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緊縮とSVB破綻でウォンにも影響…「1ドル=1350ウォンがマジノ線」

ⓒ 中央日報/中央日報日本語版

ドル

金融市場に恐怖感が広がりウォン相場もパニックになった。米国発の緊縮に対する警戒感が再び広がる状況で米シリコンバレー銀行(SVB)の破綻まで重なってだ。

10日のソウル外国為替市場でウォン相場は1ドル=1324.20ウォンで取引を終えた。この日のウォン相場は取引時間中に一時1329ウォン台までウォン安が進み年初来安値を更新した。

ウォン安は続いている。韓国銀行によると先月1日から8日までウォンの価値は6.8%下落した。主要国の通貨の中でも下落傾向が目立った。同じ期間に日本円が5.3%、中国人民元が2.9%、ユーロが3.0%下がったが、それよりも下落幅が大きかった。同じ期間に主要6カ国通貨比のドル価値を示すドルインデックスは3.5%上昇した。


韓国銀行のキム・シニョン外国為替市場チーム長は「米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長の最終金利引き上げの可能性示唆にともなうFRBの緊縮強化の懸念と外国人投資家のNDF取引などでウォンが相当に下がった」と分析した。

◇人民元下落と貿易赤字の原因

米国発の緊縮に対する警戒心だけでなく韓国経済に対する懸念もウォンの価値を引き下げている。貿易収支赤字は12カ月にわたり続いている。産業通商資源部によると先月の輸出は501億ドル、輸入は554億ドルで53億ドルの貿易赤字を記録した。

1月の経常収支は1カ月ぶりに赤字に転落した。昨年12月にかろうじて黒字転換に成功したが再び赤字を記録したのだ。半導体など輸出不振の影響だ。

1月に韓国総合株価指数(KOSPI)の瞬間的反騰を牽引した外国人投資家の韓国株買い傾向も弱まりウォン相場に力を与えることができない状況だ。韓国取引所によると、1月に外国人投資家は有価証券市場で6兆3704億ウォン相当を買い越したが、先月1日~今月10日には4252億ウォンを買い越すのにとどまった。

中国の景気鈍化に対する懸念から人民元価値が落ちたのもウォン安のまた別の要因に挙げられる。中国に対する貿易依存度が高い上に、ウォンが人民元のプロキシ(代理)通貨と見なされるためだ。

習近平政権3期目に入った中国政府が今年の成長率目標値を昨年の5.5%と市場予想値の5.5~6%より低い5%水準に設定し、対ドルで人民元相場は10日基準で先月1日より2.4%下落した。

サムスン証券のチョン・ミョンジ投資情報チーム長は「外国人投資資金が離脱し韓米間の金利格差が大きくなった上に、中国の両会後に人民元安に転じてウォン相場がともに下落した」と説明した。

◇「SVB破綻で為替相場の変動性高まりそう」

こうした雰囲気の中、米国スタートアップの資金源だったシリコンバレー銀行(SVB)が破綻し金融市場に不安感が広がっている。安全資産選好と危険資産回避につながり外国人投資家の資金流出を刺激しウォン下落要因として作用しかねないためだ。

資本市場研究院のファン・セウン選任研究委員は「SVBは大型銀行ではないが金融市場の敏感度が高まっている状況では短期的に市場に衝撃を与え外国人投資資金をドルのような安全資産に移動させる。それ自体でウォンを下落させる要因になるだけでなく、韓国の債券利回りを高め、企業の流動性を硬化させるなど金融市場全体の変動性を高める恐れがある」と話した。

ハナ証券のイ・ジェマン研究員は「現在の状況が全体的な金融システム危機に転移することはないが、企業マージン下落と設備投資減少のような構造的問題が証券市場で浮上すれば外国人資金が離脱しウォン安と変動性拡大を引き起こすかもしれない」と予想する。

◇「為替相場1350ウォンがマジノ線」

主要証券会社が予想する上半期のウォン相場マジノ線は「1ドル=1350ウォン」水準だ。韓国投資証券は上半期にウォン相場が1250~1350ウォンにとどまると予想した。NH投資証券は年間ウォン相場が1150~1350ウォン水準で動くと予想した。

未来アセット証券リサーチセンター長のソ・チョルス氏は「米国のインフレ(物価上昇)と雇用指標で見ると上半期中にFRBの(通貨政策)ピボット(立場旋回)の実現は難しそうだ。人民元と円安もウォンには負担として作用する見通し」と分析した。

一般の懸念のようにウォン相場が1ドル=1400ウォン台まで落ち込む可能性に対しては線を引いた。チョン氏は「米国の政策金利上段が年5.75%に進み、7月に金利引き上げを終了すると予想される状況でドル高は持続しにくい。3月の連邦公開市場委員会(FOMC)で0.5%の利上げを断行した後にはドルが弱気に戻るだろう」と予想する。

専門家らは概ね下半期にはウォンが上昇し為替相場が安定傾向に入り込むと予想した。KB証券のキム・ヒョジン研究員は「中国のリオープニング(経済活動再開)による輸出回復とFRBの緊縮締めくくり局面進入などによりウォン相場は下半期になるほど上がり平均1ドル=1210ウォン水準に達するだろう」と予想する。



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