韓国４大グループオーナーを含む１２２人規模の経済使節団を構成した大統領の米国国賓訪問日程が先月３０日に終わった。韓国と米国は先端科学技術同盟の枠組みを固めた。米企業から総額５９億ドル規模の投資を誘致した。両国の企業と機関が締結した了解覚書（ＭＯＵ）は５０件に達する。目立った成果にも財界の一部では「残念」という声がある。「期待より受け取ったものが少ない」という評価が代表的だ。

◇「いっぱいの手土産」期待したが…

特にＣＨＩＰＳ法とインフレ抑制法改正の約束を期待したが今回の訪問では原則的な協議にとどまった。半導体業界は今回の訪米に対する期待が非常に大きかった。ＣＨＩＰＳ法のガードレール条項、対中輸出規制など海外発リスクが経営の悪材料となるためだ。そうでなくても業績不振に陥っている半導体企業は今回の韓米首脳会談を通じて少なくとも突破口を開ける方策が発表されることを期待した。


だが両国首脳は共同声明でＣＨＩＰＳ法とインフレ抑制法と関連し「持続的な緊密な協議」に言及するにとどまった。「韓米首脳間で韓国企業の負担と不確実性を減らすという方向に対しては明快に合意した」という大統領室の説明にも半導体業界では実感できる具体的な内容はなかったという評価が出ている。成均館（ソンギュングァン）大学電子電気工学部のキム・ヨンソク教授は「１０月にある先端装備中国搬入措置延長とＣＨＩＰＳ法補助金毒素条項緩和は具体的な解決策発表がなく残念。ただ両国首脳間の問題認識をともにしたことは成果と考えられ、細部的な実務通商協議を通じて必ず解決しなければならない」と話した。

もちろん成果がないわけではない。米政府がＣＨＩＰＳ法により設立する国家半導体技術センター（ＮＳＴＣ）の研究開発プログラムにサムスン電子とＳＫハイニックスなど韓国企業も参加できることになった。米政府はＮＳＴＣを通じて半導体技術を開発するのに必要とされる費用と時間を減らし技術優位を確保する考えだ。企業や研究所次元で先端半導体を研究し実際の製品として商用化するのが容易ではないため、装備と資源、施設など研究開発に必要な生態系を提供するということだ。韓国半導体産業協会のアン・ギヒョン専務は「米国が基本技術を持っているためプログラムに参加して技術を開発し共有するならば韓国企業にはプラス要因になるだろう」と話した。

両国はまた、官民共同参加フォーラムである韓米半導体フォーラムを新設することにすることにした。韓米国家安全保障会議（ＮＳＣ）が主導する協議体である次世代核心・新興技術対話を新設し、バイオ、バッテリー、半導体分野で先端技術分野の標準もともに用意する計画だ。

◇政権発足後最大規模の経済使節団

今回の訪問には政権発足後最大規模の経済使節団が組まれた。李在鎔（イ・ジェヨン）サムスン電子会長、崔泰源（チェ・テウォン）ＳＫグループ会長、鄭義宣（チョン・ウィソン）現代自動車グループ会長、具光謨（ク・グァンモ）ＬＧグループ会長が含まれた経済使節団は尹大統領を援護射撃した。目立った成果は韓国企業の米国市場進出加速だ。韓米間のバッテリー協力が代表的だ。サムスンＳＤＩとゼネラルモーターズ（ＧＭ）は３０億ドルを投資して米国に電気自動車バッテリー合弁法人を設立することにした。現代自動車グループとＳＫオンは総額６兆５０００億ウォン規模の北米合弁法人を設立することにした。

大企業オーナーの人的ネットワークはビジネスラウンドテーブルで光を放った。行事に参加したある財界関係者は「オーナーらが親密な米国企業関係者を尹大統領に紹介し自然に交われるようにする姿が目についた。米国側ではバッテリー、半導体、防衛産業、ＩＴなど先端産業分野で韓国企業の重要性を強調しながらビジネス協力強化の意志を強く表明した」と話した。

この席に参加した２２人の米企業最高経営責任者（ＣＥＯ）と経営陣は１人ずつ順番にマイクを手にして韓国企業との縁や今後の協力計画などを列挙したという。今後韓国に対する追加投資が開かれているという意味だ。全経連のキム・ボンマン国際本部長は「今回のビジネスラウンドテーブルに米国企業の関心が全般的に高かった。申し込んだ米国企業をすべて参加させられず残念なほどだった。韓国が世界的先端産業分野で重要な役割をしており、韓国の能力と重要性がはるかに大きく高まったという感を受けた」と話した。