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【社説】「時すでに遅し」北朝鮮人権報告書、国際社会と協調してこそ

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版
大韓民国政府が主導した「北朝鮮人権報告書」が昨日初めて公開された。2016年3月にやっとのことで与野党合意によって「北朝鮮人権法」が制定されて毎年作成されたが3級機密に分類されてこれまで公開されなかった。人権法制定から7年を経て初めて公開された報告書は北朝鮮人権改善のための大切な第一歩という意味が小さくない。

公開された報告書は2017~2022年に脱北した脱北民508人の証言を基に世界人権宣言や国際人権条約など国際的基準が適用された。北朝鮮内部で起きた人権侵害事例を広く取りまとめている。国境地域で新型コロナウイルス感染症(新型肺炎)防疫指針を破ったという理由で事前警告もなしで銃殺された事例、韓国の映画・ドラマなどを視聴・流布したとして公開処刑された事例も含まれている。

人権報告書が初めて公開されるまで迂余曲折も多かった。朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾の渦中に2017年執権した文在寅(ムン・ジェイン)政府は北朝鮮の顔色伺いに汲々として北朝鮮人権問題を軽視したという批判を受けてきた。実際、2020年から昨年5月政権交代時までの2年半ほど、北朝鮮人権団体のハナ院の出入りを禁止して脱北民に対する事例調査ができなかった。文在寅政府時期に統一部が調査をしたとしても、その結果を公開しなかったため議論になった。昨年5月尹錫悦(ユン・ソクヨル)政府になったが、統一部官僚の消極的態度で今月初めになってようやく事例調査が再開された。


報告書発刊を契機にこれまで民主党の反対のせいでスタートできなかった「北朝鮮人権財団」の発足も急がなくてはならない。国民の力は最近、財団取締役5人を推薦し、政府からの取締役2人も推薦が終わったが、民主党は相変らず取締役5人を推薦していない。2013年3月21日、国連人権理事会は加盟47カ国の満場一致で「北朝鮮人権調査委員会」(COI)の設置を決議し、翌年2月に最初の国連調査委員会報告書が公表された。これに刺激されて2016年韓国国会が制定した北朝鮮人権法には、北朝鮮の人権改善を促して、脱北難民の地位を認めて、国際的な支援を約束する内容が含まれている。

このような立法趣旨に沿って尹錫悦政府は国際社会で北朝鮮人権を促進する外交的努力を拡大していかなければならない。ちょうど国連の外交舞台でも最近活発な人権外交にエンジンがかかった。2014年から安保理の公式議題に登録された北朝鮮人権問題が過去5年間削除される危機に瀕していたがこれを復活させるために韓米が外交共助に出たほか、脱北者が国連安保理非公式会議に出席して証言する成果もあげた。もちろん報告書を一度公開したからといって北朝鮮人権が直ちに改善される状況ではないだろう。それでも政府は国際社会とともに北朝鮮の人権惨状を国内外に広く知らせて北朝鮮同胞の劣悪な人権が改善されるように連帯していってほしい。



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