尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領とバイデン大統領が26日(現地時間)、韓米首脳会談を行い、米国の拡大抑止強化案を盛り込んだ「ワシントン宣言」(Washington Declaration)を採択した。北朝鮮の核攻撃脅迫で韓国国内の核武装世論が強まると、米国側が異例にも具体的な拡大抑止案を文書化したのだ。
両首脳は▼韓米間の拡大抑止協議体「核協議グループ」(Nuclear Consultative Group・NCG)新規創設▼核弾頭ミサイル搭載潜水艦(nuclear ballistic missile submarine・SSBN)など米軍戦略資産の朝鮮半島定例展開(regular deployment)▼米国の核資産関連情報の共有拡大--などに合意した。
バイデン大統領は首脳会談の前にホワイトハウスで開催された公式歓迎式で「今年は両国の同盟70周年を迎える年であり、韓米は勇気と犠牲の土台の上にある切り離せない関係だ。自由守護のために共に戦った米軍と韓国軍の将兵の血で結ばれた偉大な同盟」と述べた。これに対し尹大統領は「韓米同盟は自由のための闘争の結果、誕生した血盟だ。利益によって会って別れる取引関係ではなく、自由という普遍的価値を守護するための価値同盟」と強調した。
拡大抑止は同盟国が敵対国から核攻撃の脅威を受ける場合、米国が核の傘、ミサイル防衛システム、通常兵器を動員し、米本土と同じレベルの抑止力を提供するという概念だ。まずNCGはNATO(北大西洋条約機構)のNPG(Nuclear Planning Group・核計画グループ)をモデルにしたとみられる。これに先立ち尹大統領は19日、ロイター通信のインタビューで「NATO以上の強力な対応」に言及し、大統領室の関係者も「韓米はNATOのように韓国の領土に核兵器を置かないが、協議の深みと幅ははるかに強まる」と話した。
新設されるNCGを通じて昨年11月の韓米定例安保協議(SCM)で合意した拡大抑止の▼情報共有▼協議手続き▼共同企画▼共同実行に関する具体案が用意されると予想される。ホワイトハウスの関係者は「主な危機状況で我々がどのように(核資産運用関連の)企画をするのか、韓国ものぞくことができるはず」とし「これは多くの面で冷戦時代に潜在的な外部の脅威があった際、米国が欧州の同盟に提供したものだ」と説明した。
ただ、この関係者はNCGはNATO式核共有とは異なると伝えた。「NATOは前方に配備された戦術核兵器を持つが、朝鮮半島にはなく、今後の計画にもない」と一線を画しながらだ。また、韓国が米国の核兵器使用決定に関与しない点も明確にした。
もう一つの拡大抑止強化案として、ホワイトハウス関係者は「我々は1980年代初め以降はなかった米国の核弾頭ミサイル潜水艦の韓国訪問を含む戦略資産の定例的な展開(regular deployment)を通じて、我々の拡大抑止をより可視化するための措置を取る」と述べた。軍関係者は「核ミサイルを積んだ米オハイオ級潜水艦が韓半島(朝鮮半島)に定期的に展開されれば、対北抑止力の画期的な進展になるはず」と話した。
韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権以降、北朝鮮の核ミサイル脅威に対応するために米国に戦略資産の常時・循環配備または展開を要求してきたが、米国はこれを受け入れなかった。北朝鮮を不必要に刺激し、過度な費用が追加で必要になるなどの理由だった。その代わり韓米は一段階低い定例配備に合意したが、今回は拡大抑止強化の側面で原子力潜水艦を追加した戦略資産をさらに頻繁に展開するという意味とひとまず解釈される。
ホワイトハウス関係者は「朝鮮半島に原子力潜水艦、戦略爆撃機、空母を定期的に展開する」としながらも「繰り返すが、戦略資産が(朝鮮半島に)常時駐留することはなく、核兵器はなおさらそうだ」と強調した。
このほかホワイトハウスは「米戦略資産の具体的な動きを含む情報の共有幅を広げ、米国の核企画において韓国の通常戦力を効果的に統合する」と明らかにした。政府筋は「ワシントン宣言は韓国の3軸体系資産を米国の拡大抑止資産に統合し、抑止力を高める道を開いた」と話した。
ただ、こうした米国の拡大抑止強化案の条件は、ワシントン宣言に韓国は核拡散防止条約(NPT)義務を遵守し、非核国の地位を維持するという約束を入れることだ。米国の「核の傘」を「核の盾」レベルに引き上げる代わりに、尹大統領が年初に直接言及した韓国の独自核武装の可能性は事実上遮断するという布石だ。慶南大極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「米国がNPT模範国家として韓国の姿を繰り返し強調するのは、韓国国内の核武装世論がこれ以上漸増しないよう管理しようという目的がある」という見方を示した。
今回の首脳会談で韓米はサイバーセキュリティー協力強化案も深く議論した。韓国政府は、米国が主導してNATOの多数の加盟国、日本、オーストラリアなどが参加した「未来のインターネットに関する宣言」に参加する案を前向きに検討してきた。
一方、外交関係者の間では、ホワイトハウスが首脳会談の前日にブリーフィングを開いて主要合意内容を事前に公開したのは極めて異例という声が出ている。韓国側との事前協議もなかったという。こうした理由から韓国側もやや遅れて「明日(26日)の首脳会談で強化された拡大抑止案を盛り込んだ『ワシントン宣言』を採択する予定」と伝えた。
一部では、ホワイトハウスが事前に「ワシントン宣言」の意味を十分に説明し、韓国国内の核武装世論をなだめる意図があったという評価とともに、首脳会談を控えて韓国メディアに拡大抑止強化関連の記事が連日出ていることに米国側が負担を感じたのではという見方も出ている。
両首脳は▼韓米間の拡大抑止協議体「核協議グループ」(Nuclear Consultative Group・NCG)新規創設▼核弾頭ミサイル搭載潜水艦(nuclear ballistic missile submarine・SSBN)など米軍戦略資産の朝鮮半島定例展開(regular deployment)▼米国の核資産関連情報の共有拡大--などに合意した。
バイデン大統領は首脳会談の前にホワイトハウスで開催された公式歓迎式で「今年は両国の同盟70周年を迎える年であり、韓米は勇気と犠牲の土台の上にある切り離せない関係だ。自由守護のために共に戦った米軍と韓国軍の将兵の血で結ばれた偉大な同盟」と述べた。これに対し尹大統領は「韓米同盟は自由のための闘争の結果、誕生した血盟だ。利益によって会って別れる取引関係ではなく、自由という普遍的価値を守護するための価値同盟」と強調した。
拡大抑止は同盟国が敵対国から核攻撃の脅威を受ける場合、米国が核の傘、ミサイル防衛システム、通常兵器を動員し、米本土と同じレベルの抑止力を提供するという概念だ。まずNCGはNATO(北大西洋条約機構)のNPG(Nuclear Planning Group・核計画グループ)をモデルにしたとみられる。これに先立ち尹大統領は19日、ロイター通信のインタビューで「NATO以上の強力な対応」に言及し、大統領室の関係者も「韓米はNATOのように韓国の領土に核兵器を置かないが、協議の深みと幅ははるかに強まる」と話した。
新設されるNCGを通じて昨年11月の韓米定例安保協議(SCM)で合意した拡大抑止の▼情報共有▼協議手続き▼共同企画▼共同実行に関する具体案が用意されると予想される。ホワイトハウスの関係者は「主な危機状況で我々がどのように(核資産運用関連の)企画をするのか、韓国ものぞくことができるはず」とし「これは多くの面で冷戦時代に潜在的な外部の脅威があった際、米国が欧州の同盟に提供したものだ」と説明した。
ただ、この関係者はNCGはNATO式核共有とは異なると伝えた。「NATOは前方に配備された戦術核兵器を持つが、朝鮮半島にはなく、今後の計画にもない」と一線を画しながらだ。また、韓国が米国の核兵器使用決定に関与しない点も明確にした。
もう一つの拡大抑止強化案として、ホワイトハウス関係者は「我々は1980年代初め以降はなかった米国の核弾頭ミサイル潜水艦の韓国訪問を含む戦略資産の定例的な展開(regular deployment)を通じて、我々の拡大抑止をより可視化するための措置を取る」と述べた。軍関係者は「核ミサイルを積んだ米オハイオ級潜水艦が韓半島(朝鮮半島)に定期的に展開されれば、対北抑止力の画期的な進展になるはず」と話した。
韓国は朴槿恵(パク・クネ)政権以降、北朝鮮の核ミサイル脅威に対応するために米国に戦略資産の常時・循環配備または展開を要求してきたが、米国はこれを受け入れなかった。北朝鮮を不必要に刺激し、過度な費用が追加で必要になるなどの理由だった。その代わり韓米は一段階低い定例配備に合意したが、今回は拡大抑止強化の側面で原子力潜水艦を追加した戦略資産をさらに頻繁に展開するという意味とひとまず解釈される。
ホワイトハウス関係者は「朝鮮半島に原子力潜水艦、戦略爆撃機、空母を定期的に展開する」としながらも「繰り返すが、戦略資産が(朝鮮半島に)常時駐留することはなく、核兵器はなおさらそうだ」と強調した。
このほかホワイトハウスは「米戦略資産の具体的な動きを含む情報の共有幅を広げ、米国の核企画において韓国の通常戦力を効果的に統合する」と明らかにした。政府筋は「ワシントン宣言は韓国の3軸体系資産を米国の拡大抑止資産に統合し、抑止力を高める道を開いた」と話した。
ただ、こうした米国の拡大抑止強化案の条件は、ワシントン宣言に韓国は核拡散防止条約(NPT)義務を遵守し、非核国の地位を維持するという約束を入れることだ。米国の「核の傘」を「核の盾」レベルに引き上げる代わりに、尹大統領が年初に直接言及した韓国の独自核武装の可能性は事実上遮断するという布石だ。慶南大極東問題研究所のイ・ビョンチョル教授は「米国がNPT模範国家として韓国の姿を繰り返し強調するのは、韓国国内の核武装世論がこれ以上漸増しないよう管理しようという目的がある」という見方を示した。
今回の首脳会談で韓米はサイバーセキュリティー協力強化案も深く議論した。韓国政府は、米国が主導してNATOの多数の加盟国、日本、オーストラリアなどが参加した「未来のインターネットに関する宣言」に参加する案を前向きに検討してきた。
一方、外交関係者の間では、ホワイトハウスが首脳会談の前日にブリーフィングを開いて主要合意内容を事前に公開したのは極めて異例という声が出ている。韓国側との事前協議もなかったという。こうした理由から韓国側もやや遅れて「明日(26日)の首脳会談で強化された拡大抑止案を盛り込んだ『ワシントン宣言』を採択する予定」と伝えた。
一部では、ホワイトハウスが事前に「ワシントン宣言」の意味を十分に説明し、韓国国内の核武装世論をなだめる意図があったという評価とともに、首脳会談を控えて韓国メディアに拡大抑止強化関連の記事が連日出ていることに米国側が負担を感じたのではという見方も出ている。
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