14日(現地時間)に米ニューヨーク国連本部で開かれる国際海洋法裁判所(ITLOS)裁判官選挙に出馬した李滋炯(イ・ジャヒョン)外交部国際法律局長。[外交部 ユーチューブ キャプチャー]
◆「最後まで当選に努力」
外交部によると、米ニューヨーク国連本部で開かれる第33回国連海洋法協約当事国総会期間中の14日(現地時間)、国際海洋法裁判所裁判官選挙が行われる。韓国からは李滋炯(イ・ジャヒョン)外交部国際法律局長が出馬した。外交部当局者はこの日、記者らに対し「韓国時間で15日0時ごろ結果が分かりそうだ」とし「最後まで我々の候補が当選するよう引き続き最善の外交的努力をしている」と話した。
国際海洋法裁判所は海洋境界画定、漁業、海洋資源開発、海洋環境など国連海洋法条約の解釈・適用に関連した紛争解決を担当する常設国際裁判所。独島領有権問題、中国の違法操業、さらには最近論議を呼んでいる福島汚染水放出問題まで多様な懸案と絡んでいる。中国・日本と排他的経済水域(EEZ)の境界を画定できないなど、多くの海洋紛争事案を抱えている韓国の立場では重要な意味を持つ。
これに関連し野党は日本の汚染水放出問題も国際海洋法裁判所に持ち込もうと主張している。実際、文在寅(ムン・ジェイン)政権では大統領の指示で関連の法的検討が進められたりもした。ただ、こうした手続きは理論的には可能だが、現実性は低いという意見が大半だ。
◆韓・日裁判官の当選が有力
海洋法裁判所は再任が可能な9年任期の裁判官21人で構成される。国連海洋法条約当事国の総会で3年ごとに7人ずつ秘密投票で新任裁判官を選ぶ。今回の裁判官選挙はアジア・太平洋グループの2席をめぐり韓国の李滋炯国際法律局長、日本の堀之内秀久駐オランダ大使、イラクのムハンマド・ハムード元外務次官の3人が競合している。現在のところ韓国と日本の候補が裁判官に当選するシナリオが有力だ。
韓国の場合、国際海洋法裁判所で1996-2008年に在任した故朴椿浩(パク・チュンホ)裁判官に続き、白珍鉉(ペク・ジンヒョン)裁判官が2009年から現在まで在職中だ。李局長が当選すれば歴代3人回目の裁判官となる。李局長は国際法規課長、国連代表部参事官などを経て国際法律局長を担当している外交部内の代表的な国際法専門家。李局長はこれまで国連海洋法条約当事国会議首席代表、国連公海漁業協定交渉首席代表、韓中海洋境界確定協定実務首席代表などを務め、海洋法と関連した交渉経験も豊富だ。
政府が国際法学者出身でなく現職外交官を国際海洋法裁判所裁判官候補に指名したのは今回が初めて。裁判官の職務は中立的だが、自国出身の裁判官を置くこと自体が国益を保護する土台を築くという象徴性を持つ。外交部当局者は「国際海洋法裁判所で韓国に有利な判例が増えていけばそれだけ今後の紛争解決に役立つ」と話した。
◆韓国、相次いでグローバル要職へ
グローバル中枢国家(GPS)を目指す韓国が国際機関の要職に就いて影響力を高めているという分析だ。韓国が6日、国連安全保障理事会非常任理事国に11年ぶりに選出されたのは韓国外交の代表的な成果に挙げられる。韓国の安保理入りについては、昨年10月に国連人権理事会理事国選挙で初めて落選した「衝撃」を教訓にして、各種国際機関選挙で得票力を戦略的に配分するなど慎重に取り組んできた外交的努力の結果という評価が出ている。
このほか、9日には世界貿易機関(WTO)セーフガード委員会の議長にチョン・ウンギル・ジュネーブ代表部公使参事官が選ばれた。最近、北朝鮮のいわゆる偵察衛星打ち上げの動きで注目された国際海事機関(IMO)の場合、林基沢(イム・ギテク)事務局長が8年間牽引している。IMOは先月31日(現地時間)、北朝鮮のミサイル発射を糾弾し、IMO条約および決議遵守を促す決議を初めて採択した。
国際社会で重大な反人道犯罪を犯した個人を刑事処罰するための最初の常設国際裁判所である国際刑事裁判所(ICC)もチョン・チャンホ裁判官が18人の裁判官の一人として8年近く在職中だ。ICCは3月、プーチン露大統領の戦争犯罪容疑に対して逮捕状を発付するなどウクライナ戦争でさらに注目されている。
外交部当局者は「韓国の優秀な人的資源が国際社会に布陣することで、政府が進めるグローバル中枢国家(GPS)ビジョンの実現に大きく寄与するはず」と述べた。
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