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チョン・ミョングァン氏の小説『鯨』がブッカー賞最終候補に…韓国文学2年連続の快挙

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ブッカー賞インターナショナル部門の最終候補に入ったチョン・ミョングァン氏の長編『鯨』。[写真 文学トンネ]

韓国人小説家チョン・ミョングァン氏の『鯨』が世界的権威を誇る文学賞「ブッカー賞」インターナショナル部門の最終候補(ショートリスト)に入った。昨年チョン・ボラ氏の『呪いのウサギ』が最終候補に入ってから韓国文学が2年連続で国際舞台で見せた快挙だ。

ブッカー賞財団は18日(現地時間)、『鯨』を含む最終候補6作品をホームページに発表した。2023年ブッカー賞インターナショナル部門の審査委員長を務めたレイラ・スリマニ氏は18日、ショートリスト受賞作のうち2作目に『鯨』を読み上げ、「一度もこのように展開するプロットを読んだことがない」としながら「登場人物は優しくないが抗えないほど(irresistible)魅力的で結末は非常に感動的だ」と評した。

これに先立ち、ブッカー賞財団は『鯨』をロングリストに選定しながら「韓国の風景と歴史を探険する冒険的小説」「文学の暴動(riot of a book)」などと評した。「人物は愚かだが賢明で、恐ろしいが愛らしい」とし、立体的な人間群像がうまく表現された作品とも説明した。


2004年初刷の『鯨』は主人公クムボクが家出した山奥の少女から企業家として成功するまでの波瀾万丈な一代記と周辺人物の屈曲した人生を扱った小説だ。2004年第10回文学トンネ小説賞を受賞し、10万部以上売れた。

『鯨』は俗に「魔術的写実主義」という修飾語で説明されている。当代の社会像を写実的に描き出しながらも至るところに非現実的な叙事、すなわち魔術的な物語が繰り広げられる点が特徴だ。韓国の近現代社会を背景にした多様な生活を送らなければならなかった女性を扱っているが、同時に象と話をする「チュニ」、自由自在にミツバチを操る養蜂を生業とする「エッグ」など童話にしか出てこないような人物が物語を引っ張っていく。

チョン・ミョングァン氏はゴルフ店の店員や保険セールスマンなどをしながら20代を送った。30歳を越えてからシナリオを描き、監督デビューを夢見ていた。40歳のときに初めて書いた短編小説『フランクと私』が2003年文学トンネ新人賞を受賞して登壇した。昨年にはノワール映画『野獣の血』で監督デビューを果たした。

ブッカー賞はノーベル文学賞、フランスのゴンクール賞と並んで世界3大文学賞と呼ばれている。2005年に新設されたインターナショナル部門は非英語圏作家の英語翻訳作品を対象にし、作家と翻訳家が賞金5万ポンド(約833万円)を半分ずつ分け合う。最終候補(ショートリスト)の賞金は2500ポンドだ。小説家の韓江(ハン・ガン)氏が2016年『菜食主義者』でブッカー賞インターナショナル部門で受賞したことに続き、昨年はチョン・ボラ氏の『呪いのウサギ』が最終候補に、パク・サンヨン氏の『大都会の愛し方』が1次候補(ロングリスト)にそれぞれ入った。

2023年ブッカー賞インターナショナル部門の最終受賞作は5月23日に発表される。



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