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【コラム】走って行く米国、縮こまる日本

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
英週刊誌エコノミストは最近「米国の驚くべき経済成績の教訓」という特集記事を載せた。広範囲な経済統計を基に作成したこの記事は、この30年間に米国経済が著しい成果を上げたと伝えた。

中国の浮上で米国経済が衰退しているという既存の認識と相反する報道だ。実際に多くの人が米国は政治二極化と貧富格差が深刻で、医療保険不備で病気になっても病院に行けない人が多く、先進国で寿命が最も短い国という否定的認識を持っている。ところが米国経済はこの30年間に途轍もない躍動性で他の国々がうらやむ成就を成し遂げた。

経済バロメーターである国内総生産(GDP)の場合、米国が昨年世界で占める割合は25%水準で30年前と同水準だ。この期間に中国経済が大きく跳躍し、インドやブラジルなども大幅に成長したことを考慮すれば米国経済は善戦した。これを先進国と比較すると米国の成就が明確になる。先進7カ国(G7)で米国経済が占める割合は1990年の40%から昨年は58%に増えた。米国の1人当たりGDPは30年前に西欧諸国より24%、日本より17%多かったが、昨年には西欧より30%、日本より54%多かった。一例として米オクラホマ州のトラック運転手はポルトガルの医師よりも多く稼ぐ。


米国の資本主義は新自由主義と世界化を先導したという批判を受ける。それでも米国のGDPで社会福祉支出の割合は90年の14%から2019年には18%に上がった。また、2021年の米国の貧困率は7.8%で、米人口調査局が貧困率調査を始めた2009年以降で最も低かった。

米国が優れた経済実績を収めた理由としては、膨大な市場とともに豊富な人的資源、起業しやすい環境が挙げられる。米国の労働生産性はこの30年間に67%増加し、欧州の55%、日本の51%を上回った。

米国の大学は世界的競争力を持つ。英紙タイムズの大学評価によると、世界上位15校のうち11校が米国の大学だった。米国政府と民間の研究開発支出は米国のGDPの3.5%で、多くの先進国を上回った。創業熱も高い。米国では2021年に540万社が創業し過去最多を記録した。創業に失敗した時に個人が払う代価は経済協力開発機構(OECD)37カ国で最も低い。

これに対し日本経済は縮んでいる。日本経済はかつて米国に続く世界2位だったが、中国に続き今年はドイツにも逆転され4位に押し出される境遇だ。長期化したデフレ(物価下落)と急激な円安がかみ合わさった結果だ。バブル経済絶頂期である1980年代に日本の1人当たり国民所得は米国を追い抜き、世界の時価総額上位10社のうち8社が日本企業だった。日本の長期経済不振のためだ。為替相場と物価を考慮した購買力平価基準で日本の1人当たりGDPは2018年に韓国に追い越され、数年以内に名目ドル基準でも下回る見通しだ。

日本経済が落ち込んだ理由として、80年代半ばに対ドルで円の価値を高めたプラザ合意と日本の半導体企業の競争力を低下させた日米半導体協定が挙げられる。これは表向きの理由にすぎない。日本は80年代まで続いたメインフレーム時代には半導体大国だったが、PC、インターネット、スマートフォンなど世界的なデジタルの流れに乗り遅れ競争力が急落した。時代の変化に追いつくことができず30年前に世界最大の半導体国だった日本はメモリー分野でキオクシア1社だけが命脈を維持している。日本の主要企業らは30年前もいまもほとんど変化がない。日本は過去に安住し革新を受け入れられない限界を見せた。

韓国は日本より早く変化に適応してきた。サムスン電子と現代・起亜自動車などが世界的企業になったのは時代の流れに合わせて革新してきたためだ。これに対し最近の韓国経済の状況は容易でない。先月の貿易収支は14カ月連続の赤字で、輸出は7カ月連続マイナスだ。最大の輸出品である半導体の不振で輸出全体が直撃弾を受けた。少子高齢化が経済の足を引っ張る中で半導体に代わるほどの未来の収益源は現れていない。

これを克服するには経済躍動性を生き返らせなければならない。シュンペーターが力説した「創造的破壊」、ケインズが強調した「アニマルスピリット」が生きている国を作らなければならない。挑戦より安定を優先する社会は躍動性がない。政府と民間が起業しやすく、失敗が容認される環境を作るならば、教育水準が高く挑戦精神がある韓国人の躍動性はすぐに花を咲かせることができる。韓国が米国の道を進むか、日本の道を進むかは社会躍動性にかかった。

チョン・ジェホン/国際外交安保エディター



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