先月25日午後、韓国型ロケット(KSLV-2)ヌリ号が全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターから打ち上げられる直前、ヌリ号の人工衛星の事故リスクを主張する工学者がいた。漢陽大機械工学科の金徳寿(キム・ドクス)教授だった。金教授は、KAIST(韓国科学技術院)人工衛星研究所が開発した次世代小型衛星2号などヌリ号が打ち上げる8基の人工衛星が地球軌道550キロを回っている米国スペースXの衛星と衝突する可能性がかなり高いと主張した。こうした内容を1日に釜山(プサン)海雲台(ヘウンデ)朝鮮ホテルで開かれた「第8回超小型衛星ワークショップ」でも発表した。金教授は人工衛星を安全かつ効率的に運営するためのプラットホームを開発するスタートアップ「スペースマップ」の代表を兼職している。衛星の衝突予測・回避・通信干渉予測などが主要サービスだ。2016年には米空軍の3年間の関連研究課題も遂行した。
金教授は「高度550キロの地球の低軌道はスペースXのスターリンク衛星4000個が90分ごとに地球を一周するなど地球の低軌道の中で最も複雑しているところ」とし「ヌリ号の衛星は北極と南極をつなぐ極軌道を回りながらスターリンク衛星と45度または135度の角度で交わるが、このままだと衛星群が今後1年内に一つは衝突するだろう」と主張した。次世代小型衛星2号には推進装置があり、衝突のリスクが予測される時は回避機動が可能だが、キューブ衛星は大きさが小さく性能が制限され、軌道修正ができない。
金教授の衝突リスク主張に対し、KAISTの関係者は「スターリンクと次世代小型衛星2号の軌道を計算していないが、まだ低軌道の中で衛星間の空間が広いため実際に衝突が起こるとは思わない」と話した。
確率が高いからといって必ず起こるわけではないが、ヌリ号と人工衛星はなぜ目標高度を低軌道の中でも最も複雑な550キロに設定したのだろうか。また、スターリンクはなぜ高度550キロの軌道に集まっているのだろうか。地球観測衛星など低軌道衛星は高度600-800キロの間にあるが、スターリンクのように衛星インターネット事業のための通信人工衛星は円滑な通信品質のために観測衛星よりも低い500キロ台を選択するしかない。500キロ以下も可能だが、この場合、地球の重力の影響をさらに受けるため衛星の寿命が短くなる。
ヌリ号の人工衛星もやむを得ない理由がある。慶尚国立大のキム・ヘドン航空宇宙学部教授(元韓国航空宇宙研究院研究員)は「高興で打ち上げられるヌリ号が隣接国の上空を避けて上がることができる傾斜角と、次世代小型衛星2号など韓国の人工衛星が必要な『黎明-黄昏』軌道を考慮すると、550キロの高度が出てくるしかない」と説明した。
余命-黄昏軌道は衛星が黎明や黄昏を24時間見ることができる軌道であり、常に一定の太陽光を受けることができる。次世代小型衛星2号の主な目的は映像レーダー試験だ。映像レーダーは通信衛星よりも多くのエネルギーが必要であり、バッテリーの消耗が大きい。このため数千のスターリンク衛星が回る軌道にもかかわらず、太陽光を受ける黎明-黄昏軌道を利用するしかなかったというのが、専門家らの分析だ。
太陽系内で最も狭い、すなわち密度が高いところは地球軌道だ。1957年に人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられて以降のことだ。米国宇宙司令部によると、人工衛星と宇宙ゴミを含む「登録人工宇宙物体」(大きさ10センチ以上)だけで4万8000個にのぼる。1センチ以上なら約100万個、1ミリ以上なら約1億5000万個と知られている。地球軌道の中でも最も狭いところは、多くの人工衛星と宇宙ゴミが浮いている高度2000キロ以下の低軌道だ。これら人工宇宙物体は秒速7.5キロ、時速2万7000キロで地球の周囲を回っている。
【コラム】「韓国ヌリ号の衛星、衝突リスク高い…狭い550キロ地球軌道」(2)
金教授は「高度550キロの地球の低軌道はスペースXのスターリンク衛星4000個が90分ごとに地球を一周するなど地球の低軌道の中で最も複雑しているところ」とし「ヌリ号の衛星は北極と南極をつなぐ極軌道を回りながらスターリンク衛星と45度または135度の角度で交わるが、このままだと衛星群が今後1年内に一つは衝突するだろう」と主張した。次世代小型衛星2号には推進装置があり、衝突のリスクが予測される時は回避機動が可能だが、キューブ衛星は大きさが小さく性能が制限され、軌道修正ができない。
金教授の衝突リスク主張に対し、KAISTの関係者は「スターリンクと次世代小型衛星2号の軌道を計算していないが、まだ低軌道の中で衛星間の空間が広いため実際に衝突が起こるとは思わない」と話した。
確率が高いからといって必ず起こるわけではないが、ヌリ号と人工衛星はなぜ目標高度を低軌道の中でも最も複雑な550キロに設定したのだろうか。また、スターリンクはなぜ高度550キロの軌道に集まっているのだろうか。地球観測衛星など低軌道衛星は高度600-800キロの間にあるが、スターリンクのように衛星インターネット事業のための通信人工衛星は円滑な通信品質のために観測衛星よりも低い500キロ台を選択するしかない。500キロ以下も可能だが、この場合、地球の重力の影響をさらに受けるため衛星の寿命が短くなる。
ヌリ号の人工衛星もやむを得ない理由がある。慶尚国立大のキム・ヘドン航空宇宙学部教授(元韓国航空宇宙研究院研究員)は「高興で打ち上げられるヌリ号が隣接国の上空を避けて上がることができる傾斜角と、次世代小型衛星2号など韓国の人工衛星が必要な『黎明-黄昏』軌道を考慮すると、550キロの高度が出てくるしかない」と説明した。
余命-黄昏軌道は衛星が黎明や黄昏を24時間見ることができる軌道であり、常に一定の太陽光を受けることができる。次世代小型衛星2号の主な目的は映像レーダー試験だ。映像レーダーは通信衛星よりも多くのエネルギーが必要であり、バッテリーの消耗が大きい。このため数千のスターリンク衛星が回る軌道にもかかわらず、太陽光を受ける黎明-黄昏軌道を利用するしかなかったというのが、専門家らの分析だ。
太陽系内で最も狭い、すなわち密度が高いところは地球軌道だ。1957年に人類初の人工衛星スプートニク1号が打ち上げられて以降のことだ。米国宇宙司令部によると、人工衛星と宇宙ゴミを含む「登録人工宇宙物体」(大きさ10センチ以上)だけで4万8000個にのぼる。1センチ以上なら約100万個、1ミリ以上なら約1億5000万個と知られている。地球軌道の中でも最も狭いところは、多くの人工衛星と宇宙ゴミが浮いている高度2000キロ以下の低軌道だ。これら人工宇宙物体は秒速7.5キロ、時速2万7000キロで地球の周囲を回っている。
【コラム】「韓国ヌリ号の衛星、衝突リスク高い…狭い550キロ地球軌道」(2)
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