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【コラム】平和確率25%時代(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
偶発的な事故がこのように広がっていくのを防ぐことが政治家と外交官たちの役割だ。冷戦時代に米国とソ連の間には一種のルールがあった。ところが現在の米中間にはそのようなルールがない。米国は中国側に当局者同士で対話を持ってこのような不祥事を回避するためのルールを作ろうと提案してきた。しかし中国はこれを拒否している。対話をするなら米国側が先に相互尊重の精神に立脚して誠意を見せ雰囲気を作るようにと要求する。例えば現中国国防相の李尚福は2018年の中央軍事委装備発展部長在職時にロシアの戦闘機を購入した。トランプ政権はこれが米国の対ロシア制裁に違反したという理由で制裁対象者に含ませた。これをバイデン政権が解除しろということだが米国側は否定的だ。

また、米国は南シナ海とインド太平洋で国際法が守られ、米国の同盟国がどんな大国の威嚇や脅迫からも自由に行動できなければならないと主張する。これに対して李尚福国防相は最近のシャングリラ対話である特定の外部勢力(米国を指摘)が航行の自由ではなく挑発を目的に中国領土に接近しており、その国は自国の覇権を追求しているだけだと演説した。

それならば中国側はなぜルールを作ろうという米国の対話の要求を拒否するのだろうか。 英国のエコノミスト誌は、中国の指導者が、中国がこれに応じれば米国の海空軍が中国の領土、領海、領空近くまで接近するのを合法化する結果になると信じているためだと分析した。基本的に中国は米国をアジア地域と何の関係もない国であり、アジアでの米国の軍事的介入は混乱だけを引き起こすものとみているということだ。


ここに米中関係の本質がある。上昇大国中国の勢力膨張の欲求とそれを抑制しようと考える既存大国の米国の欲求が衝突しているのだ。その過程で中国はまた別の修正主義勢力であり権威主義国であるロシアと連合して米国の影響力と米国が主導して作った自由主義国際秩序を弱化させようとしている。米国はこのような中国を日本、オーストラリア、フィリピン、韓国、北大西洋条約機構(NATO)、西太平洋諸国などを動員して圧迫している。こうした2つの巨大勢力間の覇権争いは米国が経済戦略を多少調整する程度では解消されるのが難しいだろう。

ハーバード大学のグレアム・アリソン教授はこの500年間で16回にわたる上昇大国と既存大国間の対立事例を分析した後、そのうち4回だけが平和に解決されたと主張した。彼の主張によると、われわれはいま平和確率25%の時代で生きていることになる。

尹永寛(ユン・ヨングァン)/峨山(アサン)政策研究院理事長、元外交通商部長官


【コラム】平和確率25%時代(1)

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