一部のロシア男性が徴集を拒否し、脱営する事例が相次いで報告されていると、米ニューヨークタイムズ（ＮＹＴ）が先月３０日（現地時間）報じた。

ＮＹＴは「ウクライナ侵攻以降、数百人のロシア男性が『戦争拒否者』という理由で刑事告発された」とし、ロシア国境警備隊所属のミハイル・ジーリン少佐（３６）の事例を紹介した。

ジーリン氏は昨年９月、プーチン露大統領が部分動員令を出した後、参戦しないことを決め、妻と子どもを連れてカザフスタンに脱出した。ジーリン氏の家族は車で合法的にカザフスタンに入国できたが、出国が禁止された状態だった。ジーリン氏は徒歩で国境を越えたが、結局、カザフスタン当局に捕まった。ジーリン氏は拘禁された状態で政治的亡命を申請したが、カザフスタン政府はこれを受け入れずロシアに送還した。


ロシアに戻ったジーリン氏は参戦拒否容疑で起訴され、６年６月の懲役刑を言い渡され、職位を剥奪された。ジーリン氏の妻ジリーナ氏は現在、子どもと一緒にフランスで滞在している。ジリーナ氏は「私たちはウクライナで死ぬよりも服役する方がはるかによいと考える」とし「夫は私に『道徳的にさらに自由になった』という内容の手紙を送ってきた」と伝えた。

戦争に動員された後にも戦闘への投入を避けようとする兵士もいる。一部のロシア兵士は互いに銃を撃ち合った後、敵との銃撃戦で負傷したと主張するという。この中には将校も含まれている。

匿名を求めたロシア軍将校Ａ氏は現在、脱営のためロシア当局から手配された状態だと明らかにした。Ａ氏は「銃傷から回復した後に戦場に戻れという命令を受けた時、逃げることを決めた」とし「ロシアのために死ぬ準備ができていたが、政府に座っている犯罪者のために命をかけて戦いたくはなかった」と語った。

ロシア大法院の統計によると、昨年、義務徴集忌避容疑で起訴されて有罪判決を受けた男性の数は１１２１人にのぼることが調査で分かった。ＮＹＴは「戦争以前には徴集拒否容疑を受けた人の大半は投獄されず、罰金刑を受けて終わった」とし「ロシアは戦争以降、徴集忌避に対する刑罰を強化してきた。いま参戦拒否容疑で起訴されれば３－１０年の懲役になる可能性がある」と説明した。