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中国・フィリピン・ベトナムを行き来しながら韓国人ターゲットに犯行(2)

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
中国・黄島のマンションで働いたIさんは「逮捕される直前にBと通話しろと連絡を受けた。Bに電話すると『社長(A)は会ったことがなく、自分はコンピュータを修理するだけだと陳述しろ』と指示された」と明らかにした。Fさんは「Bが『カジノ業務に使った携帯電話を持ち歩くな』と話した。彼の指示によりコンピュータの保存装置をすべて燃やした」と話した。Bは捜査状況と処罰程度を説明し、弁護士を選任して罰金も全部払うと言った。

主犯のAは事務室にほとんど現れず、Bは事務室に時々立ち寄った。現場を急襲しても主犯は捕まえにくい「点組織」の形態だ。互いに実名を隠し暗号名で呼んだ。各国でメッセンジャーとファイル共有システムにより現場の状況をリアルタイムで把握する。賭博資金はグーグルドライブを共有しグーグルスプレッドシートに口座別に綿密に管理する。管理サーバーをソウルの裁判所近くの会社に置いたりもした。

犯罪組織は実務者が捕まっても外国で新たな加担者を呼んで犯行を継続する。海外にいる主犯を捕まえない限りボイスフィッシングやサイバー賭博犯罪の根絶は難しいという点を見せる。


◇専門捜査チーム急いで作らねば

「現在のシステムでは捕まえられない」=検挙された人たちの間からは「Aが麻薬にも手を出した」との陳述が出ている。Bはオンラインわいせつ物流通とかかわったという証言もある。彼らが東南アジアでホテルとマッサージショップ運営にも関与しているとの証言も確保した。韓国人犯罪者の海外活動半径が広がっているという話だ。問題は現地警察が韓国人を対象にした犯罪にこれと言った関心がないという事実だ。

元検察高位幹部は「中国やベトナム、フィリピンの捜査当局はボイスフィッシングやサイバー賭博犯罪が自国民を対象にしたものではないため積極的に出ようとしない。韓国に専門捜査組織を作り持続して国際ネットワークを強化しなければならない」と話す。

フィリピン警察駐在官とインターポール幹部などを務めた東西大学警察行政学科のパク・ウェビョン教授は「中国や東南アジアでは公安当局の協力がなければ捜査は不可能だ。インターポールを通じて手配しても検挙を期待しにくいのが現実」と話した。パク教授は「該当地域を根拠とした犯罪に韓国国民の被害が深刻なだけにネットワークを強化できるよう国別専従人材の配置が必要だ。専門性ができるころには勤め先が変わる警察の人事システムも変わらなければならない」と話した。関連犯罪捜査を指揮したヤン・チュンジン弁護士(元水原地検次長)は「現実的に海外にいる主犯を捕まえるのはとても難しい実情。犯罪人引き渡しを要請しようとしても正確な所在地住所を通知するなど複雑な手続きが多く進行が難しい」と説明する。

◇中国でボイスフィッシング100人検挙

現地公安当局の協力だけ確保すれば検挙は難しくないという分析も出ている。ボイスフィッシング捜査経験が多い当局者は「この前も中国公安で他地域の要請を受けボイスフィッシング組織100人余りを検挙した事例がある」と話した。

しかし韓国人対象犯罪は国同士の協力が振るわないことを知っているため犯人が大胆な行為を行ったりする。東南アジア地域で韓国系麻薬密売組織のボスを追跡した元捜査関係者は、「現地警察と協力して検挙作戦を行ったが情報が漏れ取り逃がした。直後に私に電話をかけてきて殺害脅迫をした」と話した。

◇「ユーロポールのような東アジアポール創設しなければ」

オンライン犯罪捜査専門家で「ドルイドキング事件」の特別検事補を務めたパク・サンユン元警察庁麻薬捜査課長は23日、「麻薬とボイスフィッシング、サイバー賭博被害を根絶するには中国とフィリピン、ベトナムの捜査当局との協力を大幅に強化しなければならない」と話した。

――国際協力を強化するという話はかなり以前からしてきた。

「現在の水準では難しい。中国、日本、ベトナム、フィリピンなどと合同捜査チームを編成する努力が必要だ。欧州のユーロポールのような東アジアポールを創設して共助を大幅強化しなければならない」。

――なぜ他の国で共助要請に消極的なのか。

「ボイスフィッシングやサイバー賭博は収益金がほとんど該当国に入る点も要因だ。被害還収など協約締結が必要だ」。

――すぐに必要な措置はないか。

「だまされて海外に行った初犯や単純加担者の自首を誘導しなければならない。処罰を恐れ帰国できないため犯罪に加担し続けることになり、使う金が多くなって罪が重くなる悪循環に陥る」。

カン・ジュアン/論説委員


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