ＦＴが２０２１年１０月から２２年４月までの対北朝鮮石油移動経路を追跡した結果、ユニカ号を通して北朝鮮に石油を密輸するパターンはこうだ。現地当局の監視も制裁を受けない船舶を台湾中西部の台中の港に停泊させ、精製油を積む。その後、この船舶は台湾海峡で精製油を仲介船に積み替える。

この仲介船は台湾海峡でユニカ号に精製油を移し、ユニカ号は中国海岸に沿って北朝鮮の領海に入り、海上で北朝鮮船舶に精製油を引き渡す。このように密輸された精製油は北朝鮮南浦港に燃料トラックに移され、平壌（ピョンヤン）などに配送される。ＦＴは「こうした過程はプラネットラボ、エアバスなど衛星会社の写真などで確認された」と伝えた。

◆「ヤクザも…北朝鮮、国際犯罪ネットワークで核能力高める」


こうした過程を踏みながら北朝鮮は精製油の供給を増やした。ＲＵＳＩは２０２１年８月から２２年９月までの間、ユニカ号が１４回にわたり北朝鮮に引き渡した精製油は最大４８万９１６６バレルと推算した。国連パネル報告書を分析した北朝鮮専門ニュースサイトＮＫ　ＰＲＯによると、昨年、北朝鮮の精製油違法輸入は前年比で７０％も増えた。

ＦＴは「北朝鮮は三合会だけでなく日本のヤクザのような外国の犯罪組織を通して海外物品を調達している」とし「（三合会やヤクザなど）老練な犯罪者は北朝鮮に世界的な密輸、流通および資金洗濯ネットワークを提供している」と明らかにした。ＲＵＳＩは「北朝鮮が三合会のような国際犯罪ネットワークを活用して制裁を避けながら資金を調達することが、北朝鮮が核戦争で世界を脅かすことができる能力の核心だ」と指摘した。


「北朝鮮の石油密輸、その背後に中国『三合会』…国際犯罪組織通じて核能力高める」（１）