欧州各国の王室では後日君主になる王女が軍事訓練を受ける場合が多い。写真はベルギーのエリザベート王女の普段の姿(左)と軍事訓練中の様子(右)。[写真 ツイッター キャプチャー]
ところが調べてみると、「軍経歴王女」はレオノール王女だけではない。世界王室の中で女性君主を認めるところでは王室女性が軍の訓練を受ける場合が少なくない。朝日新聞系列の雑誌AERA(アエラ)最新号によると、名目上国王が軍隊の総司令官を兼ねる君主国の王位継承者は伝統的に軍事訓練を受けるため軍経歴がある。王位につくためには王女にも例外のない「王冠の重さ」といえる。
◇スペイン王女、3年間の陸海空軍すべて経験予定
レオノール王女は今後3年間、陸海空軍事訓練をすべて受けることになる。サラゴサにある陸軍士官学校で1年間訓練を受けた後、練習船フアン・セバスチャン・デ・エルカに乗船する過程を含んだ海軍士官学校、ゼネラルエアアカデミー(空軍士官学校)まで経験する予定だ。
レオノール王女は約200年ぶりに誕生するスペイン女王候補第1位だ。男性後継者が生まれない限り、レオノール王女が王位を継承することになる。スペインのマルガリータ・ロブレス国防相はロイター通信に対して「スペインで王位継承者が軍事訓練をするのはリーダーシップのための必須段階」と明らかにした。
◇ベルギー王女、泥沼に這いつくばり清掃・食事も同じように
ベルギーのフィリップ国王の長女で王位継承第1位であるエリザベート王女(21、ブラバント女公)は18歳の時に王立陸軍士官学校で軍事訓練を誠実に受けて話題になった。擬装のためのフェースペイントを施した王女が自動小銃を持って森を駆け巡る動画はSNSで人気だった。ベルギー最初の女王になるかもしれないエリザベート王女が同期160人余りと一緒に地面の上でホコリまみれになりながら這いつくばった。タイヤを担いでスクワット動作をしたり完全軍装の姿で行軍した。食事配給、清掃なども他の生徒と同じように行った。警護員が1人いた事実を除けば「王女さま待遇」はなかった。
ベルギー王室はエリザベート王女が軍事訓練に励む姿をSNSを通じて積極的に知らせてきた。エリザベート王女の入隊は40余年前に軍事教育を受けた父親のフィリップ国王などベルギー王室の伝統をそのまま従ったものだった。ただし王女の入隊はベルギー王室でエリザベート王女が初めての事例だった。
ベルギーでは息子だけが王位を継承できるとした長子相続優先原則を廃止した1991年から、第一子の場合には性別には関係なく王位に継ぐことになった。エリザベート王女が王位につくことになれば、ベルギー初の女王であり女性陸軍総司令官称号を受けることになる。ベルギー以外にもノルウェー・オランダ・英国・スウェーデンなどが王位継承で男女差別をなくした。
王女も例外ではない…地面を這いつくばりタンクも扱う「軍勤務修了」次期女王たち(2)
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