尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領は１８日、「麻薬は国民の健康と精神を荒廃化させるだけでなく、青少年の夢と希望を破壊させている。国を蝕む麻薬犯罪を根絶しなければならない」との考えを明らかにした。

尹大統領はこの日午前、大統領室で主宰した閣議で「１０年ほど前までも韓国は検察、警察だけでなく、海洋警察、保健当局、税関など多くの機関の努力で麻薬清浄国を維持していたが、ある瞬間から政府当局が放置してきた」としてこのように話した。

尹大統領は「１０代の青少年が麻薬密輸や流通組織に加担するかと思えば、３９万人分の麻薬をテレグラムやダークウェブ、暗号資産で流通した事件も発生した。さらに引越し荷物便で１０万人分の麻薬を銃器とともに堂々と密輸する事件まで発生した」と話した。


続けて「麻薬事犯も昨年より３０％以上増え、今年は過去初めて２万人を超えると予想される。何より最も衝撃的なことは、麻薬が未来世代である青少年に広く拡散しているという事実」と話した。

尹大統領は「きょうの閣議で『麻薬類管理対策』が報告される。捜査司法当局とともに政府の総体的対応が強く要求される。われわれみんなで力を合わせ国を蝕む麻薬犯罪を根絶しなければならないだろう」と付け加えた。

◇「伝貰詐欺は典型的弱者対象犯罪…犠牲者は未来世代の青年」

尹大統領はまた、「最近伝貰（チョンセ、住宅保証金）詐欺による悲痛な知らせが相次いでいる。伝貰詐欺は典型的な弱者を対象にした犯罪であり、悲劇的事件の犠牲者もやはり未来世代の青年」と話した。

続けて「政府は発足直後から伝貰詐欺に対する特別取り締まりを行い、２０００人以上を検挙して伝貰詐欺被害予防に向け住宅賃貸借保護法など関連法律改正を推進してきた。特に被害者支援に向けた伝貰被害支援センター設置、低利資金と緊急住宅支援を新設した」と話した。

尹大統領は「それにもかかわらず、これに先立ち締結された伝貰契約書により被害者が発生し続けており残念だ。政府の対策が現場でまともに作動しているのか点検し、さらに点検してほしい」と注文した。

◇「国の債務初めて１０００兆ウォン超える…前政権で４００兆ウォン追加」

尹大統領は合わせて「２０２２年度政府決算の結果、国の債務が初めて１０００兆ウォンを超えた。韓国政府樹立後７０年間の国の債務が約６００兆ウォンだったのに、前政権で実に４００兆ウォンが追加で増えた」と話した。

尹大統領は「国の債務に対する利子だけでも今年の２５兆ウォンを含め今後４年間で１００兆ウォンを超える。国の債務増加による負担はそのまま未来世代が抱え込むことになる」と話した。

続けて「放漫な支出で耐えることのできない苦痛を未来世代に押し付けるのは未来世代に対する搾取。財政健全性強化は韓国社会の持続可能性と未来世代のために必ずやらなければならない」と強調した。

尹大統領は「政府支出は国防や法治のような国の本質機能と弱者保護など市場失敗を補完する役割、そして未来成長動力構築など国の中長期課題にだけ集中しなければならない。無分別な現金ばらまきポピュリズムは断固として拒否しなければならない。各官庁の長官らはこうした点を肝に銘じて今後財政支出に対する優先順位を明確にし国民の血税が浪費されないようにしてほしい」と呼び掛けた。