京畿道竜仁（キョンギド・ヨンイン）にサムスン電子が３００兆ウォン（約３０兆円）を投じる世界最大のシステム半導体クラスターが造成される。ＳＫハイニックスは１２０兆ウォンを投資しており、竜仁は「半導体メガクラスター」に浮上する。また、竜仁をはじめとして全国１５カ所に国家産業団地を造成し先端産業の中心地にする案が推進される。世界的な競争が激しい半導体や未来自動車など６大核心産業を積極的に育成するという目標だ。

産業通商資源部と国土交通部は１５日、尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領主宰で開かれた非常経済民生会議で、国家先端産業育成戦略、国家先端産業ベルト造成計画などを発表した。現在米国と中国など各国は先端産業をめぐり競争力確保と企業誘致戦を展開している。この日の発表には世界最高水準の製造能力と技術力に比べ韓国政府の支援水準と規制環境が不足しているという判断が背景にある。世界的競争でタイミングを逃せば先進国との格差が広がりかねないという危機意識が込められた形だ。

尹大統領は「先端産業は核心成長エンジンであり安保戦略資産で、雇用・民生とも直結する。半導体で始まった経済戦場がバッテリーと未来自動車など先端産業全体に拡張された。さらに成長するための民間投資を政府が確実に支援しなくてはならない」と話した。大統領室の李度運（イ・ドウン）報道官はこの日の会見で「尹大統領が現在の（先端産業の）世界的競争状況は生きるか死ぬかの問題で急がなくてはならないと迅速な（育成）推進の必要性を強調した」と伝えた。


韓国政府はこれら産業の超格差技術力確保に向け２０２７年までに量子と人工知能（ＡＩ）など１２大技術研究開発に予算２５兆ウォンを投じる。最先端設備を備えた「韓国型ＩＭＥＣ」を構築し先端技術開発空間に世界の人材を誘致することにした。半導体ＩＭＥＣを先に作り、二次電池・バイオなどに拡張する予定だ。ＩＭＥＣはベルギーの半導体研究・人材養成センターで９６カ国の専門家が参加している。Ｋ－ＣＨＩＰＳ法を通じた投資税額控除引き上げ、電力・用水のような必須インフラ構築も積極支援する。

これを通じて半導体、未来自動車、二次電池、ディスプレー、バイオ、ロボットの６大産業で２０２６年までに民間主導で５５０兆ウォンの投資を引き出すことにした。１位輸出品目である半導体には３４０兆ウォンを投資し、電力・車両など次世代半導体技術を育て、優秀人材を育成するという計画だ。

二次電池は２０３０年までに世界１位への跳躍を目標に２０２６年まで官民が力を合わせて総額３９兆ウォンを投資する。

◇竜仁「システム半導体クラスター」造成、法改正の必要なし

これを通じ韓国で生産する二次電池の生産容量を６０ギガワット時以上水準まで確保し、現在５００キロメートル水準である電気自動車バッテリーの走行可能距離を８００キロメートルまで増やす。

未来自動車は９５兆ウォンの投資を引き出して電気自動車生産規模を５倍に拡大し、センサーや二次電池など核心技術を確保して世界３強に跳躍するという計画を建てた。産業全般で活用が増えているロボット分野の成長も図る。

官民がともに５つの核心部品の独自技術を確保し事業モデルを実証する「国家ロボットテストフィールド」を構築する。

韓国政府は先端産業を育てるために地域別に生産拠点を確保するという計画も発表した。全国に国家産業団地１５カ所、総面積４０７６万平方メートルを構築するというもので、これは尹錫悦政権で初の国家産業団地候補地選定だ。

ここに入居する企業は取得税と財産税の減免と容積率引き上げ、迅速許認可などの恩恵を得られることになる。

特に京畿道竜仁に単一団地基準としては世界最大規模となる７１０万平方メートルの先端システム半導体クラスターを作るのが核心だ。産業通商資源部の李昌洋（イ・チャンヤン）長官は「集積された（半導体）生態系構築が企業に最も大きな利点になるだろう。企業相互間で技術や情報移動が自由で、外国企業が入ってきて海外技術もたくさん結合できる」と話した。

竜仁に作られる半導体クラスターは首都圏での工場増設などを制限する首都圏整備計画法改正は必要でないという。

これに先立ちＳＫハイニックスが造成に出た竜仁クラスターのように工場建築「特別物量」の割当を受けることになる見通しだ。貿易協会の具滋烈（ク・ジャヨル）会長は「韓国が先端産業主導権を握るためには何より規制の柔軟な適用が必要だ」と話した。