米国を国賓訪問する尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と金建希(キム・ゴンヒ)夫人が24日、城南(ソンナム)ソウル空港で空軍1号機に搭乗し、歓送客にあいさつしている。 カン・ジョンヒョン記者
◆「核には核」以上の警告
昨年5月の首脳会談で両国は北朝鮮に向けて「核には核で対応する」というメッセージを初めて発信した。当時の共同声明で「核、通常兵力およびミサイル防衛能力を含む可用なあらゆる範疇の防御力量を使用した米国の韓国に対する拡大抑止公約を確認する」としたが、実際に可用な拡大抑止手段として「核」を明示したのは初めてだった。
今年の首脳会談の共同声明はここからさらに一歩踏み込むと予想される。韓国外交部の当局者は24日、「拡大抑止の実効性を『質的』に強化するいくつかの案を議論中」と明らかにし、北朝鮮を圧倒する韓米の力量を共同声明により具体化することを示唆した。両国は今回の首脳会談で拡大抑止関連の別途の文書を採択することも検討している。拡大抑止実行力強化に関する具体的な後続措置は、現在両国が改定議論中の韓米型抑止戦略(TDS)にも反映される見通しだ。
今回の共同声明には、昨年11月の韓米定例安保協議(SCM)に続いて「北朝鮮の核攻撃は金正恩(キム・ジョンウン)政権の終末を招く」という趣旨の警告がより明確に盛り込まれるとみられる。これに先立ちジョン・ヒル国防次官補代理代行は18日(現地時間)、米下院の公聴会で「北朝鮮が核兵器で攻撃すれば、その時から核の報復と戦略抑止も役割をすることになるだろう」と述べ、北の核挑発に対する米国の核兵器を動員した報復の可能性を示唆した。1950年代のNATOの戦略概念(Strategic Concept)にも「敵の猛攻撃を抑止するために核兵器で即刻報復する」という内容が入った。
◆「発言権」を確実に高めるべき
尹錫悦政権の発足後に両国が原則的に合意した拡大抑止関連の▼情報共有▼協議手続き▼共同企画▼共同実行に関する具体案も用意される見込みだ。このため物理的な核配備がなくても、NATOの核計画グループ(NPG)以上に協議レベルを高め、有事の際、韓国の要請に基づいて米国の核の傘を即刻稼働させようという議論が加速している。いわゆる「韓国式核共有」または「韓国式拡大抑止(核の傘)」構想だ。
今回の首脳会談を機に新設あるいは強化される両国間の協議体は、韓国の発言権と情報共有の幅を画期的に高めた形態になるべきという指摘が出ている。すでに稼働中の高官級による拡大抑止戦略協議体(EDSCG)も2016年10月の発足当時、NATOのNPGグループをモデルにした。当時、政府は「韓米間でもNATOと似た包括的・重層的協議メカニズムを構築することになった」と評価した。しかし外交・国防次官が「2プラス2」で集まる形態と会議を随時開催するのが容易でなく、政権が交代したことで4年8カ月間中断した。
さらに米国は過去からいかなる同盟とも核使用の最終決定権を分け合ったことがない。米国が核兵器以外の先端戦術武器、宇宙・サイバー力量など拡大抑止手段を多様化するのも、できる限り核兵器で報復しない形を見いだそうとする努力の一環だ。バイデン政権に入って米国が拡大抑止を核を含む軍事的手段に限定せず、経済・外交力などと包括的に結びつける「統合抑止」(integrated deterrence)概念を取り出したことも同じ脈絡だ。
韓国国防研究院のチョン・キョンジュ研究委員は「米国は核兵器を直接使用するよりも核兵器の抑止効果を倍加させる他の能力と結びつけて、多様で柔軟な対応を追求する基調」とし「ただ、韓国など同盟の立場では『核には核で報復する』という明確なメッセージを要求する可能性があり、韓米間の議論を経てその間で接点を見いだそうとするだろう」と話した。
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