体と有機的な協力体制を構築し、国民密着型の民間防衛対応態勢を整えることが求められる。全国およそ1万7000カ所に設置された避難所を核放射線遮断可能に補強し、大型建物を新築する場合には核避難所要を反映するように誘導しなければいけない。北朝鮮の核ミサイル発射直後に警報が発令されるよう軍と政府が緊密に協力することも必要だ。放送、携帯電話メッセージ、サイレンなど自動発令体系を整備し、六何原則(5W1H)に基づいた標準伝播内容を作成しておき、一部だけ修正した後に迅速に伝えなければいけない。
国民一人一人も核爆発状況で自身と家族をどう守るのか備えるのが基本だ。7倍数の時間が過ぎれば放射線の強度が10分の1ずつ減るという法則程度は知っておくのがよい。コンクリート30センチ、レンガ40センチ、土壁90センチなら放射線遮断が可能という点を知っておけば役に立つ。有事の際、個人または家族が避難する場所を把握し、携帯品目録も考えておくべきだろう。政府も国民の行動要領をパンフレット形態で制作して配布するのがよい。こうした諸般対応は周期的な民間防衛訓練を通じて点検し、補完するのはもちろんだ。法に規定された年間8回の訓練をまともにすることが重要だ。核の挑発を前提とした民間防衛訓練教育施設を設けて、誰もが体験する機会を提供すればよい。休戦状態である韓国が日本よりも民間防衛水準が低いのは非正常だ。「備えあれば憂いなし」に答えがある。
朴徽洛(パク・フィラク)/国民大特任教授
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