ウクライナ戦争後に西側とロシアがそれぞれ凍結した資産をめぐり場外戦が加熱している。米国と欧州は凍結したロシアの資金をウクライナ再建に使うとして最近になり関連議論と立法を急いでおり、ロシアは安値で西側企業の資産を国有化する措置で対抗する姿だ。ウクライナ戦争長期化により関連国の財政難が深まり出てきた苦肉の策という見方も出ている。
日本経済新聞などによると、最近欧州連合(EU)内では対ロシア制裁で凍結した資金で得た利子収益などをウクライナ再建事業に使う案が検討されている。これに先立ち15日の米国議会では凍結したロシアの資金をウクライナに譲渡する案が出てきた。
現在、米国とEU、日本など西側陣営が凍結したロシア中央銀行の外国為替は3000億ドル(約42兆5559億円)に達する。このほかオリガルヒと呼ばれるロシアの新興財閥の資産580億ドルも西側金融機関に足止めされている。
世界銀行とウクライナ政府が3月に試算したウクライナ国内のインフラなどの再建と復旧費用は4110億ドルに迫る。ウクライナとロシアが攻防戦を持続しており、こうした再建費用はさらに増えると予想される。実際に今月初めにウクライナ南部ヘルソン州のカホフカダムが崩壊するなど状況は悪化の一途だ。
ウクライナに対する武器提供など各種支援を継続してきたEU主要国の立場としては財源調達が負担になるほかない状況ということだ。こうした中、ロシアに軍撤収を圧迫し同時にこうした財政難を解決するためのカードとしてロシアの凍結資金活用案が浮上した。
日経によると、ロシア中央銀行の資産1800億ユーロ(約28兆円)を保管する世界最大の国際預託決済機関であるユーロクリア(ベルギー)が1-3月期に凍結資金を再投資して稼いだ収益だけで7億3400万ユーロ水準だ。これに先立ちベルギー政府は先月こうした利子で発生した追加税収9200万ユーロをウクライナ支援に使うことに決めた。
◇オリガルヒの財産も没収
米国ではより強い措置が検討されている。米上院の与野党議員は15日、米国当局が凍結したロシア中央銀行などの資産をウクライナに譲渡する法案を提出した。法案によると、バイデン米大統領がこうした資産を没収してウクライナに譲渡する権限を持つ。
戦争犯罪などにかかわった一部オリガルヒの財産も没収対象に上がった。一例としてロシアのメディア財閥であるコンスタンチン・マロフェーエフ氏は2014年にロシアがクリミアを併合する際に現地の親ロシア反乱軍に資金を出したことが明らかになり540万ドルの財産が凍結されている。
カナダ政府もイングランドのサッカープレミアリーグのチェルシーFCの元球団オーナーでありロシア財閥であるロマン・アブラモビッチ氏所有の会社資産2600万ドルに対し没収手続きを進めている。カナダは昨年関連法を制定するなどウクライナ再建事業にこうした凍結資産を使う根拠をすでに用意している状態だ。
だがこうした方式は国際法違反の恐れが大きく議論が予想される。ある国が行政執行で他国の資産を強制没収するのは国際法上の「主権免除」の原則に反するためだ。これはEUが凍結資金に手を付けず利子収益だけ活用する迂回案を議論している理由でもある。
これと関連し、国際法学者であるオックスフォード大学のツァナコプロス教授は「一国の資産を凍結するのは一時的で可逆的なもの。(国際法上)損害を及ぼしたことに対して凍結はできても没収してはならない」と話した。
◇プーチン、資産接収法案に署名
ロシアも真っ向から対抗している。フィナンシャル・タイムズによるとロシアのプーチン大統領は今月初めに西側企業のロシア国内残留資産を接収する法案に署名した。
まだ公開されていない今回の法案には、ロシア政府が西側企業の資産を極めて安価で接収して売却する権限を持つ内容が含まれた。事実上の国有化を意味するものだ。
また、これを買い取る業者から外国人投資家を完全に排除するなど西側企業の出口をふさぐ方向で法案はまとめられた。ロシア当局は売却過程で稼いだ莫大な収益を国庫に還収して戦争資金などに使うという計画だ。今年に入りロシアの財政赤字が420億ドルに増えた状況で、財政を拡充し西側の制裁に対抗できる一石二鳥の方策ということだ。
これに先立ちロシアは4月にドイツのガス会社であるユニパーとフィンランドの国営電力会社フォータムなど西側エネルギー企業のロシア国内合弁法人の株式を国有化した。これと関連しある西側企業役員はフィナンシャル・タイムズとのインタビューで「西側の原材料企業が主要ターゲットになるものとみられる。(関連ノウハウが必要な)IT企業の場合はロシアが直接運営しにくいため相対的に影響は少ないだろう」と予想した。
日本経済新聞などによると、最近欧州連合(EU)内では対ロシア制裁で凍結した資金で得た利子収益などをウクライナ再建事業に使う案が検討されている。これに先立ち15日の米国議会では凍結したロシアの資金をウクライナに譲渡する案が出てきた。
現在、米国とEU、日本など西側陣営が凍結したロシア中央銀行の外国為替は3000億ドル(約42兆5559億円)に達する。このほかオリガルヒと呼ばれるロシアの新興財閥の資産580億ドルも西側金融機関に足止めされている。
世界銀行とウクライナ政府が3月に試算したウクライナ国内のインフラなどの再建と復旧費用は4110億ドルに迫る。ウクライナとロシアが攻防戦を持続しており、こうした再建費用はさらに増えると予想される。実際に今月初めにウクライナ南部ヘルソン州のカホフカダムが崩壊するなど状況は悪化の一途だ。
ウクライナに対する武器提供など各種支援を継続してきたEU主要国の立場としては財源調達が負担になるほかない状況ということだ。こうした中、ロシアに軍撤収を圧迫し同時にこうした財政難を解決するためのカードとしてロシアの凍結資金活用案が浮上した。
日経によると、ロシア中央銀行の資産1800億ユーロ(約28兆円)を保管する世界最大の国際預託決済機関であるユーロクリア(ベルギー)が1-3月期に凍結資金を再投資して稼いだ収益だけで7億3400万ユーロ水準だ。これに先立ちベルギー政府は先月こうした利子で発生した追加税収9200万ユーロをウクライナ支援に使うことに決めた。
◇オリガルヒの財産も没収
米国ではより強い措置が検討されている。米上院の与野党議員は15日、米国当局が凍結したロシア中央銀行などの資産をウクライナに譲渡する法案を提出した。法案によると、バイデン米大統領がこうした資産を没収してウクライナに譲渡する権限を持つ。
戦争犯罪などにかかわった一部オリガルヒの財産も没収対象に上がった。一例としてロシアのメディア財閥であるコンスタンチン・マロフェーエフ氏は2014年にロシアがクリミアを併合する際に現地の親ロシア反乱軍に資金を出したことが明らかになり540万ドルの財産が凍結されている。
カナダ政府もイングランドのサッカープレミアリーグのチェルシーFCの元球団オーナーでありロシア財閥であるロマン・アブラモビッチ氏所有の会社資産2600万ドルに対し没収手続きを進めている。カナダは昨年関連法を制定するなどウクライナ再建事業にこうした凍結資産を使う根拠をすでに用意している状態だ。
だがこうした方式は国際法違反の恐れが大きく議論が予想される。ある国が行政執行で他国の資産を強制没収するのは国際法上の「主権免除」の原則に反するためだ。これはEUが凍結資金に手を付けず利子収益だけ活用する迂回案を議論している理由でもある。
これと関連し、国際法学者であるオックスフォード大学のツァナコプロス教授は「一国の資産を凍結するのは一時的で可逆的なもの。(国際法上)損害を及ぼしたことに対して凍結はできても没収してはならない」と話した。
◇プーチン、資産接収法案に署名
ロシアも真っ向から対抗している。フィナンシャル・タイムズによるとロシアのプーチン大統領は今月初めに西側企業のロシア国内残留資産を接収する法案に署名した。
まだ公開されていない今回の法案には、ロシア政府が西側企業の資産を極めて安価で接収して売却する権限を持つ内容が含まれた。事実上の国有化を意味するものだ。
また、これを買い取る業者から外国人投資家を完全に排除するなど西側企業の出口をふさぐ方向で法案はまとめられた。ロシア当局は売却過程で稼いだ莫大な収益を国庫に還収して戦争資金などに使うという計画だ。今年に入りロシアの財政赤字が420億ドルに増えた状況で、財政を拡充し西側の制裁に対抗できる一石二鳥の方策ということだ。
これに先立ちロシアは4月にドイツのガス会社であるユニパーとフィンランドの国営電力会社フォータムなど西側エネルギー企業のロシア国内合弁法人の株式を国有化した。これと関連しある西側企業役員はフィナンシャル・タイムズとのインタビューで「西側の原材料企業が主要ターゲットになるものとみられる。(関連ノウハウが必要な)IT企業の場合はロシアが直接運営しにくいため相対的に影響は少ないだろう」と予想した。
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